サンタクララの Quadcept シリコンバレー支社の通りを挟んで向かい側に、Nvidia の巨大新社屋が建設中なのですが、こちらに来る度にその全容が明らかになって行きます。Nvidiaは今の社屋も立派なのに、更に拡張を続けています。
こちらでは一つの大企業の社屋が大学のキャンパスのように集積している地域があちらこちらにあり、それぞれ、拡張を続けているために近隣の不動産を買い取りまくってビルを建設したり、オフィスを居抜きで使ったりしています。例えば、AppleやGoogle、Oracle、Facebook、そして僕の行動範囲の中では、CiscoやIntelなどは、社屋がどこまで続くの? ってくらいひたすら、通り沿いが同じ会社の建物だったりします。
彼らがなぜここまで大きくなって膨張を続けているのか。もちろんサービスや製品のヒットにもよりますが、ある程度市場に自社の製品が行き渡ると、今度は自社にない技術、これから進出しようとする市場でプレゼンスを持っている企業、同じ市場にいる競合などを次々に買収し始めます。故に、彼らは更に拡大していくのです。CiscoやNvidiaも良い例で、来る度に社屋が増えているのはそういう理由によるものだったりします。クパティーノにあるAppleのドーナツ型宇宙船のような新社屋が建設中ですが、この新社屋には20,000人が集まると言われています。そりゃ、近隣の不動産高騰するわ。
こちらのビジネスパートナーやアントレプレナーと話をしていると、誰々がどこの会社に会社をバイアウトして見事にリタイアを果たしたとか、フリーモントやサラトガに豪邸を建てたとか、今は、どこどこの会社にバイアウトをするために、新しくこういう会社を作っている、とか、そのような話を良く聞きます。
日本との違いは、大手(戦略的売却先)が受け皿としてたくさんあり、そこがやっていないこと、あるいは、その会社が欲しそうな技術を作ってうまく持っていくことができれば、バイアウトの可能性もたくさん出てくるということでしょうね。自分の製品を確実に世界に広めるための方法として、あるいはリタイアメントするための方法として、バイアウトは非常に一般的な方法になっている(もちろん、思い通りに出来るかどうかは別にしてですが)というのが、シリコンバレーの特徴と言えるかもしれませんし、そのような風土が重力となり、世界から人・物・金を引き寄せているのだと思います。
先日、Tie-Conに少し参加させていただきましたが、こちらではインド人が大活躍しています。今や、Google、MS、AdobeのCEOは皆インド人ですし、彼らもしっかりとビジョンを持って勉強し、その技術力を持って就職して今の地位に君臨したんでしょうね。投資のセッションや、カンファレンスは大盛況でした。スタートアップスは資金を集めて加速し、バイアウトに向けて邁進する。ティアワンの企業は、そんな彼らを支援しながら、最終的に多額の金額で買収する。そのような形が成り立っているのだと思います。日本とは金額もスケールも何もかも差がありすぎて、こちらにいると感覚がおかしくなってしまいます。