八ヶ岳から今年一年の振り返りを

今年の主要な仕事をすべて終え、信州は蓼科の森の中にやってきました(寒さに弱いはずなのに)。こちらは一面の銀世界で、関西の寒さとはまた一味違った趣があります。

見るからに外は寒そうでしょう?

外の雪景色を眺めながら、ゆっくりと今年一年を振り返りをしていました。

今年はなんといっても、勤め先を退職して独立するという人生の中でも大きなターニングポイントとなった一年でした。3月がもう随分昔のように感じます。それくらいあっという間に時間が過ぎて行った感覚があります。

サッカー日本代表の森保監督は「新しい景色」という表現を使っていましたが、この言葉、自分もよく分かります。組織の中にいた自分が見ていた景色と、今の自分が見ている景色は、まったく違うからです。良いことも悪いことも、すべて自分次第。起こる事象すべてが、なんのクッションもなくダイレクトに自分に返ってきます。怖くもあるし、楽しくもある、そんな感じでしょうか。

以前にも書きましたが、一ヶ月を30日としたときに、ビジネス10日、社会活動(ボランティア)10日、趣味10日、という割合で生活をしていますので、物事を考える時間もたっぷりと取ることができました。自分の価値とはなんだろう、自分が社会のお役に立てるとしたらどのような方法だろうと自問自答していると、不思議なことに多方面からこれを手伝ってほしい、こんなことをしてほしいとオファーをいただきました。事業拡大や、法人の立ち上げ、顧客とのコミュニケーション施策など、自分のスキルと経験が活かせて、なおかつ直接的にお役に立てそうなオファーがあると、自分はやはりこういう分野で求められているんだなとの実感を重ねています。

良いことの方が圧倒的に多かったとはいえ、多少なりとも難しいなと思うことにも直面しました。そんな時は、グーグルの研究結果として有名な「優秀な人材は、”人生で苦労をしたかどうか”が重要」(コミュ力もリーダーシップもいらない。元Google社員が語る、本当に「優秀な人材」とは)を思い出しています。解釈の仕方は色々とあると思いますが、苦労を避けて通るよりも、修羅場経験をたくさん積んだ方が人として成長でき、対応の引き出しが増えるということだと認識しています。苦労は必ず糧になる。そう考えると、たとえ修羅場のような場面に直面したとしても、前向きに捉えることができますし、実際にそのような気持ちでいます。

この一年を振り返った時、まずは大きな決断をし、一歩を踏み出した自分を褒めたいと思います。同時に多くの人に支えていただきましたし、今まで出会えなかった人たちとたくさん出会うことができました。まさに「新しい景色」を見ています。それらすべてに感謝したいと思います。

さて、自分にとって、2023年はどんな年になるでしょうか。見えている景色のその先には何があるのでしょうか。自分が今、すごくワクワクしています。少しでもこのブログをご覧いただいている皆様に、何らかのエネルギーと、少しの笑いを届けることができれば、こんな嬉しいことはありません。どうぞご期待ください。

雲ひとつない八ヶ岳連峰

この10日間で気づいたこと

世間の流れに違わず、自分も公私ともに年末進行でバタバタしています。書きたいことはたくさんあったのですが、そんなこんなで前回の更新から10日ほど空いてしまいました。

今週は月曜日から木曜日まで今年最後の東京出張でした。いろんな会社を訪問し、取引先や友人たちと飲み、グローバル人事塾で仲間たちと語らっていると、時間なんてあっという間に過ぎてしまいます。朝から夜までずっと動くというのは、最近のスローな日常生活では考えられず、体力的にもかなりダメージを受けました。昨年まではよくあんなに出張ばかり行ってたなあ。信じられません。

そうそう。
この10日間でいくつか気付いたことがあります。

一つ目。事業には客観的視点が必要なこと。
ここ最近、様々な企業の方針変換に触れることがありました。自分も組織の中に長くいたので良く分かるのですが、客観的視点を常に持つようにしておく、それができないのであれば、外部の人材やマーケ会社に依頼するなどして、意思決定に対して常に第三者チェックを加味する必要があります。そのために社外取や顧問などが重宝されるのですが、規模の小さい会社はなかなかそうも行かず、結局「井の中の蛙」的に社内事情とトップの判断だけで意思決定して、失敗してしまうというのが良くあるのです。社外から見た自社と社内から見た自社には大きな乖離があることを意識することが大切です。見ていて心配な会社がちょこちょこあります。


