社会的「林」の中で生きる

仕事柄、今後のキャリアについて相談されることが多くあります。

「今後」と言っても、その人が何歳なのかによって随分見え方が変わるものですが、自分自身が一般社団法人 白秋共同研究所 の理事をしていることもあり、シニア世代、または予備軍(特に40代)の方々からの相談が多く、この世代は特に「今後」を強く意識しておられる方々が多くいらっしゃいます。ポジティブというよりは、どちらかというとネガティブに将来を見ておられるように感じますが、結論からいうと、実は50歳からが人生の黄金期だそうで、いやこれ、事実であれば人生の後半戦を迎えるのが非常に楽しみなわけです。

このブログでも何度か書いていますが、世界では人生を4つに分けて考えることが多いようです。

中国では、「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」としていますし、古代インドでは、「学生期」「家住期」「林住期」「遊行期」という考え方があります。最近よく耳にする「人生100年時代」に当てはめて考えると、それぞれ、0〜25歳、25歳〜50歳、50歳〜75歳、75歳〜100歳と区分できるかもしれません。

老いの工学研究所によると、インドの四住期において「林住期」が人生最高の期間とされるようです。

●「学生期(がくしょうき)」
 まだ一人前ではなく、学び、心身の鍛錬を通して成長していく期間。

●「家住期(かじゅうき)」
仕事を得て懸命に働き、結婚し、家庭を持ち、子を育てるために頑張る期間。

●「林住期(りんじゅうき)」
世俗を離れ、迷いが晴れ、自分らしく自由に、人間らしく生きる時期。

●「遊行期(ゆぎょうき)」
人生の最後の場所を求め、遊ぶように何者にも囚われない人生の最終盤。

この中で、「林住期」が人生最高の期間とされるようです。

学生期、家住期、林住期、遊行期(インドの四住期)【高齢期に関わる用語集】https://www.highness-co.jp/churakubou/detail/215

林住期の「自分らしく自由に、人間らしく生きる時期」とはどういう意味なのでしょうね。この時期は自分の夢を実現し、必要からではなく興味によって何事かをする時期と作家の五木寛之さんは書いておられます。

振り返ってみると、自分も20代から40代半ばまで一生懸命働き(家族を養い、子どもを育て、経験を積むという必要性があったと思います)、46歳で興味によって何事かをする時期にシフトしたように思います。

具体的には、会社勤めを辞めて若手や後進にバトンタッチをし、フリーに身軽に働けるようにして、自分の会社で収益を上げつつも、関心が向く方に多くのリソースを割けるようになりました。「関心が向く方」と「ビジネス」は両立しない場合が多く、自分の場合は複数ある社団法人の活動やコミュニティ運営、地域活性、シニアキャリア、神社のお祭りなどは収益とはほど遠い場所にあります。むしろ、持ち出しの方が圧倒的に多いかもしれません。でも、これらの活動に注力できているのは25年間の「家住期」があったからなんですよね。

「林」という表現が面白いな〜と思います。街ではなく、林。憩いの場所、落ち着く場所、静かな場所、里山のようなイメージ。でも街から遠くは離れていない。家住期の人たちに混じってがんばるのではなく、少しだけ距離を置いて興味関心に向き合う。なにかあれば、街の人たちを手伝ってあげる。

こう考えると、家住期にどれだけがんばれるかがとても大切なのかもしれません。20代〜30代の方、急がず焦らず、楽しみながら泥臭くがんばりましょう。どのみち急いでも何者にもなれませんから(笑)、安心して目の前のことをひとつづつね。

と、前置きが長くなりましたが、こういったことってなかなか一人で出来るものでもありません。相談できる場所や仲間も必要です。そこで、白秋共同研究所では、「White Club(ホワイトクラブ)」というサロン型のコミュニティで、月に一回、神戸のカフェ・テイストなコワーキングスペース「Sowelu」に集まり、ワイワイガヤガヤと様々な話や情報交換をしています。

