最近の仕事について

先週は7日間の内、ゴルフが4ラウンドというなかなかハードな一週間で、ガラスの腰が悲鳴を上げております。とはいえ、この時期はまだサマータイムでスループレーが出来るので、早朝からラウンドして昼過ぎには帰って仕事が出来るのが良いですね。

このような生活をしているものですから、松田は一体どんな仕事をしているのか、と良く尋ねられます。遊んでいるように見られますが、実はちゃんと仕事もしていまして。今日は少し長くなりますが、自分が今関わっている仕事について書いてみたいと思います。

当たり前かもしれませんが、仕事の多くは企業からいただくもので、その会社の中に入って新しい事業の立ち上げから軌道に乗せるまでの事業開発支援、会社の成長のために必要な人材を獲得し、目指すべき会社を作るための採用計画とブランディング、広告計画の策定、組織開発の支援、ポテンシャルユーザーと既存顧客の双方と効果的にコミュニケーションするためのマーケティング施策の設計と運用、SNS広告や動画広告を効果的に活用して商品の宣伝を行うことなど、幅広くたくさんの企業のビジネス支援を行っています。そして、関わっている企業の数々が着実に結果を出せているのは嬉しいことです。

もちろん、自分ひとりでは抱えきれない場合もあるので、ビジネスパートナーとして各地域の制作会社やマーケ会社に仕事を割り振りしながらチームとして支援させていただくこともあります。顧問、とか、アドバイザー、とか、コンサルタント、という肩書をいただくこともあります。また、上場を目指すベンチャー企業の社外取締役などもさせていただいています。いずれにしても、自分がテックの領域にいたので、その知見を活かす仕事が多いですね。

で、ここまでが「ビジネスとしての仕事」です。

それ以外に、ビジネスではないが「やるべき仕事」というのもたくさん抱えています。ボランティアワークとでもいいましょうか。具体的には、社団法人の活動や地域活動、大学との連携による社会課題解決の活動などです。

まず、理事を務める一般社団法人グローバル人事塾は引き続き毎月二回の勉強会を開催しながら精力的に活動していますし、この9月1日にはシニアのウェルビーイングと向き合う企業コンソーシアム、白秋共同研究所を一般社団法人化し、一般社団法人白秋共同研究所として立ち上げ、理事(監事)に就任いたしました。WEBサイトはまだ仮公開中なので、今後充実させていく予定です。これらの活動は、超高齢化社会を迎えている今の日本社会に必要な活動だと思い、ブラックボックス化されてきたシニアのキャリアという課題に風穴を開ける切り込み隊長のような役割を担うことができればと思っています。この辺りの戦略とビジョンについては、また別の機会に詳しく書いていきたいと思います。

さらに、地域活性化、自立分散化、コミュニタリズムといった文脈での活動も行っています。こちらについては非常に難しい課題ですが、脱資本主義を実現するために、資本主義を大いに活用する、といった自分なりの戦略で向き合っています。特にゴルフを一緒に回っている方々などはビジネスの第一線で活躍されている方ばかりですので、そこから様々な情報を得ながら、短期と長期の両軸を見据えつつ戦略を考えているところです。(←ここ、抽象的ですいません)本当にお金のあるところというのは、表に出てこないものなのです。

あとは、先日も書いた「思いはあっても仕事はない」という方々のために様々なアドバイスを行っています。これから起業や副業を考えている方、起業はしているけど、お金がない(儲かっていない)という方も含め、対応できる場合は時間を割いてお話を伺いながら、自分なりに微力ながらアドバイスをさせていただいています。

これらの一つひとつを深掘りしていくと相当なボリュームになってしまいますが、仕事ということを考えた時に、「仕事とは、事に仕える」ということであるならば、僕にとっての「事」とは、単にお金を稼ぐということではなく、社会にとって必要な「こと」や、人々が豊かに暮らしていける「こと」に、自分の経験や知識を活かせる(=仕える)かどうか、そこがもっとも重要な要素になっています。