二つ目。セレンディピティは、自分に準備ができている場合にのみ与えられるもの。むやみやたらに動いても何も変わらない。
がむしゃらに動く人、とにかく気になるものは何でもやってみる人。いろんな人がいて全然OK、それはそれで素晴らしいことなのですが、それが結果につながらない人は「自分の中で準備ができていない」のかもしれないなと思うことがありました。つまり、自分がそのレベルに達していない。だからセレンディピティに出会わない。チャンスの種に出会っても物にできない。自分の中の価値観、軸をぶらさず、目標に向かって日々努力を重ねている人に与えられるギフトのようなものなのでしょうね。


三つ目。自分は寒さに弱かった。忘れていたわけではありませんが。

ここ数日のクリスマス寒波にすっかり身体がダメージを受けています。東京の夜も寒かったけれど、特に今日のゴルフは死にました。気温0℃のゴルフ場で風がビュービュー、体感気温は極地。ホールアウト後に何度も風呂に浸かり、身体を芯から温め、温かいものを食べ、暖を取っていますが、凍った身体の芯は溶けず、頭痛となって表に出てきます。いや、弱ったな。色々とがんばらねば。

というわけでいよいよ年末です。
お体に気をつけてお過ごしくださいね。


ブレイクスルーの方法

仕事柄、複雑かつ難しい課題について相談を受けることが多いです。

多くの場合そこに答えはなく、これだけの予算を投下すればこれだけの効果が得られると予測できるようなマーケティングや広告戦略は別にして、個別の経営課題や人の問題、また、そもそも市場がないところに市場を創出していくようなプロジェクトなどには、こうすれば解決しますよという魔法のテンプレートはありません。先行事例を調査し、データを分析し、ステークホルダーの声を聴き、課題を抽出して、戦略を深耕していく。自分の知識や経験値なんて高々知れているので、常に頭をリセットして考える必要があります。

リセットの方法として僕が日々やっていることは、PCや資料から離れ、ジョギングをしたり、料理をしたり、庭掃除をしたりという単純な作業にシフトすることです。黙々と手を動かしている時にふと絡まっていたスパゲティがほどけて、ブレイクスルーすることってありませんか?僕は袋小路に迷い込んだら、必ず、料理、掃除などを始めちゃうので、ボトルネックにはまればはまるほど、料理の作り置きが増え、庭がきれいになるという副産物が得られています。良いのか悪いのか別にして。笑

もうひとつ、ブレイクスルーの方法として「誰から」「何を」インプットするかもとても大切ですよね。上手に言語化できなかったことが、本の中に書いてあったり、人の話を聞いて「これか!」と気づくこともあります。

昨夜はシニア世代のウェルビーイングを考える企業コンソーシアムの会合と忘年会があり、そこで稀代の経済学者、宇沢弘文先生の長女で医師の占部まりさんをお招きしての社会的共通資本をテーマにしたセッションがありました。たくさんのお話があった中で、自分に特に刺さったのは、「金銭的授受が発生しない関係性が一番良い。大切なことは経済に乗せない」「医療にお金をかけるよりは、人とのつながりに投資していくべき。良好な人間関係を持つ人は寿命が延びる」という点を経済学と医学の観点から分析されたお話でした。

ああ、まさにそういうことだ。自分も「お金にならないことに一生懸命」「利害関係のない人間関係をいかに広げるか」をテーマに生きてきたし、それでたくさんの人間関係やサードプレイスをアセットとして得ることができています。結果として、毎日幸せに暮らすことができている。恐らく、これからもそうしていくでしょう。自分が無意識に良かれと思ってやってきたことが、実際に研究されて結果が報告されているというエビデンスを専門家のお話を通して知ると、納得感が深まり、自分の言葉として話すことができるようになります。

料理掃除もいいですが、こういうセッションでお話をお聴きし、参加者の皆さんとディスカッションすること。本当にこういう機会は貴重です。

昨夜の懇親会の一コマ

アプリを使って寒暖のコントラストをくっきりと

寒かったり、暖かかったり。体調管理が難しい日々が続きます。今日は暖かい一日でしたが、一昨日はとにかく寒かった!頭が凍るかと思いました。

まだ12月頭だというのに、気温0℃を体感しましたよ。そう、ゴルフ場で。

朝8時。霜がおりて真っ白のフェアウェイ。気温が低いだけあって空気はクリア、空がきれいですね。

寒さ対策はしっかりしていたものの、やはり体の芯まで冷えます。
茶店で甘酒を購入しました。久しぶりに飲んだ甘酒、冬場は温かくて甘い飲み物は身体に染みますね!

上の写真では、そんなに寒さは伝わりませんが、これならどうでしょう?