今日書いたような情報は、月に二回メルマガとして「白秋世代エンジョイニスト」であり、合同会社アーベント代表の吉川公二さんにコラムを書いていただき、発信しています。

このホワイトクラブですが、実は誰でも参加できます。原則、毎月第四水曜日の18:30に、10人ほどで集まって、ゲストスピーカーの身の上話を30分聴き、その後は乾杯スタート。王子公園のグルメをケータリングでいただきながら、みんなで最近あった出来事や関心事などを話しています。こちら、興味がある方はお気軽にゆるっとご参加ください。会場代、飲食代を入れて 3,000円です。

既に林住期を迎えている方でなくても、家住期の現役の方、30代の方なんかは今後のキャリアの参考になるとも思います。ほんといろんな人がいて面白いですよ。

あと、「林住期の面白い方」も常に探しています。僕の方からゲストスピーカーとして急にお声を掛けるかもしれませんので、その際はどうぞよろしくお願いいたします。笑

WEBサイトはこちらから
https://hakushu-lab.com/whiteclub.html

その会社でしか通用しない人間にならないために

30歳前後の方から今後のキャリアについて相談されることが多いのですが、今の若手はしっかりしていますね。やりがいだけでなく、お金の面でもしっかりした考えを持っていてさすがだな、と思います。

巷では「受け身」と称されることが多い若者世代ですが、僕の印象はまったく違って、会社に頼るのではなくキャリアオーナーシップを持っている人が多い。自分の親世代の苦労を見ていたり、日本の凋落を目の当たりにして育っているので、良い意味で堅実、悪い意味で保守的って感じ。最初から会社に頼って生きていく、この会社に入れば安心、という考え方が薄いんですよね。そういう意味ではしっかりした人たちが多いんですが、一方、知識だけが多くて頭でっかちになっている人も中にはいます。話を聞いていて、今のままではその会社でしか通用しないなと思う人もいます。

今の時代「その会社でしか通用しない」というのはとても危険です。

勤め先がいつまであるか分からないし、財布をいくつも持っておかないと生活できない世の中になっていますよね。データを見るとすぐに分かるとおり、長く働き続けたらその分退職金が増えるということもなくなりましたし(退職金平均額、20年で1,000万減少 退職金が減り続ける理由とは?)、そもそも中小企業では退職金制度がない会社も山のようにあります。ですので「自分で稼ぐ力」と「いつどこに行っても通用する」ポータブルスキルを身につけておいた方がいい。

そのために、相談者の方に勧めているのが「抽象化能力」の向上です。
抽象化能力については、下記の過去記事に詳しく書いています。

「本質を見極めることと、抽象化能力の関係について(2021年3月23日)」
「世界を広げるというのは人脈を広げるのではなく、関心の対象を広げるということ(2021年10月10日)」

結構若い人に多いのが、すぐに答えを見つけようとする傾向と、情報を持ちすぎて知識が多いため手段が目的になっているケースです。

最近相談された事例です。
あるプロジェクトの進捗が遅れているから人を増やしたいという相談。中小企業はただでさえ採用難、人材不足なのでこういう課題はいくらでもあります。また最近では人材流出の問題もあります。今いる数少ない社員をつなぎとめておくことすら難しいのです。こう考えると、人を増やすことってめちゃくちゃ難しいですよね。それに、他に似たようなことをしている会社がたくさんあるのであれば、よほどの高待遇でないと人は来てくれません。

でもその人の見ている景色は「人を増やすこと」だけなんです。
よくよく掘り下げて状況を聞いてみると、サービス残業当たり前、製品はローンチせず赤字垂れ流しという状態らしい。このような状態なら、採用をするのではなく、まず今がんばっている社員たちに残業代を払い、インセンティブをつけることが先決。その上で、赤字事業を黒字に持っていくためにどうすれば良いかを経営層が考え、必要があればピボットの判断を下すこと。「現場に人が足りない、製品リリースが遅れている」=「じゃあ、人増やすか」は、あまりにも稚拙な判断です。このケースの場合は採用手法以前の問題で、その手前でやるべきことがたくさんある。でも、相談者の方は、どうすれば採用できるか、採用手法はこんなのがあるがどう思うかというわけです。まさに木を見て森を見ずなんですよね。物事の本質を見極めるためには、抽象化能力が必要です。

話が逸れましたが、「どこに行っても通用するビジネススキル」を身につけるには、上記に加え、社外の越境プロジェクトに参加し、全然知らない人たちとゼロイチでプロジェクトを起こすことが一番だと考えます。社内では多少ミスしたりしても周りは自分のことを知っている人ばかりなので許してもらえる。でも、安全圏で仕事をしていると、それこそ社外で通用しない人間になってしまいますからね。自分のことを全然知らない人ばかりのところで力を試してみる。外に出ましょう。

というわけで話が分散してしまいましたが、今週もがんばってまいりましょう!