これがないとやる気にならないし、志を共にする仲間たちと一つの目標に向かっていく瞬間が一番幸福感を得られるものだとも思います。明日からは関東出張。またね、一つ面白い話があるんですよ。今までになかった大学発のベンチャーができるかもしれません。

では、今週もおおいにがんばりましょう。

巨人の肩の上に立つことができているか

怒涛の出張ラッシュも終わり、今週は落ち着くかと思っていたのも束の間、非常に忙しい一週間となりました。日中の暑さは相変わらずですが、朝晩が少し涼しくなってきました。

さて、論文検索で有名な Google ScoLar の検索ボックスの下に「巨人の肩の上に立つ」(standing on the shoulders of Giants)という一文があります。

この言葉は「先人の積み重ねた発見に基づいて何かを発見すること」というメタファーであり、僕も好きな言葉の一つです。17世紀のアイザック・ニュートンが言ったという説もありますし、12世紀の哲学者ベルナールの言葉という説もあるみたいですね。歴史に名を刻んだ研究者から名もなき研究者まで、彼らよりも過去に生きた先人たちを「巨人」と呼んでいることに悠久の時の流れを感じます。

人間の歴史というのは、無数の発見と研究の積み重ねで、それぞれの時代を生きた先人たちの努力の一つひとつの上に、今を生きる自分たちも次の世代のために築き上げていかなければならないということなんでしょうね。それは研究者じゃなくても、同じことなのだろうと思います。

日々仕事をしていく中で、本当に自分は巨人の肩の上に立つことができているのだろうか、と感じることがあります。もちろん自分は研究者でもなんでもないから先行研究の上に自分の研究を重ねていくこともない、ただの一般人なのですけど、毎年同じことを繰り返していないだろうか、進歩し続けているだろうか、過去の教訓から学べているだろうかという意味で、振り返って内省することは多々あります。

やっぱり生きている限りは、年々自分自身をアップデートし、ただ時間を浪費するような仕事ではなく、目に見える変化を遂げていきたい。

そのためには、日々学びを怠らず、黙して成長を続けていくこと。
言葉と実績に深みを持たせること。

9月に入りました。今年もあと4ヶ月です。

クローズドな場とオープンな場

たまたまですが、先週末の二日間、両極端ともいえる新旧の文化に触れ、そのコントラストが非常にはっきりしていて心に残ったのでブログに書いてみます。

その新旧というのは、レガシーでクローズドな会員制クラブと、若くてオープンなビジネス・コミュニティです。重要な物事やビジネスの意思決定がなされていたクローズドな会員制の社交場と、SNSを駆使してオープンに仲間を集め、コトを動かすコミュニティ、その両極端ともいえる場所に、前者は土曜日、後者は日曜日に訪れました。

土曜日に訪れたのは兵庫県の鳴尾ゴルフ倶楽部。
元々あった場所から移転してきたとはいえ、このコースは開場103年(大正9年)と古く、日本最古のゴルフ場である神戸ゴルフ倶楽部(明治36年開場)、廣野ゴルフ倶楽部(昭和7年開場、世界のゴルフ場ランキング39位にランクイン)と並んで「御三家」と言われる名門ゴルフクラブです。

もちろん誰でもラウンドできるわけではなく、今回機会をいただいたのは自分が所属している千刈カンツリー倶楽部との連携があったからです。神戸ゴルフ倶楽部も一度ラウンドさせていただきましたが、今もクラブハウス内にはバーカウンターが残り、ここで会員同士がラウンド後に親睦を深めていたという歴史がありました。鳴尾も同じような雰囲気です。

様々な業界のキーパーソンがこのような社交場の会員に名を連ね、大きな仕事や政策を動かす場にしていたのでしょう。今でもゴルフ場で重要な意思決定が行われているというのは普通にある話ですし、そこまで大げさな話じゃなくても、僕自身もラウンド中に同伴者の方々から、ニュースの裏側に有るような話や、SNSでは絶対に流れてこないような話をお聞きすることがよくあります。

今は以前よりハードルも低く、カジュアルになったのかもしれませんが、他クラブとの交流戦などもよく行われているようですし、会員同士で仕事も繋がっているのでしょう。こういうところって、「誰々の紹介」というのがパスポートになります。

