ChatGPTを使ってみました

最近のテック界隈での話題は、もっぱらOpenAIの「ChatGPT」に関するものでしょう。以前から噂されていましたが、実際に無料で使えるものがリリースされると、そのすごさに驚いてしまいます。

ChatGPTは、対話型のAIチャットボットなのですが、どんな質問をしてもAIが答えてくれるのが、検索対象を限定した既存のエンタープライズサーチや、サポートチャットのように想定した問いに対して予め答えを用意しておき、データベースから取り出してくるようなタイプのものではないという点が圧倒的に違います。UIは日本語対応していませんが、日本語で質問しても日本語で答えてくれます。自然言語解析+AIですから、質問の数が増えれば増えるほど精度は増し、賢くなっていくという訳です。

試しに「ハイキングに持っていった方が良いアイテムを教えてください」と入力してみました。

結果、一部日本語がおかしいところはありますが、(それなりに)ちゃんと答えを数秒で返してくれます。

次に、少しタイプの違う質問をしてみました。

「インフレ予想が実際のインフレ率の決定に果たす役割とインフレ率の安定化政策に果たす役割について説明してください」

すると、これも(それなりに、なんとなく)返してくれます。
こうなってくると一部で話題になっているように、学生が論文をChatGPTを使って書くのではないか、ChatGPTを使って書いた論文はそれを証明できる術がないのでは、ということも、将来的には実際に起こり得るかもしれませんね。

ChatGPTはどんな質問にも答えてくれる魔法のマシンということもできますし、これをハードに搭載すれば、C-3POのようなロボットも出現するでしょう。でもこれって決して人間の能力を拡張するものでないよな、というのが僕の感想です。人が脳を使ってその思考力を高めていく、そして知識を増やしていくためにはとにかく調べ、考え、まとめ、書き、口頭で説明することが求められると思っています。一つの論文を書くのに、参考文献を何十冊も読み、引用することって、とても時間が掛かることはではありますし、文献調査の段階で目当てのものが見つからないこともあり、とても非効率な作業ですが、非効率性こそが能力の向上に役立つと思うからです。

確かに検索窓にテキストを入力するだけで欲しい情報が手に入るかもしれませんが、アナログな方法で本を漁る方が人間の能力拡張に寄与するし、僕はそっちの方が好きだな〜と考えていると、こんなニュースも飛び込んで来ました。

「アメリカでリアル書店が復活の兆し」

米最大の書店チェーンである「バーンズ・アンド・ノーブル」は、2023年に30店舗を新たにオープンする計画があるという。2008年のピーク時には、全米で726店舗を有していた同社は、読書離れが原因で規模の縮小を余儀なくされ、現在は600店にまで減少した。しかし、新型コロナウイルスの流行における読書ブームの再燃やパンデミック下における収益改善の影響で、店舗数拡大へと舵を切ったようだ。

アメリカで「リアル書店が復活の兆し・・・」 tabilabo


やっぱりな〜。
そうなんですよ。リアルな本ってすごく良いんです。僕もさらっと読むくらいならKindleも使いますが、基本的にはリアルな本を読むタイプです。図書館好きで良く通っているのですが、ペーパーレスとかインターネットとか言われても、図書館はいつも人でいっぱいです。

話を戻すと、ChatGPTの出現で戦々恐々としているのはGoogleなどの検索エンジンでしょうね。検索する必要がなくなるわけですから。さらに、ChatGPTの対抗馬も次々と生まれてくるでしょう。ChatAI自身が人間のように考え、AI独自の答えを出してくることもあるでしょう。可能性は無限大。でも、情報の取得の仕方は人それぞれですし、リアル書店が復活しているように、好みで使い分ける、ということになるのではないでしょうか。