人への投資と成長する企業の関係について

24新卒採用向けと思われる企業のブランディング広告がちらほら流れる時期になってきました。少なくとも新卒一括採用は未だ主流なので、新卒の方向けに「こんな会社だけはやめておけ」という内容を書いておきたいと思います。学生はこのブログは読んでいないと思いますが、この内容は転職したい社会人にも当てはまると思います。

よく大企業と中小企業という分け方がされますが、もし選択できるとすれば大企業への入社をまずはおすすめします。大企業の良さというのは、やはり財務的体力があること。そして、(一部の企業を除いて)経営トップに権限が集中しないことが挙げられます。

まず、財務的体力について。

お金がある=新しいことへの投資ができるという点が大きなメリットです。その投資の中でも一番重要なのは「人への投資」です。たとえば、社員研修。社員の能力向上にどれだけお金を掛けることができるか。企業目線では組織開発という言葉がよく使われます。また資格取得や外部の教育機関でのリカレントに社費で通わせてくれるなど、人への投資を積極的に行っている会社は、新しい事業を始める時やピボットする時でもすぐに動ける人的リソースが準備できているので、停滞することがありません。要するに将来を見据えた準備を常にできることが大きな強みです。

二番目に、経営トップに権限が集中しないことについて。
中小企業で多いのは、経営者が人への投資を渋るケースです。典型的な中小企業の特徴は、目先の儲けを最優先すること。つまり「今すぐ儲からないことには投資しない」んですね。ですので、研修、教育と聞いた時に「それやって儲かるの?」という反応になります。また、中小企業はオーナー社長の公私の財布が実質同じになっていることが多く、すぐにリターンを生まないことに投資することは、「自分の財布が痛む」と勘違いしてしまい、二の足を踏むか、決定を先送りしてしまいます。結果的に、従業員の能力は向上せず、能力が高い人間も取ることができないので、停滞→衰退に向かってしまいます。ですので、こういう会社に入ってしまうと、スキルアップが軽視されてしまうのと、個人としても会社としても成長を見込めません。

また、外部のコンサルを入れての組織開発を渋る経営者もいますが、これは上記の「すぐのリターンが見えない」に加えて、「自分の悪口を言われるのではないか」という不安と恐れがあるからです。1 on 1 で社員面談を行う際、そこに自分が入っていないことが不安なんですね。でも、直上の上司や経営陣を前にして本音が言える社員は、ほとんどいませんよね。それに、人への投資をしてもいつかは辞めるんだろ、という態度を示す経営者もたくさんいます。一方、大企業は経営トップに権限が集中しないので(もちろん大企業でも権限が集中するところはありますが・・・)、組織をシステマチックに回すことができます。

便宜上、大企業、中小企業という分け方をしてしまいましたが、もちろん、大企業でも人への投資を軽んじる会社もありますし、中小零細でも素晴らしい会社はいくらでもあります。どちらにしても「浮かぶも沈むも経営者次第」です。まとめとして、一言でいうと人への投資について「それやって儲かるの?」と渋る経営者は、人をコストとしか見ていないのでおすすめしません。人への投資を軽んじている会社に将来はなく、経営者トップに権限が集中している会社は、経営者の器以上には大きくなりません。まあ、外から見てるだけではなかなか分からないことも多いので、中の人に実情を聞くなどして、リアルな情報収集に努めてください。

自分の将来を見据えた上で、会社選びをすることは本当に重要です。
それでは、学生の皆さん良い就活を!!

