細かすぎて伝わらないコダワリのポイント


朝は大雨だった大阪も、午後にはすっきりと晴れました。

今日は全社ミーティングで、来年の方針発表を行いました。創業15年の当社も来年は大きく変わります。これは NEXT STAGE へステップアップするための準備期間を終えて実行に移す時が来たということで、とても喜ばしいことです。スタッフ全員も気を引き締めてモチベーションを更にアップしているということは、会議の盛り上がりからも伝わってきました。

来年、いよいよだなー。とても楽しみ。


細かすぎて伝わらないコダワリポイントというのは誰もが持っていると思います。

季節が逆戻りしたのではないかというほど暖かかった昨日の大阪の気温は20度。春のような格好で出勤したことは良かったのだけど、やっちまったーのコーディネート。

皆さん、分かりますかね?

はい、そうです。
ピンと来た方もたくさんいると思いますが、靴の色とベルトの色が統一されていないのです。ベルトが黒で靴が茶色。あーやっちまった。

一応逃げ道はありまして。

シャツの上にスプリングコートを羽織っていますが、夜は寒くなるかなと思って薄手のセーターも持参していたのです。しかし、暖かいので着るチャンスもなく、ベルトを隠すことには至りませんでした。最終的に黒ベルト+茶色靴という出で立ちで一日を過ごすことに。

以前は駅であべこべなことに気付いて、ベルトを換えに家まで戻ったこともありましたっけ。全く気にしない人からすると、「なにそれ」と思うようなことでも、本人にとっては重大なこともあるのです。

さて、今週もあっという間に終わろうとしています。

明日は今シーズンのフルマラソン初戦。コンディションも準備も万端とは言えませんが、足慣らしに頑張って楽しんで来たいと思います。

「Maker Faire」と「GUGEN」〜 個人の「ものづくり」が楽しい


手前味噌にはなりますが、我らがQuadcept社もスポンサーとして出展していた 「Maker Faire Tokyo 2014」。僕はアテンド出来なかったのだけど、メンバーによれば、すごい盛り上がりで大盛況だった様子。今年は舞台を東京ビッグサイトに移して規模も拡張。数年前から「ものづくりが変わる」と注目されてきたメーカーズムーブメントですが、一時のブームとなるか、アメリカのようにムーブメント(またはカルチャー)として根付いていくか、今年〜来年が岐路になりそうな予感です。

当日の様子はQuadceptのFacebookページにイベントの様子が掲載されていますので是非どうぞ。(良ければ「いいね」もしてくださいねw)
https://www.facebook.com/quadcept

そんな中、ハフィントン・ポストにこんな記事が掲載されていました。今年の Maker Faire を総括しているような良記事です。特に、企業勤めをしているエンジニアを中心とした「放課後メーカーズ」の活動がどのように企業(本業)に還元されるか、企業と個人メーカーとの関係が今後どのように進展していくかなど、パネルディスカッションの取材を中心に書かれいるので興味のある方はご一読を。

社内の「Maker」がものづくり大企業を変えるーMaker Faire Tokyo2014に見るMakerとメーカー(ハフィントン・ポスト)

ただ、「企業と個人メーカーとの関係」ばかり目が行くと、「結局、一部の技術技能を持ったエンジニアしか参加出来ないんじゃん」と少しハードルが上がってしまうような感じもしますが、本来のMakersというのは、もっと日曜大工的な感じなところからスタートしているような気がします(少なくとも個人的にはその方が参加しやすいw)。仮に3Dプリンター持ってなくても、今は幾らでもオンラインで注文できる時代だし、図面が公開されているものもある。電子ブロックで少し回路の勉強をしたり、本屋で参考書を買えば、回路設計をしなくても Arduino やRaspberry Pi などでモノを動かすことも出来ます。大切なのは、アイデアと発想力ですね。


そして、トピックをもう一つ。

12月12日と13日に「未来のふつうを見つけよう!あなたが決めるハードウエアコンテスト GUGEN」の展示会と授賞式が開催されます。こちらもQuadceptはスポンサーとして協賛させていただいています。

さて、このイベントも個人やグループで電子工作を中心にものづくりをしている人に焦点を当てたイベント。二年前までは「電子工作コンテスト」という名でしたが、ただ「コンテスト」として終わるのではなく、そこから企業とタイアップして製品化まで目指すというエコシステムを構築すべく、2013年から「GUGEN」(具現)という名でスタートされています。素晴らしい取り組み。