雰囲気のあるクラブハウス。

さて、そのような会員制社交場を堪能した翌日、若手の女性起業家によるビジネスコンテストのファイナルにご招待いただき、代官山に行きました。

300名以上の応募の中からファイナルに残った10名(上は26歳、下は現役大学生)の女性たちのプレゼンを投資家サイドで聴いていると、昨日のクローズドなコミュニティとは真逆の、オープンでカジュアルでイノベーティブな雰囲気を感じることができました。

彼女たちは当たり前のようにInstagramで自ら情報発信をし、ビジネスアイデアをこのようなイベントでプレゼンすることによって支援者や投資家、協業先にPRします。したいこととビジネスのつなぎ込みが上手で、息をするように資料を上手に作り、プレゼンをする。

何より、ビジネス・アイデアの内容が現代の社会課題を解決するものが多く、(儲かる儲からないは別にして)若者ならではの発想と観点で、自分には出ないなと感心しきりでした。前者とは比べ物にないくらい、オープンな場です。

重厚長大な歴史のあるものもあれば、オープンでライトなものもある。
自分はこれらの両方を行き来できているので、ありがたいなと思っています。

どちらからも刺激を受けているし、自分ものんびりしていないで、まだまだがんばらないと、と思うのでした。

純喫茶とビストロ

ここ最近のマイブームといえば、純喫茶めぐりです。

Mac Bookを開いて仕事をするにはスタバやタリーズなどのチェーン店が便利ですが、PCから離れて気分転換したい時、本を集中して読みたい時、そして、レトロな雰囲気に浸りたい時は純喫茶が良いですね。以前までは喫茶店といえば全席喫煙のところが多かったので、煙草が気になって敬遠していたのですが、今は分煙または完全禁煙のお店が増えてきたので随分入りやすくなりました。

さて、最近神戸で仕事をすることが増えてきたのですが、神戸といえば「にしむら珈琲」に代表されるように、老舗純喫茶が多い街です。打ち合わせの合間や、会食の前など、意識して街を歩きながら探していると・・・三宮や元町のそこかしこに喫茶店があります。

最近行った喫茶店で良かったのは、コーヒーポット(名ばかり分煙)、喫茶ボントン(1F禁煙、2F喫煙)、そして、モトマチ喫茶(完全禁煙)。
こういう喫茶店のアイスコーヒーって本当に美味しいんですよね。

路地裏にひっそり佇む喫茶店。震災を乗り越えた古いビルや建物に今も残る昭和の香り。カフェチェーンに負けずに何十年も営業を続けていること自体が素晴らしいです。

日本もヨーロッパのように「古きものほど良い」という文化を、神社仏閣や歴史遺産だけでなく、こういう何気ない街の建物やお店にも浸透させるともっと良いのに、と思います。どうせ新しい建物作ったって、人口減るから埋まりませんよ。そこにお金かけても回収できないのはわかっているはずなんですけどね・・・古いものを大切にリノベしながら使って行きましょうよ。なんつって。

神戸の路地裏といえば、バーやビストロも多くあります。

いくつかお気に入りのビストロがあるのですが、先日行った「BISTRO On-y-va ビストロオニバ」は、2020年のオープンという比較的新しいお店にも関わらず、すでに人気店となっていて予約必須でした。

17時半の開店時間に合わせて予約し、明るいうちからワインを堪能。
カルパッチョには白ワイン、名物ビフカツには赤ワイン。

カウンターだけの小さなお店ですが、マスターも笑顔が素敵な方で。
お客さんが描いたであろう店の絵からも、この店が愛されていることがひしひしと伝わってきます。客との距離が近いのはいいですね。

自分も歳を取ってきたのでしょうか。
小さければ小さいほど、疎であれば疎であるほど、静かであれば静かであるほど良いように思えています。

思いはあっても仕事はないという現実にどう対処するか

毎日暑い日が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今日からお盆休みがスタートするという方も多いと思います。大きな台風が来ていますので、日程や行き先によっては心配ですね。どうぞご安全に。

