時間って有限の資産ですからね、どう使うかはセンスが求められるところです

何もせずにぼーっと空(くう)を見つめながら、きれいな音楽を聞いてチルアウトする、この時間がたまらなく好きです。毎日が忙しいからこそ、こういう時間のありがたさを余計に実感するのです。

たとえば、旅先でふらりと入った小料理屋で、あとの予定を考えずに日本酒を飲んでいる時もそう。時間から解放されることが一番の贅沢。

ミヒャエル・エンデは、「エンデの文明砂漠」でこう書いています。

私はもう第三次世界大戦は始まっていると思うのです。ただ私たちがそれに気づかないだけです。なぜならこの戦争は、従来のように領土を対象とする戦争ではなく、時間の戦争だからです。それは、私たちの子どもや、子孫を破滅させる戦争です

エンデの文明砂漠

この本が出版されたのが、1991年。科学が発達し、便利なものが次々と生まれても、人の生活は豊かにならないし、それによって時間が余るわけでもない。それどころか人の心は殺伐としている。エンデはこのように警告していました。

本当は便利になればなるほど、時間ってできるはずなんですけどね。そして、それをより心を豊かにする活動に充当できるんですけどね。それから30年。まあ、その当時とあまり変わらないかな。

時間を切り売りして財を得る人がいる一方、財で財を生む人もいる。いずれにしても、豊かさによって出来た時間の隙間はスマホやYoutubeが埋めるし、別の仕事が入ってきていつまでも忙しい人もいる。出来た時間をさらに仕事に充てる人もいる。AIとロボットの進化によって、今後、財は自動的に生産され、人類は大いなる暇つぶしの時代に入る、と言われていてもね。まあ、あまり変わらないんでしょうね。

いずれにしても、心を豊かに保つためには、時間に追われるのではなく、時間をコントロールする側に回ることだと思っています。大切なものを見極め、必要なものだけに時間を投資する。

時間って有限の資源ですからね。使い方にもセンスが求められますね。