事象を正確に分析して、あるべき方向を見出す能力


僕はボーっとしている時は大体、都市のシュリンクと、コミュニティのあり方と、行動経済などをアレコレ考えていることが多いのですが、そんな時に思うことは、世界史って大切だなということです。経済にしても政治にしても、人の営みの上に成り立っています。営みとは時間の経過のことであり、その営みが重なって歴史となります。そして、どの時代にも栄枯盛衰があります。

大切なのは時代ごとに事情は異なるため、一昔前の常識を現在に引っ張ることはできないということを認識すべきだということです。むしろ比較して正確に「違い」を見出すことにフォーカスすべきだと思います。

少し例を挙げて考えてみると、
例えば、50年前と今とでは・・・

死亡率と平均寿命はどう変化したか
犯罪発生率はどうなったか
所得はどう変化したか
連絡できる友達の数は減ったから増えたか
ものを作りやすくなったか
起業しやすくなったか
イメージを具現化しやすくなったか

こういうことを考えると、例えば、人のつながりが場所に根付くコミュニティからオンラインでのコミュニティに変化してきたこと、大家族から核家族への変化、サラリーマンと専業主婦という家族の構図から、全員で稼ぎ全員で家事をするといった現在のトレンドへの変化の理由が分かると思います。人口が増加している国と減少している国が明確になり、それにつれて都市としてのあり方に対する概念的アプローチも違います。

学生二人が元手もないまま始めて10年掛からずに世界を征服してしまったGoogleのような巨大企業が生まれるということが実際に起きてしまう世の中です。だから、いかに「これはこうすべきだろう」という凡人の考え方が陳腐なものなのかが良く分かります。己の価値基準にしがみつく人とそうでない人で、これからどんどん格差が生まれてくるのは明白です。

シンプルに見えて非常に複雑化している世の中で、いかに本質を捉えることができるかはとても重要ですね。これは、柔軟な発想を持って変化に順応するという意味ではなく(変化に順応しているという時点で既に受け身)、むしろ、事象を正確に分析してあるべき方向を見出す能力のことだと思っています。

Innovative City Forum 2014 でMITメディア・ラボ所長の伊藤穰一さんの基調講演があったので、シェアしておきます。Joiさんは0:27:10から登場しますが、面白いですね、本当に。

(写真は本文と関係ありません)