泥酔時に原風景を思い出すのはなぜだろう


先週から続いた七夜連続飲み会もようやく一区切り。23〜25日までは休肝日に設定して、26日〜30日まで五夜連続飲み会で今年も締め括りとなりそうです。

毎年12月の始めには「今年こそは忘年会を減らす!」と堅く心に誓うのですが、なんのなんの。一体いつになったら減って行くのでしょうか。とはいえ、いろんな方との会食は本当に楽しいし刺激になることも多いので、とても楽しみにしています。心斎橋、梅田、福島、三ノ宮、神戸、芦屋。また改めてグルメ記事で良かったお店をまとめてみたいと思います(覚えていれば)


泥酔した時に原風景が見える(あるいは思い出す)人ってどれくらいいるでしょうか。少なくとも、僕は深酒をした時に必ず見える風景が二つあります。それはいずれも「本」にまつわる風景です。ひとつは、小さい頃に住んでいた家の大きな書棚の前で本を読んでいる風景、そして二つ目は、通っていた幼稚園の図書室で、やはり本を読んでいる風景です。

先日もやはり、その風景を思い出しました。神戸で二軒飲んだあとに芦屋に移動してから更に二軒目のバーでの出来事です。普段は本を読んでいる風景しか見えないのだけど、なぜか読んでいる本のタイトルまで出て来ました。それは、「雲の中のにじ」という本です。大きな書棚の中にあったこの本が好きで良く読んでいました。この本のことは2012年11月11日の記事でも書いているので引用してみたいと思います。

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「雲の中のにじ」という庄野英二氏の古い児童書が大好きでした。1965年頃に書かれた本で、ネットで検索してもほとんど見つからないような本です。誰の物だか、家の古い書棚に置いてあり、表紙に書かれた砂漠の中を走るジープの絵や、「ベイルート」や「バグダット」といったいかにも中東の異国の街の名前や、突然の大雨で積んでいたパンが水を吸って膨れ上がって、といった冒険的な要素が幼少の知的好奇心をくすぐっていたように思います。内容もほとんど覚えていないのですが、今から考えると不思議な本でした。児童書という割りには重たい内容だったと思うし、登場人物もドイツ人と日本人と・・・男3人でベイルートからバグダットをジープで目指しながら、それぞれの戦時中の行軍経験を含め、今までの人生に思いを馳せるという内容で、聖書の言葉もたくさん出て来て・・・というような感じだったと思います。


中東や砂漠の風景というのは、僕の中では幼稚園の図書室のイメージです。ミッション系だったので海の星会館(だったけな)という建物が幼稚園内にあり、そこで読んでいた本はベツレヘムへ向かう砂漠の道を行く三人の賢者達の話でした。夜の砂漠に光る星一つ。とても素敵な風景です。昨日のブログで紹介したNicola Conte – Mystery Of YouのPVで使われている映像の風景とも重なります。影絵の中で浮かぶモスクや城や星や飼い葉桶や・・・あの世界はまさに幼少好きだった世界。
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そして先日ついにこの本を手に入れました。
かなり酔っ払ってはいたのですが、iPhoneで検索してAmazonで中古を売っていることを確認(50年前の本なのにラッキーだった)。すぐに購入したのです。

そうそう、これこれ。
僕にとっては30年ぶりの再会です。古い本だから黄ばみもありますが、全然OK。

さあ、年末年始の楽しみが増えました!!

Nicola Conte – Mystery Of You