そう、先ほどのフェアウェイの写真に、甘酒の写真を重ねてみました。どうですか?
より寒さとあたたかさのコントラストが際立つでしょう。そして、この違和感のなさ!最近のカメラアプリは本当によくできていますよね。

上の写真は、PhotoDirector というカメラアプリを使って作ってみました。元々トレースしやすい写真だったということもありますが、全然違和感なく加工できます。しかも5秒で。昔はIllustratorを使ってコツコツとトレースしてたんだすよ。エッジをぼかしたりして。

誰でもスマホで簡単に写真の合成ができるようになると、本物と合成の違いがまったく分からなくなります。WEBやSNS上で溢れている写真を、いちいち真贋の確認をしたり、疑ったりするのもナンセンスなので、特にクリティカルな問題がない限り、素敵な写真は素敵だな、と思うほうが幸せですね。

動くと違う景色が見えてくる

年末に向けて、今年一年の振り返りを始めました。

僕自身、成長至上主義者というわけではありませんが(かつてはそうでした)、一年前の自分から見た今の自分がいたとして、その自分が「思い描いていたとおりの自分」に少しでも近づけている方が良いなとは思います。今年も昨年と同じだったな〜と思うと、なんだか悲しくなりますもんね。

一年の棚卸しの仕方は色々とあるとは思いますが、まずは年頭に立てた目標を達成できたか。昨年から変わったこと、成長できたことは何か。この「変わったこと」を具体的に実感し、言語化できるかどうかがとても大切だと思っています。

20代の頃は、会社も仕事もすべてが新鮮で赤ちゃんが子供に成長するかのごとく、毎年できることが目に見えて増えていく時期ですが、40代になると自分から動かなければ周りの環境は変わらないし、自分も大して成長しない(ある意味安定する)という時期に差し掛かります。それが「脂がのる」「経験値が増える」という言い方をすることもありますが、加算ではなく、乗算で結果を出して行こうと思うと、貯金を切り崩すやり方ではなく、新たな環境に身を置き、自分のスキルを試し、結果を出すということがとても大切なことだと思っています。そう、環境を変えること。

動けば見える景色が変わる。
身を置く環境を変えれば付き合う人々が変わる。

今年は自分にとって、これからの人生の第一歩を踏み出した年になりました。会社を辞めて裸一貫、ゼロから仕事をスタートしました。多くのご縁に恵まれ、たくさんのお仕事をいただきました。様々な会社に関わらせていただき、素敵な仲間たちと一緒にお仕事をさせていただいています。独立しなければ関わることのなかった人々との新たな出会いが生まれ、その中でまた成長させていただく。

そして、何より自由がある。
誰から管理されることも、制限されることもない。自由に時間を使い、自由に行きたいところに行き、自由に会いたい人に会える。

このことは本当に大きなことで。今日も打ち合わせの帰りに枯葉を踏みしめて歩きながら空を見上げ、ああ、今、僕は本当に幸せだなと思ったのです。

具体的な振り返りはこれからですが、今のところ自分で点をつけるとすれば、100点以上をあげたいなと思っています。

12月に入りましたね。皆さまお元気ですか。

今年は本当に紅葉が美しくて。どこに行っても紅葉の色の濃さに目を見張ります。下の写真は早朝のゴルフ場。朝日が差してきれいですね。

12月に入ると同時に一気に冷え込みました。秋が過ぎて冬が来たという感じですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

私の方はというと、先日投稿した記事(現在の仕事の話」 2022年10月26日 )のとおり、日々忙しく仕事をさせていただいています。今年の3月に会社を退職してまだ8ヶ月しか経っていないというのに、こんなに目の前の景色が変わるものなのか。そしてこんなにあっという間に時間が経つものなのか。今年の春先がもう遠い昔のように感じます。

目の前の当座の仕事と、未来をつくる仕事。

自らの感覚の中で現在と未来を行ったり来たりしながら、日々走り回っています。出会う人たちの種類も少しづつ変わってきて、やはり類は友を呼ぶというか、点と点がしっかり線で繋がるというか。非常に刺激的で、そういうことを日々実感しながら、街を歩き、季節の移ろいを感じています。

そう、季節をしっかり感じることって大切ですね。

11月後半から忘年会もどんどん入って来ました。やあ、久しぶり。元気でしたか?そう声を掛け合い、久しぶりに顔を合わせる人たちと酒を酌み交わす。ついつい飲みすぎてしまうこともありますが、お互いの近況を確認し合うことの大切さを年々感じるようになっています。

我が家の紅葉もがんばっています。
その年、その年で、色の濃さが変わるのが面白いですよね。

いつから生えている木々か分かりませんが、慌ただしく動く人間を尻目に、悠々と生き、季節ごとに色を変える木々には力強さと余裕を感じます。ビジネスにはスピードが求められますし、日々目の前を膨大な情報が行き来していますが、誤解を恐れずにいうと焦ったり急いだり一喜一憂したとしても、結果はほとんど変わらない。そのことを木々は教えてくれているようです。

今年のお気に入りはこの一枚。↓