ChatGPTを使ってみました

最近のテック界隈での話題は、もっぱらOpenAIの「ChatGPT」に関するものでしょう。以前から噂されていましたが、実際に無料で使えるものがリリースされると、そのすごさに驚いてしまいます。

ChatGPTは、対話型のAIチャットボットなのですが、どんな質問をしてもAIが答えてくれるのが、検索対象を限定した既存のエンタープライズサーチや、サポートチャットのように想定した問いに対して予め答えを用意しておき、データベースから取り出してくるようなタイプのものではないという点が圧倒的に違います。UIは日本語対応していませんが、日本語で質問しても日本語で答えてくれます。自然言語解析+AIですから、質問の数が増えれば増えるほど精度は増し、賢くなっていくという訳です。

試しに「ハイキングに持っていった方が良いアイテムを教えてください」と入力してみました。

結果、一部日本語がおかしいところはありますが、(それなりに)ちゃんと答えを数秒で返してくれます。

次に、少しタイプの違う質問をしてみました。

「インフレ予想が実際のインフレ率の決定に果たす役割とインフレ率の安定化政策に果たす役割について説明してください」

すると、これも(それなりに、なんとなく)返してくれます。
こうなってくると一部で話題になっているように、学生が論文をChatGPTを使って書くのではないか、ChatGPTを使って書いた論文はそれを証明できる術がないのでは、ということも、将来的には実際に起こり得るかもしれませんね。

ChatGPTはどんな質問にも答えてくれる魔法のマシンということもできますし、これをハードに搭載すれば、C-3POのようなロボットも出現するでしょう。でもこれって決して人間の能力を拡張するものでないよな、というのが僕の感想です。人が脳を使ってその思考力を高めていく、そして知識を増やしていくためにはとにかく調べ、考え、まとめ、書き、口頭で説明することが求められると思っています。一つの論文を書くのに、参考文献を何十冊も読み、引用することって、とても時間が掛かることはではありますし、文献調査の段階で目当てのものが見つからないこともあり、とても非効率な作業ですが、非効率性こそが能力の向上に役立つと思うからです。

確かに検索窓にテキストを入力するだけで欲しい情報が手に入るかもしれませんが、アナログな方法で本を漁る方が人間の能力拡張に寄与するし、僕はそっちの方が好きだな〜と考えていると、こんなニュースも飛び込んで来ました。

「アメリカでリアル書店が復活の兆し」

米最大の書店チェーンである「バーンズ・アンド・ノーブル」は、2023年に30店舗を新たにオープンする計画があるという。2008年のピーク時には、全米で726店舗を有していた同社は、読書離れが原因で規模の縮小を余儀なくされ、現在は600店にまで減少した。しかし、新型コロナウイルスの流行における読書ブームの再燃やパンデミック下における収益改善の影響で、店舗数拡大へと舵を切ったようだ。

アメリカで「リアル書店が復活の兆し・・・」 tabilabo


やっぱりな〜。
そうなんですよ。リアルな本ってすごく良いんです。僕もさらっと読むくらいならKindleも使いますが、基本的にはリアルな本を読むタイプです。図書館好きで良く通っているのですが、ペーパーレスとかインターネットとか言われても、図書館はいつも人でいっぱいです。

話を戻すと、ChatGPTの出現で戦々恐々としているのはGoogleなどの検索エンジンでしょうね。検索する必要がなくなるわけですから。さらに、ChatGPTの対抗馬も次々と生まれてくるでしょう。ChatAI自身が人間のように考え、AI独自の答えを出してくることもあるでしょう。可能性は無限大。でも、情報の取得の仕方は人それぞれですし、リアル書店が復活しているように、好みで使い分ける、ということになるのではないでしょうか。

アプリを使って寒暖のコントラストをくっきりと

寒かったり、暖かかったり。体調管理が難しい日々が続きます。今日は暖かい一日でしたが、一昨日はとにかく寒かった!頭が凍るかと思いました。

まだ12月頭だというのに、気温0℃を体感しましたよ。そう、ゴルフ場で。

朝8時。霜がおりて真っ白のフェアウェイ。気温が低いだけあって空気はクリア、空がきれいですね。

寒さ対策はしっかりしていたものの、やはり体の芯まで冷えます。
茶店で甘酒を購入しました。久しぶりに飲んだ甘酒、冬場は温かくて甘い飲み物は身体に染みますね!

