人脈は社内ではなく、社外で作ること


常日頃から皆にも良く話し、かつ僕自身も実践していることの一つに「とにかく社外の人間と積極的に交流し、人脈を広げる」ということがあります。社内の人間関係を疎かにするという意味ではありません。社内の人間とは月曜日から金曜日まで一日12時間 × 週5日間もずっと一緒にいる訳ですから、そこは当たり前の事としておきます。

社外の人、出来れば利害関係がなくて共通の話題がある人達との人脈を広げることは、生活に彩りを添え、自分自身のためにもキャリアのためにもとても重要なことだと考えています。色んな人と交わることによって様々な気付きを得ることができる。人と人の繋がりで色んな人と出会える。誰しも時間とお金には限りがあるのですから、せっかくお金を使うのであれば、普段会わない人との方が良いという訳です。

そこから仕事に繋がることもあります。
例えば、先日、ほろ酔いで電車に乗っている時のこと。
隣に座っている真面目そうな男性が難しい資料を見ながら、「うわ、これすごいな」を連呼しているのに気付きました。普通なら「何この人、独り言ブツブツ言って気持ち悪い」と思うかもしれません。しかし、そこは昨日のエントリー「問い続けること」。様々なことに興味を持つことは成長のために肝要です。僕はその人が読んでいる学会のレポートが気になり、横目でずっと文字を追っていました。すると、その視線に気づいたのでしょうか、「あれ、同じ業界の方ですか?」と声を掛けてくださいました。

いえ、僕はITなので構造解析や化学は分野外なのですが、あまりにも「すごい」を連呼しておられるので気になりました。と正直に答えました。彼は某製薬会社に勤める博士号を持つ研究員で、学会の帰りでした。いかにこの学会で発表された論文がすごいか、ノーベル賞級だ、と、そこから熱心に教えてくれたのです。駅に着き、彼が降りる時に「折角なので名刺交換でも」と申し出てくださいました。名刺交換をしていただいた方には、仮に仕事で全く絡まないような人でも御礼のメールを送るようにしています(最近はFBのメッセージも多いのですが)。次の日にメールを送ると、ある解析シミュレーションに興味があるのだが、なにか良い製品があれば教えてほしい、とすぐに返答をいただきました。そこからトントン拍子に話が進み、先日パートナー企業の専門家を連れて、デモンストレーションに行って来たのです。そして今も提案中です。

これは、どこから何が始まるか分からない良い例だと思います。
もちろんビジネス目線の下心を常に持つことが大切である、と言いたい訳ではありません。僕も人と交わる時、仕事のことなど全く考えていません。ただ楽しいし勉強になるから一緒にいる。しかし結果論ではありますが、仕事に繋がることも多いのです。

終身雇用制が崩壊し、人は会社に頼らずに生きていくことがシビアに求められるようになりました。一つの会社に長年勤めたからと言って給料が上がる保証もありません。つまり、何かに頼るのではなく、一人一人が自立し結果を出さなければならない世の中になっています。仮に今の仕事を辞めざるを得なくなったとしても、社外に人脈があればどうにでもなります。また、会社としても色んな人脈や繋がりを持つ社員達がたくさんいるのは、とてもありがたいことです。ですので、是非、社外に人脈を作るようにしましょう。社内政治に気を遣ったり、同僚と飲みに行って愚痴を言い合う時間があれば、どんどん社外の人間と出掛けましょう。


最近、企業説明会で既卒者と話す機会が多いので、ついついこういうテイストの記事が多くなってしまっていますね。こうしうて書くことで、自分自身の思考の整理にもなっています。

さて、明日の午後から東京入りです。
週の後半もがんばって行きましょう。