スキルって一体なんだろう


最近コンタクトをいただいた某外資系企業のアメリカ人担当者から夜の約束の時間に電話があり、そのまま30分くらい話をしていたのですが、自分の経歴を色々と話す中で「自分のスキルって一体何だろうか」と、短時間で自問自答する良いきっかけとなりました。思い掛けず「自分の棚卸しをする」機会になったというか。

で、そういう風に自分で自分を棚卸してみると、僕は何も特別なスキルも才能もキャリアも持ちあわせていないんですよね。僕が持つ程度のITリテラシーなんて、最近のデジタル・ネイティブの子供達なんかは皆当たり前のように学習し、身に着けてくると思うので、「WEBが出来ます、プログラムが掛けます、システム設計が出来ます、アプリケーションが使えます」なんて、その子達が大きくなった頃には、もはやスキルではなくなっているでしょうし、英語にしたって、これだけネイティブレベルのバイリンガルが増えてくると、普通の英会話力もスキルとは言えなくなってくるでしょう。

では、スキルって一体なんでしょうね。

もちろん「スキル」という言葉の定義によっても受け止め方は変わって来ます。技能や能力、身体的な能力、資格などはスキルと呼ばれますが、ビジネスに限定して考えてみると、それがステークホルダーから必要とされるかどうか、重宝されるかどうかという「相対的な評価」と「希少価値」にあるような気がします。それは、技能でも、資格でも、学歴でもなく、ビジネスを成功させるために必要とされる能力なのではないのかな、と。

まあ、ビジネス上、必要とされるスキルというのは、特に立派な技能でなくても「有能なイエスマン」や「謝り上手」なども組織としては必要だったりするのですが、これから必要なのは、無から有を生み出せる力、ビジネスを拡大できる力、組織を引っ張る力、勘所を見分ける力、など、実に「分かりにくい能力」、定義しにくい能力なのではないのかなと考えました。これって、持って生まれたものも多いに関係すると思うし、経験に裏付けられることでもあるでしょう。

いずれにしても、僕の「分かりにくいスキル」を身につけるための模索は、まだまだ続きそうです。