上の写真では、そんなに寒さは伝わりませんが、これならどうでしょう?

そう、先ほどのフェアウェイの写真に、甘酒の写真を重ねてみました。どうですか?
より寒さとあたたかさのコントラストが際立つでしょう。そして、この違和感のなさ!最近のカメラアプリは本当によくできていますよね。

上の写真は、PhotoDirector というカメラアプリを使って作ってみました。元々トレースしやすい写真だったということもありますが、全然違和感なく加工できます。しかも5秒で。昔はIllustratorを使ってコツコツとトレースしてたんだすよ。エッジをぼかしたりして。

誰でもスマホで簡単に写真の合成ができるようになると、本物と合成の違いがまったく分からなくなります。WEBやSNS上で溢れている写真を、いちいち真贋の確認をしたり、疑ったりするのもナンセンスなので、特にクリティカルな問題がない限り、素敵な写真は素敵だな、と思うほうが幸せですね。

【閲覧注意】自己責任でしか生きることができない厳しい時代の到来

年金65歳引き上げ問題がここ数日の大きな話題になっています。

国民は馬鹿ではないので、そんなこと百も承知なんですけどね。そんなこと分かってるのに国が公に年金制度が破綻していると認めてこなかったことに、僕はものすごく憤っています。アラフィフの僕たちがトバッチリを食うのはまだいいわ。今の若者、そして、これから生まれてくる子供たちのことをどう考えているのか。子供たちに負担を負わせて、少子化問題を解決?東大卒の官僚や政治家はこんな無能でしたか。

子育て世代はみんな実感していると思いますが、子育てってものすごくお金が掛かるんです。少なくとも日本では。子供一人年間100万円と思ってください。大学生の子供がいたら、年間200万円です。普通の人、子供持てますか?今の日本で年収2000万円の人、どれだけいます?無理でしょう。

僕が政治家なら、そして、もし、こんなことがまかり通るなら、子供に負担負わせるくらいなら、人生にも定年を設けなければならなくなるといいます。80歳までは面倒見るけど、それ以降は年金なし。あとは好きにやりなさいといいますよ。タンス貯金崩しなさいといいます。タンス預金がない人は働け。その時に仕事があるかないかは知らん。国はアンオフィシャルにこう言っています。老後は自分でなんとかせえ。死ぬまで働け、仕事があるかどうかは知らん。と。

むしろ子供一人あたり出産したらご祝儀として1000万支給したいですよ。今の制度は逆です。子供生んだら、お金かかるんです。子供は贅沢品なんですよ。どんな社会やねん。衰退無能国家の典型ですよ。

子どもたちがワクワクしながら未来を待つような社会にしたいです。今のままでは子供たちがあまりにかわいそうです。必死で勉強して、必死で大学行って、必死で就活して、手取りわずか20万の半分が税金と社会保険に持っていかれるなんて。人生なんのために生きてるのかと思いませんか。夢も希望もない時代が、今まさに来ています。

皆さん、この問題をどう考えますか?マジで政治家を呼んでちゃんと議論したいです。これから先、経済成長が見込めないなら、消費税撤廃、もしくは、BI(ベーシックインカム)導入しかありません。衰退社会、シュリンキング・エコノミーというのはこういうことなんです。右肩上がり成長は2008年を境になくなったんです。なぜ認めないのか。

久しぶりにブチ切れてます、僕。

趣味や仕事、関心事など多様な価値観をベースにした無数の分散したコミュニティと小さな経済圏について

最近、自分の周りで国内外問わず話題になっているのが、巨大資本によるプラットフォーム型支配からの脱却と、半径100m以内の人々とのつながりを大切にする独立・自律・分散型のコミュニティの重要性です。

かつての日本は村や集落で自給自足し、助け合いながら生活してきました。水や土地など限られた資源を共有しなければなりませんから揉め事やトラブルなどもたくさんあったでしょうけど、神社や寺などに集まり随時話合いで解決してきたという歴史があります。一方、地域が狭いので相互監視が働き、不自由な側面があったのも事実でしょうね。