僕の方はというと、特にまとまった休みを取ることもなく普段どおりの生活です。ただ取引先が休みに入るので、打合せや電話がなくなりますから、このタイミングを活かして後手に回っていた資料づくりをとにかく集中して終わらせること。会社員ではない自分にとって、連休も週末も関係なく、休みたい時に休み、仕事したい時にするようなスタイルを「公私融合」というのかもしれませんね。合間合間にゴルフやランチ、飲みの予定も入っていてとても楽しみです。

さて、今日もまた、悩み相談に関することを書いてみますね。

先日は子育てに悩む親の話を書きましたが、今回は「独立したけど仕事がない、どうすれば仕事を増やすことができるか」という相談です。これ、本当に多いんです。同じように「将来的に独立を考えているが、どうしたら良いか」という相談もあります。僕自身もまだまだ発展途上の人間なのですが・・・多分、話やすいんでしょう。

いろんな人の話を聞いて思うのは、「自分がこういう仕事がしたい、自分がこういう世界をつくりたい、自分がこういう組織を作りたい」という自分の思いが先行している人が多いという点です。もちろん、自分の思いはとても大切です。でも「自分のこうしたい」で仕事を得てお金を稼ぐことが出来るほど、今の時代は甘くはないんです、残念ながら。経済が縮小し、大企業くらいしかまともに予算が使えない時代にあって、特に広義の意味でのコンサルは、専門性と実績、経験が重視され、プロ中のプロが群雄割拠している時代です。あなたに仕事を依頼する価値はどこにあるのでしょう?という質問に明確に答える必要があります。

実際、SNSでのセルフ・ブランディングと称して情報発信をがんばっていても、そこから仕事を得ている人、ビジネスがうまく行っている人って少ないでしょう?儲かってる風、なんでも知ってる風に見せている人ほど、全然うまく行ってないのが、世の常です。

さて、独立前に考えなければならない点は、自分の実体験からして以下の要素が重要だと思っています。

・自分が思う自分に対する価値ではなく、世の中での自分の価値を定量・定性評価し把握すること

・世の中にない自分の専門性と実績を持つこと

・世の中にない自分の専門性と実績を効果的に伝えること

・その専門性と実績が、世の中のニーズとマッチしていること

・それらしいことを言わない
(素人か専門家の違いくらいは読み手はすぐに分かる。また、薄い文章、どこかの受け売りは逆に信頼を無くす)

・修羅場のようなプロジェクトを何度も経験し、社内外で戦友を作ること


あくまで自分の実体験による考えですが、仕事を得るためには、要するに、世の中にない価値(専門性と実績)と、社外人脈、ニーズとマッチしていること、が重要ということです。当たり前のことですけどね。独立してから苦労する人が多いのは、どれか一つ、または全部がないためです。

ないならないで簡単、作りましょう。
あと専門性のところで付け加えるなら、インプットの量が絶望的に少ない人が多いように思うので、とにかく読み、学び、書くことも重要だと思います。

すべて、自分にも当てはまる内容で、自戒を込めて。
盆休み期間中は、インプットに最適ですね。

生存本能と転職の話

おはようございます。夏らしい空が広がり、ピカピカの晴天なのは良いのですが、朝6時でも既に陽射しがジリジリ。今週も暑くなりそうですね。

さて、先日の記事で「結局なんとかなる」という内容を書きました。
頭では分かっていても、先のことを考えると不安なのでなかなか一歩が踏み出せないのが人情というものですよね。でも人には生存本能が備わっているので、今いる場所の居心地が「本当に悪ければ」自然とそこから離れて、安住の地を探すものです。

転職の相談を受けることがよくあります。

転職すべきかすべきでないか。転職の理由として多いのは、自分自身のキャリアアップ、待遇、人間関係など様々です。でも、結局動かない人が多いのは、様々な理由に加えて「今の場所で生きている自分が想像できる」からだと思っています。特に経営理念に共感したり、自社の製品やサービスの大ファンだったりしなくても、今日、明日、一ヶ月後、一年後にそこで働く自分が想像でき、身体を悪くするほどのストレスがないのであれば、動く必要も変える必要もありません。あと「自分が抜けると回らない」という人もいますけれど、会社というのは誰が抜けても回ります。一人社長の個人会社でもない限り、極端な話、社長が突然いなくなっても、回るものなんです。会社や組織というのはそういうものです。

