セルフブランディングって何だろう

ブランディングの重要性が叫ばれて久しい昨今ですが、今一度、ブランディングとは何だろうということを考えていました。ブランディングには二種類が存在すると仮定して、仮に、企業ブランディングとセルフブランディングに分けてみます。

一流企業に勤めている人にとっては、自分よりも企業名の方が認知されています。ここで重要なのは、企業としてのブランディングです。そういう会社はたいてい上場しているか、プライベートカンパニーであったとしても歴史と内部留保が潤沢なので広告代理店にアカウントを作って、大々的にプロモーションを行うことができるでしょう。様々な業界の知識人を集め、ストラテジックに策を練ることができます。自分達が気付いていない強みを、外部の、例えばコンサル会社やシンクタンクが入ることによって棚卸しをし、効果的にPRすることができます。

一方、名も知れない中小零細企業にとっては、そもそも知名度が皆無な訳ですから、それをどう知らしめるかが課題になります。潤沢に予算がある中小零細企業は、広告予算を投下してブランディングが出来るかもしれません。簡単なことです。しかし、そうでない会社にとっては、ありとあらゆる(金以外の)リソースを使う必要があります。つまり手駒をどう使うかがとても重要になります。では、リソースは何かというと、それはつまり、その組織に属する「個」のポテンシャルです。ネット社会からソーシャルの世の中になって、何が劇的に変わったかというと、個人が個人の枠の中で情報発信が出来るようになったという点。個人が個人でブランディングが出来るようになったのです。こんな素晴らしい時代はありません。

◯◯株式会社の◯◯さん、が通用するのは一流企業だけです。そうでない会社は、「会社名は聞いたことがないけれど、ああ、◯◯さんが勤めている会社ね」というところにバリューを置くべきだと思います。個人の知名度からの企業名、そこがとても重要です。したたかかもしれませんが、そういったリソースを有効活用できる会社が、効率的にブランディングが出来る会社ということが出来ると思います。

今は安定志向の若者が多いと言われています。大企業は大企業の良さが間違いなくあります。ベンチャー = 薄給、リスク、過重労働というイメージです。その通り、間違っていないかもしれない。ただ、だからこそ、セルフブランディングが出来るのです。情報発信を怠らず、自費で学び、組織に頼らず、強い個としてたくましく生きることを望む人は、是非、名も知れない町場の中小零細で仕事をすべきです。そこに、個人としての価値と、ひいては、組織としてのブランディングがあるんだと思います。自戒をこめて、今一度、セルフブランディングを見直すべき時に来ていると実感しています。

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