21世紀になり、グローバル化の弊害と資本主義の限界が見えてきた時代にあって、この「半径100m以内の繋がり」というのが再度求められていると思うのです。それは物理的な距離(=隣近所)という意味でもあるし、距離が離れていたとしても、価値観、趣味、目指すべきゴール(=目に見えないもの)が一致している人たちとの独立したコミュニティです。同じ価値観を持つ人たちと助け合い、話し合いながら生きていくようなイメージに近いかもしれません。最近お手伝いしたプロジェクトも「足から健康に」をテーマに、同じ志を持つ人々が集まって作ったイベントでしたが、価値観と目指すべきゴールが共有されているので「中にいる人たち」が自発的に動き、自然と助け合うという精神が醸成されていました。何か問題があっても自浄作用が働きます。

また、最近、米国の知り合いから教えてもらった話では、シリコンバレーに来た学生さんの中に「自分たちで自由に使えるSNSがほしいので開発する」という人がいたようです。ちょうど同じ時期に、日本の学生さんからも同じ話を聞きました。FBは中高年しかいないし、TWは誹謗中傷とフェイクと炎上の嵐で、Linkdinは営業ばかり。巨大プラットホームから脱却し「自分たちは自分たちの好きなように生きていく」ということなのでしょう。

このような趣味や仕事、関心事、専門分野など多様な価値観をベースにした無数の分散したコミュニティがどんどん出現し、それらが自律し自走する小さな経済圏を形成していくであろうと予想しています。もちろん、それらの分散したコミュニティはノードとエッジの関係で緩やかにそれぞれが繋がっている。脱・巨大資本プラットフォームですね。フェアトレードも自然に実現してしまうかもしれません。またITを活用すれば、文字通り隣近所に住んでいなくても繋がれますから、相互監視による不自由さなどからも解放されるでしょう。良いとこ取りです。

同じ地域や村に住んでいなくたって、今はそのような「繋がり」を身近に感じ、繋がることができるツールがたくさんありますし、地域通貨による町おこしなど、より狭く緩やかに助け合うという動きがここ2〜3年で加速していくと思います。敷かれたレールもありませんし、決まったロールもありませんから、自律分散したコミュニティを作る、あるいは参加するためには、個人個人も確固とした考えを持ち、どのように生きて行きたいかが問われる時代になっていると思います。

街場の中華とクリニックで聞く、人の流れの意外な変化

「最近、人の流れが全然読めないんですよね」と、人気中華料理屋のマスター。

木曜日の19時、界隈では人気の名店ともあって念のため予約して行ったにも関わらず、ほぼ貸し切り。おかげでカウンターの奥、調理するマスターと会話が出来る特等席に座らせていただきましたが、もっとお客さんいてもいいのに、なんか変。

美味しい創作中華をいただきながら料理の説明を親切にしてくれるマスターですが、お会計の時、「お客さんの流れが全然読めなくて。月曜日に満席になって、後から来られたお客さんをお断りすることもあれば、同じ時間にお客さんが集中しててんやわんやになることもあって、分散していただければと思うのですが、両極端なんです」と。コロナ前まではある程度お客さんの流れを読めたし、週末は予約である程度埋まるから段取りの計算も出来たらしいのですが、不思議ですよね、とのことでした。

自分も仕事の仕方が大きく変わったので行動変容した側の人間ですが、確かに「週末だから行こう」「週初めだから控えよう」というのはなくなりました。集中できる早朝に仕事をして、夜は早めに就寝というスタイルに変化しましたし、出勤しなくて良いので食事に出る時は、お店を決めて早い時間からスタートという形になりました。会社勤めの人たちも、自分のように、時間場所にとらわれないワークスタイルが徐々に浸透しているのかもしれませんね。

そういえば、治療でお世話になってる歯科医の友人も同じことを言ってました。彼はキャンピングカーを保有し、ご夫婦でのキャンプが趣味なのですが、休暇を取ってキャンプに行くと「平日やったのにすごい人やったわー」と。やっぱり多くの人のワークスタイルが変化してるのかな、と。そうかもしれませんね。自分も週末仕事して平日に休むこともありますから。

