旅先で、とても良い店に巡り会った「松山八坂通り〜 草庵 田なか」

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GW前半最終日。
まとまった時間が取れたので、食のレビュー記事です。

先日訪問した愛媛県松山市の魅力は「坂の上の雲」で有名な秋山兄弟、正岡子規の里という歴史、坊ちゃん列車が走る風光明媚な町並みに道後温泉、そして「食」。瀬戸内海からあがる素材の良さ。そして地方都市だからこその「程良い大きさ」もまた、心地良いのです。

さて、この街で美味しい「食」に出会ったのでご紹介させていただきます。

繁華街である大街道駅から徒歩で5分くらい。
八坂通りにひっそりと佇む隠れ家のようなお店、「草庵 田なか」。

見た目は小さな古民家。
以前、お茶の先生が使っておられたという民家を改装されたそうです。女将いわく、使えるものは使い、残すものは残して作りましたという内装は、丁寧で、快適そのもの。靴を脱いで玄関をあがってすぐ右にカウンター、奥にテーブル席が二つ。2階もありますが、ここは団体予約専用とのことでした。しかし、関西でもこの雰囲気はなかなかないな。京都のような雰囲気。そして程良いこじんまり感がまた、この松山という街の程良い大きさと比例してとても落ち着きます。

メニューはお任せコース料理のみ。
お酒は地酒の「寿喜心」を中心に日本酒、焼酎、ワインなど充実の品揃え。日本酒党としては、もう少しマニアックな地酒をラインアップして欲しいとも思いますが、その後に出て来る料理の数々を見ると、その願いも贅沢というものでしょう。

さて、席につくとまず、「苦手なものはありませんか?」と女将さんが親切に聞いてくださいます。刺身や魚が苦手な人には炙りや創作肉料理などに替えてくれるという配慮。この気遣いは素晴らしい。

まずは、蛸、鮑、季節の野菜。
蛸の上には木の芽のソース。
春の風味が口一杯に広がります。

刺身。
一日から二日寝かせたものばかり。
「できれば、塩と山葵のみでお召し上がりください」と。醤油もありますが、塩でいただきます。寝かせることで、旨味が増し、塩でいただくことで甘みを最大限に引き出す。良く考えられています。そして山葵がまた旨い。

焼き物。
鰆を桜の葉で包んで焼いたもの。
鰆といい、桜といい、テーマは完全に春。塩加減もいい塩梅です。付け合せの焼野菜は、徳島産のアスパラガス、ズッキーニ、さやえんどう。特にアスパラガスは大振りなのに旨味たっぷり。

揚げ物。
「活媛あなご」で有名な松山市の沖合10kmに浮かぶ「中島」の穴子を天ぷらに。先程の徳島産アスパラガスを巻いてあります。ほくほくの穴子身とアスパラのシャキシャキ感。良く考えられている。刺身といい、天ぷらといい、「塩党」の僕には最高。日本酒の熱燗がすすみます。

ちなみに当日は季節はずれの低気温でしたので、日本酒は全て熱燗でお願いしました。4月に入り酒の方も春仕様に変えたとのこと、冷やメニューの方が充実していたそうです。次回は是非、冷やで。

さて、ここからが本番。
「当店のメインディッシュである、御飯です。まずは蒸らしていない一番飯をどうぞ。お代わりはたくさんあります。二杯目以降は蒸らしが入りますので、風味も変わりますよ」とのこと。ここのメインディッシュは御飯なのです。ちなみに、魚沼産のコシヒカリ。

まず一杯目。
何もつけずにそのままで。
蒸らしが入っていないので、アルデンテの御飯。

そして二杯目。
自家製のお漬物とちりめんじゃこ、お味噌汁と一緒に。
蒸らすことによる風味の広がり。

「メインディッシュが御飯」というだけあって、炊き方に相当こだわっておられるようです。そして実際、美味しい。

デザートは、苺のソースに黒豆、キウイ、オレンジなどのミネストローネ。ミネストローネとは具だくさんという意味です。文字通り具だくさんのデザート。

店の雰囲気といい、料理の丁寧さといい、大満足。出てくる料理の割に値段もリーズナブル。この季節は春をテーマにしておられましたが、夏、秋、冬、と行った具合にコースメニューも代わるのでしょうね、近くにいる人は年に四回は楽しめるのですから羨ましい限りです。

この八坂通り界隈は、昨年訪問した「丸西商店」さん「わらじや」さん(さとなおさんのページにリンクさせていただきます)を始め、素材を生かした創作和食の名店がずらりと並んでいます。「田なか」さんも「丸西商店」さんも、大阪で修行され、素材の良さに惹かれて松山に来られたという意味では、共通点もあり。

という訳で、まだまだ奥が深そうな松山。

是非、料理番組のロケで取り上げていただきたい!僕もナビゲーターとしてお供しますので。(to H井さん(笑))

いつか食べ好きの皆様とツアーを組んで行っても面白そうです。旅先でふらりと名店に出会う。これぞ贅沢と言うものでしょう。

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