GUGENのコンセプトはこちらから。

こちらは、本当に製品として「具現化」するためのイベント。もちろん、そのための支援プログラムもあります。いわば、ものづくりプラットフォームですね。個人メーカーからすれば夢のような場所です。

という訳で、年末の風物詩となってきたMakers関連のイベント。GUGENには僕もアテンドするので参加される方はお会いしましょう。そして、本格的に回路設計、基板設計までされたい方は是非、Quadcept をご利用ください。笑

さて、来年はどうなって行くのでしょうか。
これから益々楽しみです。

日本酒とウイスキーとメヒカリ


素敵な夜もあるものだ。

昨夜はアメリカに住む同級生Tのご実家にお邪魔することになった。もちろん、当の本人はロスにいるので不在。僕は彼のご両親とお会いするのは初めてで、しかも初対面が家に招待いただいて・・・というのが、なんだかとても不思議な感じだった。でも、ロスにいるTには渡米時にとてもお世話になっているし、精神的な支えにもなってくれているので、彼のご両親と一緒に酒を飲ませていただき、日頃の恩を伝えることができるのをとても楽しみにしていた。

アレンジしてくれたNちゃんは幼い頃からTファミリーと家族ぐるみで付き合っていて、まるで本物の家族のよう。だから本人がいなくても、たまに連絡を取ってこのようにご両親達と一緒に酒を飲んだりしているのだという。そして、昨夜はもう一人、彼らと共通の友人F君も紹介いただいた。一瞬で仲良くなれるこの空気感がすごい。本当に皆さん、信じられないくらい良い人達だし、何よりも日本酒が大好きだ。


その日は愛知県に出張していたので、帰りに皆からのプレゼントとして奥三河の地酒「蓬莱泉」のひやおろしと、蒲郡の海の幸を色々買って持参した。

旬のひやおろしがうまい。更に、賀茂鶴(祖母の地元、広島西条の名酒)に、天河と、素晴らしい日本酒がずらりとテーブルに並ぶのは日本酒好きとしてはたまらない。お母様の最高に美味い手料理と一緒にいただくという贅沢さ。

酒談義に花を咲かせながら、日本酒も一段落したところへ(その時点で相当飲んでいる)、ウイスキーを出していただいた。それがこの「NIKKA From the Barrel」。

WWA2009年ベスト・ジャパニーズ・ブレンデッドウイスキーであり、インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ 2014」において3年連続で金賞を受賞している名酒。佐藤卓さんデザインのシンプルなボトルも話題になった。実は僕も飲むのは初めてで、まさかここで出会えるとは思ってもいなかったのでびっくり。

51度の樽出し(From the Barrel)をロックでいただく。美味い。めちゃくちゃ美味い。ついつい今までの酒量を忘れて、何杯もいただいてしまう。

日本酒の名酒、そして、名ウイスキー。食卓に集う温かくて楽しい皆様。こんな素敵な夜があるというのが、とても幸せ。友人たちに本当に感謝。


こちらは蒲郡の寿司屋でいただいた「蒲郡ラーメン」。

あっさりした魚介系スープに、あさりとわかめ、そして「メヒカリ」の唐揚げが入っている。メヒカリの唐揚げの美味しいこと!!僕はどうやら、メヒカリやキスやハタハタといった小型の魚が好きみたい。この唐揚げだけで、ビール何杯もいけちゃう。

ウサギとカメの二択であれば、カメを選択すべき理由について


今日は新幹線の中で更新。

当社は毎年社員旅行があります。

旅行積立は毎月3,000円。基本的に旅費は会社と従業員で半額づつを負担。旅行先によっては過剰積立が発生し満了月で超過分のキャッシュバックがあります。毎月積立か一括払いかは個人の選択に委ねられているのですが、僕は毎月積立を選択しているので、今回は15,000円のキャッシュバックがありました。これがね、小さい話ですが嬉しいのですよ。現地でのゴルフ代に充当できるし。


ウサギとカメの話があります。

僕は毎月コツコツと定額を貯蓄する方を選択したからこそ、小さな喜びを手にすることが出来た。これを一括払いにしていると、「はい、3万円徴収でーす」と総務から声が掛かった時に「重たいなー」となる訳ですね。キャッシュバックという臨時ボーナスもゲットできない。大きなことをするには体力がいるけれども、小さなことを積み重ねることは誰でもできます。

これは仕事でも同じだと思います。

スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で残した言葉のとおり「好きなことを仕事」にして成功できれば最高の人生だけれども、一体どれだけの人がそうすることが出来るでしょうか。ほとんどの人は今出来ることをコツコツと続けながら、その仕事を好きになるか、その中で得意分野を見つけて伸ばしていくかしかありません。