行動変容で従来の人の流れが変化しているのは事実のようで、今後、営業時間や定休日のあり方なども変わっていくかもしれませんね。

さて、冒頭でご紹介した中華屋さんですが、大阪は本町の瓦町仔鹿さんです。

料理が美味しいのはもちろんですが、ドリンクの氷もかわいくて、思わず写真を撮ってしまいました。美味しいお料理とお酒、真面目だけど気さくなマスターとスタッフさんに癒やされました。ありがとうございました。

副業人材の活用で業績を伸ばしている企業が多くなってきた

自分の顧問先はテック系企業が多く、どの会社も常にエンジニア(特にプログラマ)を募集しています。慢性的なIT人材の不足は、これからアクセルを踏んでビジネスを加速させたい企業、特にベンチャー企業の大きなリスクになっています。

とはいえ、真正面から中途採用をしようとしても人はなかなか集まりません。そこでリファラル採用やダイレクト・リクルーティングをするんですが、結果が出ている企業はごく一部です。そこで、僕が社外取締役を務めている企業などでは、副業人材の活用を積極的に推進し始めました。開発中の自社製品、プロジェクトを切り出しやすくし、0.2〜0.3人月でもジョインしていただけるようにすると、ハイスペック人材を比較的低コストで手に入れることができ、なおかつ人材不足による開発遅延を解消することができます。

これには色々と工夫が必要ですが、管理コストをできるだけ下げ、フルリモートでもteams、slack、バージョン管理ツール等を駆使してリアルタイムで進捗が分かり、副業人材が孤独や不安を感じないようにすることが必須です。

私の場合はLinkedIn等を活用してOpen to Work のエンジニアの方々と接点を持ち、勤め先が副業を解禁しており、なおかつ副業先を探しているエンジニアと面談を行い、自社で採用するということに取り組んでいますが、最近よく聞くのは「副業を会社として認めなければエンジニア人材流出が止まらない」という点です。

大企業を中心に副業を解禁している会社が増えてきましたが、これの一つの要因は良い人材を確保するためである、ということもいえます。さらにいうと、リモートワーク、在宅ワークが選択可能かという点も人材確保の重要な要素の一つになっています。

また積極的な見方をすると、受け入れ企業側のメリットとして、低コストでハイスペックな社外人材を助っ人として雇えるので、社内に新しい風を吹き込み、社内人材の活性化も期待できるという点、副業人材側からすると、収入を増やし、スキルと視野を広げるという面で双方にメリットがあります。

前述したテックベンチャー以外にも、私が関わらせていただいている別の大手メーカーでは、すでに社外副業人材の活用に積極的に取り組んでおり、専門人材をチームに招き入れてプロジェクトを推進するということで結果を出している(出しつつある)企業もあります。

こういう動きを肌身で感じている自分としては、このブログで何度も書いているように変化に柔軟に即応する企業と、そうでない企業との差がものすごい勢いで開いているということを実感しています。顧問業、コンサル業をやっていると、良くも悪くも客観的視点で色んな会社を見ることができますから、ここは伸びる、ここは右肩下がり、という会社はかなりの高精度で判断できます。

今日のニュースであったように円安背景に好業績に湧く大手企業がボーナスをたくさん支給できるのも、こういう柔軟な働き方を採用できる背景があるからだと分析しています。

大手企業の夏のボーナス、4年ぶり増加…増加率は81年以降で最高の8・77%(Yahoo News)

中小企業と大手の業績格差が益々開いていく理由は、中小企業の経営の意思決定がオーナー社長にほぼ100%依存してしまうからだといえます。多くのオーナー社長は自己の成功体験に基づいて会社を舵取りしようとしますが、10年前、20年前と今とでは大きくビジネス環境が変わっていますから、柔軟な判断ができず、決断を遅らせてしまい、いつの間にか取り残されてしまうんですね。

僕がいつも見ていて可愛そうだなと思うのは、その会社の社長はどうでも良いとして、そこで働く社員です。副業も禁止され、業績も上がらず、給与もボーナスも低い。逆にキーエンスのように厳しい会社では、高額な給料を支給することによって社員のがんばりに報いていますが、給料も安い上で、色々と制限がある会社にいる意味は全くないといえます(やりがいやビジョンに共感できるのであればそれもまた良しですが)。今からでも遅くないので、もし転職可能な人がいれば、どんどん動くべき時だと思います。今、思っている以上に(転職、副業含めて)稼ぐチャンスはゴロゴロしていますから。

というわけで、これから副業人材活用といった新しい取り組みと成果について、定量、定性評価の両面から注視していきたいと思っています。

楽しみ!

