・
アメリカから帰国して、またいつものように満員電車に揺られる日々。
帰国する度に感じるのは、どうしてこんなにみんな真面目に働いているのに豊かさを実感できないのか。疲れているのか。という点です。毎朝毎晩たくさんの人が電車に乗り、会社に行き、一生懸命(そうじゃない人もいるかもしれないけれど)仕事をして家路についています。
皆、ちゃんとした格好をして、スーツやジャケットを着て、少なとくとも見た目では僕がよく出張するシリコンバレーや、先週滞在していたサンディエゴで目にする人たちとは違います。彼らはもっと自由で格好もいい加減。
それでも日本が抱える問題は大きい。成長、豊かさ、夢がないように感じます。もちろん、皆が皆そうである訳ではありませんが。
昨日発表されたForbes長者番付や時価総額ランキング企業、そして目新たしいテック系スタートアップの中でも日本のプレゼンスは相変わらず低いというのが原状。一昔前はサラリーマンは「お気楽で安定」と思われていたけれど、Lifetime employment はもはや過去のものとなり、税金、社会保険、厚生年金もどんどんアップし、いつクビになるか分からない現実の中で「サラリーマン=苦」というのが原状ではないでしょうか。
だって、勤め先一箇所からの収入じゃ、経費を落としたり節税のしようがありませんからね。どんな人でもサラリーマンである以上、額面よりも実質所得ははるかに低いのです。だから大して稼いでいないように見える個人事業主の方が実は財布が分厚かったり生活が豊かだったりするのですね。それは「経費」が使えるからです。経費を使って所得を低くし、その結果、所得税、住民税など税金を安くすることができます。ちょっと話が逸れそうなので、この辺りの仕組みのお話は専門書を読むか、税理士さんにお尋ねを。
さて、話を戻しましょう。
もちろんアメリカの街を歩いていると、本当にたくさんのホームレースを目にするし、3人に1人が自己破産の可能性を持っているような中、日本はまだ格差という意味ではマシなのかもしれません。それにアメリカの企業が強いと言っても大抵はグローバルカンパニーですので、自国に税金を落としているとは限らないし、タックスヘイブンで節税しているので落としていたとしてもごくわずかである可能性があります。また医療保険制度だけ見ても、家族4人がアメリカで生活するだけで保険代が月に15万以上も掛かります。
でもマクロ視点で見ると、やっぱり強いのがアメリカ。日本にいると内需でなんとかなっているのはありますけれど、人口減少に伴ってマーケットサイズもシュリンクしているし、グローバルでのプレゼンスは相変わらず低いとなると・・・先は見えています。
・
とはいえ、個人レベルではこの原状を変えられないのが事実。
やはりこれからは、サラリーマンが「夢」を持って仕事ができるような環境づくりが大切ですね。
それと共に個人でもしっかりと「稼ぐ」という意識を持つこと。自分の身は自分で守る。税金の仕組みや確定申告をすることのメリットについて、とにかく勉強する。自分の財産は自分で蓄える。この主体性を持っていれば、例えサラリーマンでも明るく元気に仕事ができるはずです。会社や環境のせいにせず、自分で稼ぐという意識を持つことができるのは活力とモチベーションに繋がります。働いているのにお金がないというのはやっぱりモチベーションを下げてしまいますからね。
・・・と、そんなことを電車に揺られながら考えていました。
さて、写真はインペリアルビーチです。
人が少ないこのビーチ、ジョギングやサイクリングには最適の場所です。走りたいなあ。
セグウェイな人たちも。