ICHIROYAさんのブログに「好きだから上手くやれる」のではなく「上手くやれるから好きになる」というエントリーがあり、大変共感しました。

ICHIROYAさんは、「「好きなこと(パッション)」を探すのではなく、さまざまなことをとにかくやってみて、「上手にできそうなこと」を探すことが、与えられた人生をもっとも楽しく生きるコツになるのではないかと思う。」と書いています。逆に言うと、探さなければ見つからない。何かが急に降りてくるようなものでもありません。


よく成功者の言葉として「自分の人生に後悔はない」「諦めずにやることが成功の秘訣」というのがあるけれど、斜に構えた見方をすると「それは、あなたが(結果として)成功者だから」です。成功を何とするかはそれぞれ異なりますが、「成功」というのはごく個人的な体験でしかない。だから、すでに成功している人の言葉は、個人として色々試した結果、成功したのであって、万人に共通する手法ではない。

例えば、毎年、プロ野球選手が何百人とクビになりますよね。プロ契約出来ただけで「好きなことを仕事に出来た」無数の野球人のヒエラルキーの頂点です。しかしそんな素質を持った彼らでさえ、毎年、色んな理由でクビになるというのは、彼らが「諦めた」からなのでしょうか。いや、そうではないはずです。限界までがんばったけれども、それ以上に野球を上手になることが出来なかっただけです。成功するまで諦めないというのは難しいことですね。

宝くじに当たって億万長者になるか、東証の鐘を華々しく鳴らすことができる起業家になれるかで言うと、確率はほぼ同じです。有名な社長や起業家、投資家として億万長者になる人間は、本当にごく一部です。宝くじとの違いは、本人の努力(運やタイミングも含む)次第でどうにでもなるという点でしょう。

では、圧倒的大多数の凡人は何が出来るでしょうか。

それぞれのゴールイメージによって異なりますが、今できることをコツコツと積み上げることしかないのですね。先にも述べたとおり、誰にでも出来る唯一のことは、努力と継続です。うまく行けば、その中でポンと飛び出ることができるかもしれない。それを手中にする人はラッキーな人。極論ですけれど、そいういことのような気がします。とにかく、今出来ることをコツコツと続けよう。

今回の積立の件はとても小さいことだけれど、色々と学ばされることがありました。

夕方の日差しが気持ちいい


溜まっている仕事と、キッチンの冷蔵庫の入れ替え作業というタスクがあらかじめ定められていたので、今朝は早く起きようと決めていた。予定どおり6時に起床し、コーヒーを淹れてからノートに「今日やること」を箇条書きにする。

皆が起きて来るまでの間にPC仕事は終わらせ、キッチンの整理と部屋の片付けへ。洗濯やアイロンを含め、掃除な整理整頓という作業はとても好きだ。変態と言われても良いのだけど、精神安定剤のようなものである。何も考えなくて良いし、汚いものが美しくなるという意味で、結果がとても分かりやすい。

とはいうものの、ずっと家に閉じこもっているのもあれなので、家族のリクエストを聞いてランチを買いに出る。外はとても温かく、ロンTに白の半パンツ、ダウンベストでちょうど良かった。基本、服装はその時の気温と「自分が心地良い」と思えることを重視するので、例え半パンで季節感がなくても気にしないのである。


一通り落ち着いた夕方。
コーヒーが飲みたくなり、Mac Bookと本を数冊持って外に出る。

コーヒー中毒なので、スタバでもトールサイズをオーダーしてしまう。
夕方の日差しがとても気持ちいい。

楽しみ凝縮、極楽トレラン(温泉・ビール・サプライズつき)


こんなに楽しいことはない!!

素直にそう思える極楽トレランのススメ。

朝6時半に芦屋川駅にラン友N君と待ち合わせ。街角ローソンカフェでホットコーヒーを飲みながら作戦会議をする。このワクワク感がたまらない。N君は地図を出してきて、先週はここを走った、このコースは人がいなくて寂しかったなど、目をキラキラさせながら話してくれる。僕もそれを嬉しそうに聞き、自分が好きなコースを話す。

そうそう、これだよ、これ。

趣味を共にする者同志の世界。この一体感がたまらない。僕もN君も基本的に単独行動をするタイプなので、誰かと一緒に走るということはとても嬉しいことなのである。さあ、今日はどうしよう。六甲山頂まで2時間、有馬までそこから1時間弱。走れるところは走りながら、3時間行程で温泉にザブン、ビールをごくり!よし、決まり!