技術とビジネスと幸福度の関係についてモヤモヤする日々

二回目の梅雨も空けたようで気持ちの良い夏空が広がっています。
今日の写真は朝ジョグ中に撮った、木々と青空。

ふと目を上げた時に、青空と黄緑色のコントラストがハッとするくらい美しく、この色が再現できれば良いなとiPhoneで撮影したら、それ以上の写真が撮れました。無加工ですが、カメラの性能が良いのと、ひょっとしたら標準でHDR加工されるのかもしれませんね。ちゃんと調べてませんけれど。こんなにきれいに撮れるのだから、もうこれ以上カメラの性能上げなくてもいいよとすら思います。

最近、技術とビジネスと幸福度の関係について毎日モヤモヤとしています。
巷でよく言われていることですが、モノが行き渡った時代の先には何があるのだろう。

技術は進歩しているけれど、それを何のために使うか、何が成し遂げられるかを真剣に問われた時、答えに窮する自分がいることに気づきます。要するに「別になくても良いものを一生懸命作って売り込む」という無駄な作業の繰り返しがビジネスとするのであれば、技術をビジネスに転用するのってつまらないな、と思うのです。

ディスプレーを舐めたら指定した料理の味がするデバイスとか、料理の写真と共にその香りが漂うデバイスとか、バーチャル海外旅行とか。カーボンニュートラルという曖昧なもののためにEVを作るとか。ビジネス視点でいうと、常に新しいものを作って市場に供給しなければ成り立ちません。どんなものでも、必要か不要か、意味があるかないかは一切関係なく、売らなければ成り立たない。

でも行き過ぎると作って売ることが目的となり、何も成し遂げられていないこともある。先のデバイスの例でいうと実体験に勝るものはないと思うし、技術的な部分では「すごい!」とは思うけど、それで人々の生活は豊かになり、幸せになるのだろうかと考えたらクエスチョンマークがつくのです。

「このシステムを導入すれば、仕事量50%削減!」とか日常的に目にしますよね。50%も仕事量が削減できるなら、社員全員一日4時間勤務で売上維持が「本当の実現」になりませんか。「システム導入で80%コスト削減!」といって、導入後、利益率80%向上して社員の給料が1.8倍になった会社、僕は見たことないです。ダイヤルアップが5Gになって送信できるデータ量がキロバイトからギガバイトになって、GAFAMが肥大化した以外、日本人の給料も労働時間も変わってないでしょ。みんなおかしいと思わないのかな。

もしかしたら、本当は実現できるかもしれないけれど、今まで労働時間と経済的豊かさが比例していた時代を生きてきた人たちにとってみれば、そういう世界に一歩踏み出すのは怖いだけなのかもしれません。その先には、人類の「大いなる暇つぶし」の時代がやってくるイメージが沸かないのかもしれない。

技術の話に戻ると、これがあったら便利!というものは、ドラえもんの道具ですべてアイデアは出されていたと思います。「どこでもドア」は誰が見ても「便利!」と思えるツールです。もし、どこでもドアが開発されれば、それは人類の幸せに益するものかもしれないし、農業など、一次産業の効率化は世界人口100億人時代に対応できるものかもしれません。そういうところにリソースを集中投下するとビジネスも面白く感じるかもしれないな。

今は新しい時代への過渡期、と言われればそうかもしれないけど、なんだかモヤモヤします。人間が暮らしていくのに、本当に必要なものは少ないということを年齢を重ねるに連れ実感するからこそ、モヤモヤも増大しているのかもしれません。