思考を研ぎ澄ますということ

至極どうでもええ話で、

全くの持論でしかないのだけれど・・・、

人の行動というのはとても面白いもので、

忙しい時に限って飲みに行くものである。

酒の力

というと、ある意味ネガティブなイメージを発想して

しまいがちだけれど、

実は全くその逆である場合が多い。

夜明けの凛と張り詰めた空気のように、

静寂に響く雫の一滴のように、

思考が研ぎ澄まされる。

端的に言うと、酒に弱い人ほど、

体内に摂取された酒に対して、

「警戒警報」を発令する。

「酒は飲んでも飲まれてはいけない」

との、演歌的思考が本能的に働くのである。

自己を蝕む「気持ちの良い酔い」に対して、

「酔ってなるものか」という抵抗勢力が活発に働く。

これは、人間が持つ防衛本能。

生きるための、手段。

従って、

酔えば酔うほど、思考が鮮明になり、

感覚が研ぎ澄まされ、実に仕事がはかどったりする。

アウトプットするテクストや言葉も同じで。

脳内で考えていることを、

普段(素面の時)はぼんやりと散らばるがままにしている

のだけれど、酔えば脳が必死で、

「生きるため以外の余計な情報は、

この際できるだけ圧縮して格納しよう」

という働きをするから、

半自動的に、「モヤモヤ」がインデックス化される。

チャーリー・パーカーも、

ビル・エバンスも、

根っからのアル中であり、ジャンキーであった訳で、

そんな「トランス状態」のときの演奏が、

レジェンドであったりするのだけれど、

つまりはそういうことなのだと思う。

人間は、とてもプリミティブ。

本能を、ややこしいことで防御しているに他ならない。

理由付けして、防御するということは、

それだけ、弱いということ。

ファッションデザイナーAと行った忘年会において、

感覚が似ている輩二人は、

そんな話ばかりで酒が進む。


 

 

茶屋町の樅。

結局は、ご飯が美味しかったということ。

そして、楽しかったということ。

残ったことがこれだけか。

稚拙だ。

稚拙で、プリミティブで、もろく、情けないところが、

人間の本質的な部分なのだろうと思う。

そういった部分を、強がらずに、肩肘張らずに、

本能的に理解しているからこそ、

きっと、

絶対に、

人は頑張れるのだと思う。

今週唯一の・・・

大型のコンペも無事に終わり、

でも、まだまだ年末まではダッシュなのだけれど、

とりあえず一息ついた今日。

今週の中で、木曜だけが唯一飲み会の予定がない。

一山超えたことだし、今晩は早めに帰宅し、

久しぶりに安堵の一献を一人傾けようと思っていたのだが・・・
 

 

20時過ぎ、会社で仕事をしている時に、

弟から入電。

 

仕事で西宮まで来てるから、

今晩泊まってもいい?

 

とのこと。

 

天龍源一郎のような肉体に、

脳みそまで筋肉出来ているのではなかろうかという風貌の弟。

 

ただ、この男。

 

30歳になった今も、

僕のことを「兄貴」ではなく、「お兄ちゃん」と呼ぶ。

 

どうやら「お兄ちゃん」が好きらしい。

 

と言う訳で、

駅まで迎えに来てもらい、

ビールを買い込み、久しぶりの自宅宴会開催。

 

医龍2を見ながら、焼酎を飲み、

二人で「すげー」を連発する。

 

医龍は、分かりやすい勧善懲悪なドラマ。

加えて、専門的な医学の解説と、

何よりキャラが濃く、影のある「天才集団」ということで、

無条件にかっこいい。

一ヶ月ぶりにリアルタイムで医龍を視聴できたが、

なんともう最終回。

えー!!

そんなこんなな木曜日。

 

 
 

今週のラストを、整然と終えよう。

ふと気付くと・・・

何かに追われたかのような、

12月4週目が終わった。

連日の忘年会も、ようやく一段落である。

業務の波も少しづつではあるが、

その勢いを鈍化させている。

金曜日の夜。

仕事を終わらせ、社用車(チャリ)でMebic扇町に向かう。

大阪市北区は、クリエイティブ産業が集中している町。

印刷、グラフィック、編集、出版、IT、WEB・・・

会社と垣根を越えた、

ネットワーク作りを行おうとしているのが、

大阪産創館のインキュベーションセンター、

扇町にある、Mebicである。

この度、「この町のクリエイター博覧会」というイベント、

リレー展が開催され、その打ち上げパーティーが開催されたのだ。

僕は出展には参加できなかったのだけれども、

「この町のクリエイター」のWEBでの取材記事に、

登場させて頂いた縁で、

(良ければ見て下さい→ http://www.mebic.com/cluster/187.html)

ファイコムの浅野社長にお誘い頂いたのである。

(ちなみに浅野社長は我々の交流会にもご参加頂いている)

パーティーの様子。

一定期間、苦楽を共にした仲間達が、

打ち上げパーティーで喜びを爆発させる。

 

つぼみに生命の力をはち切れんばかりにたぎらせ、

桜の花が、一斉に開花するかのような、

そんな光景であった。

一歩引いたところで、

クリエイターの皆さんの表情を見る。

素晴らしい、笑顔。

何かを成し遂げた、という、充実感。

そんな、清々しい光景。

皆様に挨拶して、

先に会場を後にする。

社用車(チャリ)にまたがり、中崎町を目指す。

圧倒的な熱意に触れ、

火照った体に寒風が心地よい。

界隈でも美味しいと評判の焼鳥屋に入ると、

男三人が既に出来上がっていた。


 

 

金曜日の22時から飲む酒はうまい。

勢いで、二件目、三件目とハシゴする。

気持ちが良い。

なんとか終電に飛び乗り、

駅に着くと、タクシー乗り場は見たこともない程の行列。

時間は0:30なのに。

これぞ、季節の光景。

皆様、お疲れ様でした。

並ぶ気なんてさらさらなく、

徒歩で片道50分の自宅への道のりを、

僕はゆっくり歩き出す。

時空を超えたもう一人の自己との会話が、

上り坂ばかりの道程を、楽にしてくれる。

それは気付けば、いつも自分と共にあった。

そして、今日も共にある。