芦屋川から風吹岩〜雨ヶ峠〜七曲り〜山頂〜魚屋道〜有馬温泉という王道かつ最短ルート。時間が時間だけに六甲山のメインストリートというべきこのコースも人はまだら状態。ところどころで紅葉を楽しみながらトレランを楽しむ。

予定どおり、2時間弱で山頂に到着。ひとしきり記念撮影をし、汗が冷えて寒いので早々に魚屋道へと歩を進める。

裏六甲も紅葉真っ盛りだ。台風の影響でところどころ道が崩れているが走行には問題なし。

山頂から45分程で有馬に到着。銀の湯が改装中のため、金の湯へザブン!

あ〜極楽!!! 

そう、極楽としか言いようがない、
だって、この充実感でまだ朝10時なんだもん!

さっぱりした後は、有馬の風情ある温泉街を「ビール」を求めて散策する。まだ店がオープンし始めたくらいの時間。

N君が、日本酒も充実していてお勧めというので、バス停前の立ち飲みバー「酒市場」へ。

カウンターにつき「まずは、生ビール」と声を掛けると・・・なんか見た事ある顔が・・・

そう、旧友がカウンターでサーブしていたのです!
恐らく10年ぶりくらいの再会!!

もうね、予期しないとはこのことですよ。嬉しいなあ。こんなことがあるから、人生楽しいなあと染みるのです。しかも彼女、なんとマラソンは3時間10分、トレランの大会もしょっちゅう出ているようで、その当時からは全く想像すらできないアスリート女性へと変身していたのでした。ここはランナー、ハイカーの聖地なのか。笑

懐かしい昔話、そしてラン話に、三人で花を咲かせながら飲むビールの旨さよ(N君はひたすら、にごり酒をリピート)。そして時間はまだ11時である。なんだこの充実感は!!

ひとしきり飲んだ後、夙川までバスで帰ってきました。

日曜日の午前中。
この短い時間に、こんなに楽しみが凝縮されるなんて。

山と海が近い阪神間ならではの楽しみです。

あー、最高!!!

(ちょっといい話)鉄男としての夢が一つ叶った夜


僕は鉄道好きです。

鉄男(男性の鉄道マニアのこと)にとっては、何気ない普段の駅のホームや、運転台が見える先頭車両や最後尾など、通勤や移動時でさえ、純粋に楽しむことができる「萌えポイント」がたくさんあります。

さて、昨夜のこと。

取引先との会食帰り、ほろ酔い気分で23時発のJR新快速に乗車。電車は好きだけど人混みは嫌いなので、比較的空いている最後尾に乗車。最後尾は車掌さんがいる運転台をガラス越しに見ることができるし(気持ち悪い客と思われても良い)、去りゆく線路や景色を眺めることができる。

車掌さんには色々なタイプがあり、きびきびとロボットのように動く人もいれば、ベテラン特有の、出汁が染み込んだ大根のように、ねっとりとコクのある動きをする人もいます。昨夜の車掌さんは「謙遜低姿勢タイプ」で、恐らくその一つ一つの丁寧な動きからとても真面目で誠実な人であることが容易に感じることができるようなタイプにみえました。

その一挙一動を眺めていると、彼の素晴らしい仕事ぶりに甚く感動してしまい、僕をそのような気持ちにさせてくれたことに対して、何か感謝の意を表したいと思い始めました。何かないかな・・・と考えたところ、長年温めていた事を実行することに。それは、

車掌を敬礼で見送ること

です。ホームの安全を確保する駅員さんが、発車する電車の車掌と敬礼し合うのをみて、「なんて格好良いんだ。僕もしたい!」といつも指を咥えて見ていたあの挨拶を、今こそ自分が実行すべきだ、と。

駅員さんが敬礼するのは「業務、お疲れ様です」という意味もあります。僕は職員でも駅員でもないが、お疲れ様ですという気持ちを敬礼で表すのは何も間違っていないとも思いました。(ただの迷惑)

さて、いよいよ。新快速を降りて、ホームでその時を待ちます。

安全確認を終えた電車が発車。車掌さん、顔を赤らめた只の乗客の敬礼に一体どう反応されるのかと思いながら・・・

ビシッ!! (^^ゞ

としてみると・・・
過ぎゆく電車の窓から顔を半分出して安全を確認している車掌さんは、僕のそれを見てしっかり敬礼し、しかも小さく会釈までしてくれたのです!

ちょ、マジか!!!!
超感動!!!!!!!