20代からの相談で多いのは、転職したいけれど今の場所で結果を出してから、というのもあります。営業職であれば数字という目に見える指標があるから分かりやすいのですが、それ以外の職種での結果を何で測るかは様々です。こういう相談を受ける時に必ず「もし結果が出なければ、一生そこにいるの?」と聞くと、皆さんうーんと唸るんですよね。つまり、そこにいるための理由を自分で作って納得させているということなんでしょう。あと、会社を変えるんだ、と鼻息荒く力説してくれる人もいますが、経営者が変わらないと会社は絶対に変わりません。ですので「変わる、変える」という文脈で話しても良いのは、そもそも経営者が交代できる仕組みが整っていることが大前提になります。

自分のスキルや市場価値というのは誰しも、なんとなく潜在的に分かっているので、損得やリスクを勘案して、動く人は動くし、そうでない人は動かない。そういう意味でも、なんとかなるもの。つまり、人って自然とあるべきところにあるし、住むべきところに住む。なんか達観したような話をしてしまっていますが、人の生存本能を甘く見てはいけないなと思っています(笑)

というわけで、今週もがんばりましょう!

今日の一枚は週末のゴルフ場の写真です。夏のゴルフ場の美しいこと!

朝の三時間で一日が決まる

人それぞれ、生活リズムというのがありますよね。

僕の場合は夜が弱い代わりに朝が強い、朝型人間です。朝の3時間で一日の仕事のほとんどをこなせてしまうくらい、朝が最も頭が働き、パフォーマンスが上がる時間です。独立して時間や場所に縛られない働き方をしているので、ゴルフやジョギングに行かない日は早朝に頭を使う仕事を終えて、日中は打ち合わせや会議などに時間を割いたり、買い物に行ったり自由に過ごしています。

管理の問題があるとはいえ、朝9時〜18時勤務のような働き方ってやっぱり非効率だよなあと改めて感じています。が、こればっかりはなかなか変えれないでしょうね。社会の仕組みがそれで回っていますものね。

そういえば、以前サンフランシスコでお会いしたヘッドハンターの方は、トライアスロンを趣味(というかほとんど仕事)にしておられて、早朝にスイムとジョギングを一式こなし、その後、10時〜16時まで仕事をし、帰ってバイクを漕ぎ、スイムをしてから食事を撮り、20時には就寝という生活をしているということでした。夜が使えないので、会食とかはすべて断っておられるとのこと。

その話を聞いた当時は、そんな短時間しか働かないでよくやって行けるな〜と感心していたのですが、今の自分も多分そんな感じの生活をしていますので、やってみないと分からないものですね。

話は変わりますが、海外を飛び回っていた前職時代と違い、自宅をベースに仕事をしていると、目線が変わっていくのを実感しています。以前は目線は高く、広く、常に上を向いて、という状態だったのが、今は半径1mを大切にしたいなと思うようになりました。外も良いけれど、庭仕事や料理など日々の暮らしの中での楽しみがたくさんあるし、自分が住んでいる地域やコミュニティを良くして行きたいと思っています。

そんなこんなであっという間に7月も半ばですね。
暑い日が続きますので、どうぞ皆さんお身体には十分お気をつけてお過ごしください。

最後に最近食べたジャンクなものを載せておきます。
あー美味しい!

