相棒がいないのであれば


何か一つのことに没頭してあれこれロジックを捏ねくり回していると、キャパが飽和状態になり煮詰まってしまう。やはり気分転換もしたくなるというのが人情というもの。

こんな時、普段はウイスキーという相棒をカランとしたいところなのだけど、その相棒もいないので、こんな本を手に取ってみる。

スコッチウイスキーで有名なアイラ島。村上春樹がその聖地を巡礼する本。
アイラ島には一度は行ってみたいと思っているが、とりあえずこの本をパラパラとめくっているだけで、ピートの芳醇な香りが漂い、強い海風が無機質な空間に吹き荒んで来るように感じるのだから、本の持つパワーは偉大だ。力のあるテクストは、その情景を目の前に広げ、空気の香りを感じさせ、風の音を聞かせる。