これが本当の「ローカライズ」だと感じた


毎日新聞の記事から。

カシオ:中東で人気 聖地メッカの方角指し示す腕時計
(祈りの時間の通知機能も)

百聞は一見にしかず。seeing is believing.
まずはとにかく記事を読むべし。イスラム圏で大ヒットのカシオの腕時計は、メッカの方角と祈りの時間を通知する機能が搭載されていたのですね。カシオの樫尾一族の役員報酬が軒並み10億円を超えているのはなぜ?とずっと思っていたのですが、売上の半数以上が国外であり、G-Shockのヒットに胡座をかくことなく、真にローカライズされた新製品を生み出して高収益を確保していたからなのか・・・と邪推してしまうようなスマッシュヒット。

多くの日本企業が「日本のサービスをもっていったら上手くいく」「日本の技術力は世界一」「このクオリティはどこでも通用する」「おもてなしの心やで」と思っていると思います。でも、もし実際そうなら、なぜ、ITやソフトウエアの分野で世界のリーディングカンパニーが生まれないのか。なぜ、製造業が沈没したのか。なぜシリコンバレーやアメリカがすべてなのか。

これは簡単に説明がつく話です。日本のサービスがグローバル対応できないのは「ローカライズ」出来ていないからなのですね。細かすぎたり、高機能過ぎたり、行き過ぎていたり。誰もそんなサービスを望んでいないのです。

でも、カシオは真の意味でローカライズした。

日本国内にいて、あーだこーだ、やいやい言ってても仕方がない。
その土地に行き、その企業に入り、宗教とカスタムとカルチャーを知り、本当のニーズとウォンツを探らなければ、何も生まれないのですよ。元Google、現Yahoo!のCEOであるマリッサ・メイヤー女史も、GoogleのAPM(Associate Product Manager)の研修時代、Googleを誰もしらないインドのバンガロールから50km離れた村で研修したというのは有名な話です。その後の研修先はテルアビブだったそうですが。

とにかく、カシオからとても良い学びを得ることができました。