抗わずに受け入れると楽になる

6月に入りました。梅の収穫シーズンです。
 
我が家の庭には、三本の梅の木があります。その内の一本は斜面に立っているので収穫することは困難なのですが、それ以外の二本からは毎年、たくさんの梅を収穫します。

今年は嬉しいことに、きれいで大ぶりの梅が多かったです。出荷できるんちゃうか、というくらいたくさんの梅を収穫することができました。

農薬も肥料もなにもあげず、勝手に生えてるだけなのに、季節になると実をつける。僕たち人間はそれを見て、今年は大きいな、小さいな、豊作だな、不作だな、と言っているだけで、与えられるものをそのままいただいているだけなんですよね。

自然のまま、という言葉の大切さを最近特に感じています。
 
ありのまま、とか、抗わない(あらがわない)とか、自然体、とか、様々な表現ができるかもしれません。自然の恵みをそのままいただくのと同じで、身体や、環境の変化なども、そのまま受け入れると楽ですよね。

僕の場合、病気の影響で、体温が上昇すると発熱する(免疫暴走してしまう)ということが分かってきました。例えば、お酒を飲んだり、ランニングなどの激しい運動をすると、もれなく高熱を発熱します。また、疲労や、緊張も良くないようです。一度発熱すると一週間は続くので、割と細かな用心が必要です。

走って飲むということが趣味だったので、この二つが同時に出来なくなっていることは残念なことではありますが、「抗わない」こと、受け入れること、そして、別の楽しみを見つけることで変化に適応していくことが心身ともに健康に過ごすことの秘訣だと思います。そういえば、先週は東京に四日間出張していたのですが、すべての会食をノンアルで過ごしました。いや、これ、全然楽しかった!飲めなくても全然楽しい。むしろ健康的だし、新たな発見です。

そういえば、今朝たまたま目に止まった蛭子能収さんの記事、まさに自然体やなあ、と思いました。

「“蛭子さんの人生相談”最終回「言いにくいことを言い出すには?」

自分のしたいことに嘘がない。ダメ人間で何が悪い。
この開き直りとも言える自然体が、キラキラSNS時代の中にあって、より一層際立ちます。こうでなければならない、こうすることが成功の秘訣、そんな外部の情報に一切影響されず、無理せず、かっこつけず、(人には迷惑を掛けないように)自分に正直に我が道を歩んで行きたいものです。

人との関わり、時間、深度について

このGW、皆様いかがお過ごしだったでしょうか。
僕の方は元々、大学生になった長女と一緒に信州蓼科から伊豆方面への旅行を計画していたのですが、予期せぬ体調不良で早々にキャンセル(娘ははじめたばかりのバイトが楽しいらしく、全然いいよ〜と言ってくれました)、主に自宅で連休を過ごしました。

体調も良くなってきたので、自宅からほど近い山や公園、植物園に毎朝のように通って、自然の中を歩き回りました。スマホは持っていましたが、主に花や木の写真を撮るだけ。SNSやネットニュースからもできるだけ離れるようにしていました。

あとは、本をたくさん読みました。
5冊以上読んだかな。印刷された本だけでなく、自分が今関わっているプロジェクトに関係しそうな論文(現代的コモンズ、自立分散化など)も含めるとかなりの文字数を読み、インプットしました。向き合ったのは、木々草花と、鳥のさえずり、風の音、自分の呼吸、そして、文献。静かだけれど、精神的にはとても充実した休暇でした。

僕は基本的に「人好き」なので、人との関わり合いやコミュニティの重要性を常に意識しながら生活していますし、コミュニティの運営や参加も積極的に行っています。でも、ちょっとだけ気分を変えてインプットに集中してみようと、SNSから少し離れてみたんです。

人との関わり方について面白い記事がありました。養老孟司先生は、子供の自殺という問題について日経ビジネスでの連載でこのように述べています。

「人間の相手ばかりしているから死にたくなる」

それにしても人といる時間が多すぎるんですよ
2万人くらいの死にたい人の話を聞いてきた坂口恭平さんは、人の苦労というのはすべて他人との関わり合いのなかにあるとしています。

「養老孟司氏、なぜ「他人が自分をどう思うか」を気に病むのか?」
日経ビジネス 2022/05/20

一部抜粋していますので、前後の文脈を読んでいただきたいのですが、僕自身はこの感覚に非常に強い共感を覚えます。人は何をしているのか、自分は人からどう思われているのか、なぜ「本人」がいるのに「本人確認するのか」。