僕は自分の夢がひとつ叶ったこと、そして、その車掌さんの真摯かつ低姿勢な態度に感動しつつ、そのまま、ホームで電車を見送りました。ああ、鉄道。なんて素晴らしい乗り物なんだ。そして、なんて素敵な人生ドラマがあるんだ。

こんな夜があると、生きてて良かったなあと染みるのです。

アイスはやっぱりバニラ(レディボーデン)である


バニラの中で何か一番好きがというと、ハーゲンダッツよりもレディボーデンなんですが。それにしても、やっぱりアイスはバニラですね。

米国から来客があり、梅田で早い時間から会食。なかなかの早口英語のオンパレードでしたが、皆さんのお気遣いはとても面白く、勉強になりました。いやー、とっても楽しかった。


明日は金曜日ですね。
一週間の早いこと早いこと。

それでは、また明日。

サイボーグのようにはなれないけれど


サイボーグのようになれたら良いなと思う時がある。

過去の記事の中で、マリッサ・メイヤーのガリ勉ぶりに注目したことがあったが「ガリ勉のススメ」(2013/9/6更新記事)、引用元の日経ビジネスの中で言う「ガリ勉」とは「猛努力家」のことをいう。本来持つものに加え、あれほどまで努力をすれば世界の誰もが知るビジネスエグゼクティブになれるのだろうかと思う。これはイチローや孫さんなどの有名人だけでなく、エグゼクティブに共通する性質だということは言うまでもない。

常に泥酔し、煩悩の固まりである僕からすれば、まさにサイボーグである。


あくまで手段としての話だし、前述とは矛盾もあるかもしれないけれど、成功のゴールイメージに到達するためのプロセスは千差万別だとも思う。何が良い、悪いの話ではない。そこに到達するための最短距離が、ガリ勉が良いのであればガリ勉になるべきだし、感情を殺して黙々と一つのことに集中し、滅私奉公するのであればそれも良いだろう。プライベートやライフワークバランス(死語)を重視して最短距離で行くのであればそれも構わない。

しかし、ことビジネスに関して言えば、「ガリ勉タイプ」の方が成功確率が上がるのは恐らく事実であろうと思う。自分が思っている以上に、この世には「天才」と呼ばれる人が山のようにいる。しかも規格外の天才だ。何が天才かというと、持って生まれたものに加え、人の何倍も努力をする。勝てる気がしない。一部のそのような人たちと幸いにして一緒に仕事をする機会があるが、彼らのビジョナリーぶりはすごい。

そして、大切なのは、過去の成功体験を捨てて、覚悟を決めるということだとも思う。言い換えれば、臨機応変、柔軟性、チャレンジ精神。成功したいのなら、小さい自分の世界観と、こだわりを捨てて行こうと思う。

フィルターで濾しとった後に残るもの


音楽の素晴らしいところは、人の気持ちを高揚させたり、落ち着かせたり、懐かしい風景を掘り起こしたり、苛立たせたり、と、とかく面倒くさい人間の様々な感情に作用し、導いてくれるところだと思う。

この時期特有の、年末から年始にかけて予定が次々に埋まって行くような時、カレンダーが埋まっていないと落ち着かないという僕の性格の一面である「前のめりな部分」は満足を感じるのだけど、一方で時間に流されないようにしなければという小心な気持ちを制御するためには、やはり音楽の力を借りねばならない。

それを聴くということは、自分が今立っている足元を確認すること、言い換えるならば、正しい居場所に導いてくれるための羅針盤のような役目。


Bill Evans というジャズピアニストが奏でる曲がとても好きで、何かあれば(何もなくとも)いつも聴いている。繊細で、その先にはもう何もなく、何も見えないのではないかと思うような完成された域。こういう人はその才能と引き換えに、何かを負っている。Bill Evansの場合は、退廃的な生活による肝硬変だった。

51歳で亡くなった時の死因は肝硬変ならびに出血性潰瘍による失血性ショック死。永年の飲酒・薬物使用で、肝臓に過剰な負担がかかっていた。それはジーン・リースをして、「時間をかけた自殺」というべき人生。(wikipedia参照)

そんな彼の曲の中で、僕が一番好きなのは1958年の二枚目のアルバム「Everybody Digs Bill Evans」に収録された奇跡の一曲「Peace Piece」。本人をして、もう二度とこの演奏はできないという再演不能の名曲。

少し触れるだけで壊れてしまいそうな、脆くて儚い糸のようなもの。
それがフィルターで余分なものを濾しとった後に残る真理。

Bill Evans “Peace Piece”

なんだか、色々なことがどうでも良くなってくる。