Rainbow in the clouds


なぜだか分からないのですが、突然、幼少時代の記憶が鮮明にフラッシュバックすることがあります。良くこんなの覚えてたな、と自分でも感心するくらいの薄い薄い記憶です。何がトリガーになるのかは分かりませんが、沈黙していたシナプスが急に開通したような感覚。

昨夜思い出したのは子供の頃読んでいた本の名前でした。

「雲の中のにじ」という庄野英二氏の古い児童書が大好きでした。1965年頃に書かれた本で、ネットで検索してもほとんど見つからないような本です。誰の物だか、家の古い書棚に置いてあり、表紙に書かれた砂漠の中を走るジープの絵や、「ベイルート」や「バグダット」といったいかにも中東の異国の街の名前や、突然の大雨で積んでいたパンが水を吸って膨れ上がって、といった冒険的な要素が幼少の知的好奇心をくすぐっていたように思います。内容もほとんど覚えていないのですが、今から考えると不思議な本でした。児童書という割りには重たい内容だったと思うし、登場人物もドイツ人と日本人と・・・男3人でベイルートからバグダットをジープで目指しながら、それぞれの戦時中の行軍経験を含め、今までの人生に思いを馳せるという内容で、聖書の言葉もたくさん出て来て・・・というような感じだったと思います。


中東や砂漠の風景というのは、僕の中では幼稚園の図書室のイメージです。ミッション系だったので海の星会館(だったけな)という建物が幼稚園内にあり、そこで読んでいた本はベツレヘムへ向かう砂漠の道を行く三人の賢者達の話でした。夜の砂漠に光る星一つ。とても素敵な風景です。昨日のブログで紹介したNicola Conte – Mystery Of YouのPVで使われている映像の風景とも重なります。影絵の中で浮かぶモスクや城や星や飼い葉桶や・・・あの世界はまさに幼少好きだった世界。


さて、日曜日。
今日はピアノ発表会。
あいにくの雨模様ですが、力いっぱいがんばって欲しいと思います。

皆様も良い休日をお過ごしください。

Bill Evans – Soirèe
朝からしっとりです。

Rainbow in the clouds」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 泥酔時に原風景を思い出すのはなぜだろう | analog – web 【アナログweb】

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