働く環境、住む環境も「人との関わりの多さ」に影響を及ぼしているかもしれません。

この休暇中に読んだ本の中の一冊に、隈研吾さんの「建築家になりたい君へ」がありますが(建築学生の長女に買ってあげたのですが、パパが先に読んで一日で読了してしまいました)、その中で、資本主義経済は、生産性、効率性を求めた結果、都市にコンクリートのハコを作り、そこに人を閉じ込めた、という文脈があります。確かに人がロボットのように働くことで経済成長はしたかもしれない。でも、それは人にとって良いことだったのだろうか。ハコに閉じ込めて管理することは、人間にとって大きなストレスとなることも広く知られています。

コロナ禍が始まった2020年の春、慶応SFCの安宅先生は「開疎化」という言葉を良く使っておられました。それまでは「密」で「閉」が良しとされていましたが、感染症から身を守るためには、「開」で「疎」であるべきだと。これは物理的空間の話ですが、人と人との関わり方にも関係しそうです。巨大都市に人が集中し過ぎると、24時間人の存在を気にしながら生活しなければなりません。でも、人との関係も疎結合することで、良いバランスを取ることができるかもしれません。

人好きな自分ですが、この連休中はあえて、自然の中で自分と向き合うことによって、大きな成果が得られたと思います。これからキックオフする複数のプロジェクトの骨子と、すべきことが見えた気がするし、断片的に分散していた自分の考えがデフラグされ、整理されたように思います。

まだまだ試行錯誤が続くでしょうけど、より良い社会の実現に向けて微力ながら力を傾けていきたいと思っています。

答えを探すのではなく、問いを立てること

先月エントリーしたブログで、効率的、直線的、最短距離という言葉に何の魅力も感じないと書きました。その理由として、「一つのことに集中し、答えを探すことももちろん大切なのですが、一見遠回りと思えることに一生懸命時間を費やし楽しむことで、異なる要素が結びつき、良いアイデアが生まれたり、ビジネスの種を見つけたり、ボトルネックになっている問題の解決策のヒントが得られたり、新たな人との出会いがある」としたのですが、それに加えてもう一つ気付いたことがあります。

ChatGPTのようなgenerative AIが台頭してくると、答えを得ることはとても簡単になります。あれこれ考えたり、論文を漁ったり、調べたりしなくても、先行研究や論文データベースはすでに検索対象としてあるし、実際に起こった事実を考察して結論を出し、AIがそこから答えを自動的に生成してくれます。答えを得る作業に費やす時間は、ほぼ0になりつつある。つまり答えを探すという行為そのものは既に最短距離で実現できてしまうものだと思うのです。(ちなみに効率化に関しては、これを本気で実現すると働き手は不要になるので一部の資本家だけが儲かるというディストピアが生まれるだけです)

でも、問いを立てる、ということについてはどうだろう。

自分でなにかに関心を持ち、これは本当なのだろうか、他にもっと良い方法はないのだろうか、この課題を解決するにはどういうアプローチをすれば良いのだろうか。問いを立てる能力がこれからもっと必要になっていくのではないでしょうかね。前回の記事で、福沢先生や谷崎の本を読んでいると書きましたが、現代から見ると情報もモノも何もない明治維新前後や昭和初期の時代、彼らは常に「問い」を立てていることが分かります。その時代、自分で考え、選択肢を準備し、決定して行動しなければ何も起こらないし何も始まらないからです。

白秋共同研究所で研究と実践のテーマにしている「ウェルビーイング」は、まさにこの点を指摘しているのかもしれません。僕は専門家ではないので教えてもらったことだけを紹介すると、ウェルビーイングの構造は、まず「経済成長」「民主化」「社会的寛容」という社会的条件があり、その上で「働く/生きる上で選択肢から自己決定する」→「主観的な評価と体験」がウェルビーイングな状態である、ということです。

つまり重要なのは、自ら考え、自己決定をするということ。
そのためには答えをすぐに探そうとしたり、答えを見て判断するのではなく、問いを立てることが必要だということですね。これ、習慣化したいと考えています。