焦燥と期待の間

昨年10月の大阪マラソン以来、5ヶ月ぶりのフルマラソンを日曜日に控え、そわそわしています。

篠山ABCマラソンは過去に何度か走っていてコースも良く知っているし、歴史ある大会ならではの、円熟した沿道の皆様の盛り上がりも楽しみではあるのですが、レース一週間前の独特の焦りと不安、そして35kmからの辛さを思い出すと、ああ、またあの苦しみを味わうのかと若干憂鬱になったりもします。

昨年の篠山は、ちょうど米国出張と重なってしまい、レース当日の夕方にサンフランシスコから関空に到着するということで、仕方なしにパスしました。後で出場された方に聞くと、雨と寒さで「あれは走らなくて正解」とのことだったので、それはそれで良かったかもしれません。なにはともあれ、二年ぶりの出場に、楽しみの方が幾分勝っています。

このブログでも何度か書いている通り、普段はマラソン大会に一人でエントリーして、一人で酒を飲みながら帰ることが多く、特にどこかのチームや同好会に所属している訳でもないので、沿道や会場でたまたま友達や知り合いを見つけて「おお!」とか「どうでした!?」などと挨拶する程度です。過去に一度だけ友達の車に乗せてもらったことがあって、それはそれでとても楽しかったことを覚えていますが、まあ普段は孤独と言えば孤独だし、寂しいといえば寂しいのですが、何年もこんなスタイルなので、これが普通かなと思っていました。

しかし、今回の篠山は、同級生のO君が、やはり同じくエントリーしている同級生達の情報を集めてグループを作ってくれたので、みんなでワイワイ出来そうです。いつもとは違う感じで、楽しみ。色々とメッセージをやり取りしていると、否が応にも気分は盛り上がってきます。

今日、会社を訪問いただいた取引先の社長も今週末の篠山ABCマラソンにエントリーしておられる方の一人。「調子どう?」「どれくらい走ってる?」などランナーならではの共通言語で情報交換をしました。

今シーズン最後のフルマラソンを前に、気分も盛り上がっています。

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巣篭もりの末に小山を超える

暖かくて良い天気の日曜日。

今週末は諸々の締切があり「巣篭もり」を決め込んでいました。朝は寝起きで入院中のように半身を布団に突っ込んだまま文献読み、気温が上がってくるとシャワーを浴びて近所のスタバへ出陣です(この時点で巣篭もりではなく、スタバ篭もりに変更)。

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週末のスタバは、僕と同じく「ここ一本集中」を決め込んだ人たちが集まっています。場所にもよるのでしょうが、僕がいつも行くスタバは学生が多く、カウンターが空いていなかったので、8人掛けのテーブル席に陣取りました。8人掛けのテーブル席の四隅に、四人が座っています。残りの椅子はそれぞれの荷物置き場。でも、そのうち店内が混雑してくると、誰からともなく荷物をどけて席を空けています。このあたりのマナーに関してはなかなか良い感じです。

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幸いなことに8人テーブルは全員、一人勉強の方ばかり。若い女性が多い中、おじさん一人で恐縮しながらも(心の中でラッキーを連呼)、数時間の集中のお陰で仕上げることができました。ちょっとした山超え。小山超えです。

夜はご褒美に焼肉へ。
何の後ろめたさもなく飲むお酒と肉のうまいこと。また明日からがんばります。

創意工夫

次女が学校で作った作品が市の美術館で展示されるというので見に行ってきました。市内の幼稚園、小学校の児童の絵画、工作、版画などがテーマに沿って並べられています。

古い靴を人形の顔として利用し、色を塗り、歪ませたりして表情を作ってオーケストラの演奏者にしているもの、廃材を利用して作ったお面など、自分も昔はこういうの良く作ったよな、と懐かしい思いに耽ることが出来ると共に随所に創意工夫を感じることが出来ました。

創意工夫

手元にあるもので何かを作ろうとすると、足りないものが出て来ます。その足りないものを埋めるのが工夫とアイデアですよね。手間暇掛かるということは、イコール、時間が必要ということです。特に子供の発想には先入観がなく自由なので、たまにおっと思うような工夫を見ることができます。そう来たか、と。

日々の生活の中でたっぷり時間を掛けて何かを集中して行うということから離れて久しく、自分もたまにはこういうこともしなきゃなあと考えさせられました。

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初購入

イヤフォンの話です。

僕は普段、基本的に音漏れがなく高音質で、動いたり走ったりしても外れないカナル型のイヤフォンを愛用しています。今まで数多くを装着して来ましたが、ここ数年は、Final Audio Design の Adagio を使っています。しかし、有線型のダメなところは、断線です。僕のように付けたり外したり、走ったり引っ掛けたりするような人間が使うと、すぐ・・・という訳ではありませんが、一定の期間利用すると接触不良で片耳が聞こえなくなったりするので買い換える必要があります。ちなみに今のAdagioは3台目になります。

そこで今回、初めて Bluetooth のイヤフォンに挑戦してみることにしました。これならブラブラすることもないし、PCやiPhoneのイヤフォンジャックに接続する必要もありません。そりゃ音質は有線よりも絶対に落ちるでしょうけれど、きっと(いや、多分・・・)長持ちするはずだし、走る時にも線が邪魔にならないのは便利です。

購入したのはこちらの製品。特に拘りもなかったので、Amazonでタイムセールをしていた imarku に決定です。これが1990円だったんですよ、奥さん!もし失敗しても納得出来る価格です。(恐らく一掃セールだったのでしょうね、現時点で在庫切れとなっています)

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当然、筐体サイズは大きくなりますね。もちろんバッテリー内蔵なので充電しなければなりませんし、on/offのスイッチもあります。Adagioと比べると大きさの違いは歴然。ちなみに、マイクも内蔵なので通話も可能(充電2時間、再生・通話 4時間〜6時間)。Apple Watch も身に付けて、これも装着していると、腕からでも耳からでも通話できちゃいます。便利なのかどうなのか。

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こんな感じで充電します。

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で、肝心の音質なのですが、これが意外と良い!特に重低音なんか最高ですね。「まあ大したことないだろう」と高をくくっていたので、これには良い意味で驚きました。音飛びもない訳ではありませんが、十分満足できる品です。走る時や移動する時は Bluetooth イヤフォン、デスクワークはカナル型、という併用も良さそうですね。

アウトプットの千本ノック

物事を上手に表現できる人を尊敬します。

誰もが納得する話し方、書き方、理論。時に詩的な表現、そして、たとえ話。これは先天的なものではなく、常にインプットを怠らず、投入した情報を頭の中で咀嚼し、考え、自分のシナプスと外的な要因を上手に繋げて一つのロジックを編み出し、整然と整理された情報をアウトプットする作業を千本ノックよろしく打ち続ける努力と鍛錬の賜物なのです。

ここ数日、たとえが上手な人、考え方がマッチする人と出会い、話が弾みました。やはりこういう人は日頃からインプットを怠っていない人でした。自分も日々経験していますが、インプットって楽ではないんです。興味のある分野だけでなく、今まで繋がったことがない外的要因をシナプスと繋げ、宇宙の誕生であるビッグバンと同じように無の中に広がりを生み出すためには興味がない分野のインプットも必要なんです。すごく手間暇掛かります。それを日々トレーニングのようにしている人は、マラソンと同じく、結果が出る。そう思います。走った距離は嘘をつかない。努力した時間は嘘をつかない。

僕はそういう人の足元にも及びませんが、こんな人気のない過疎のブログを11年も続け、大抵ひどく酔っ払っている深夜に更新する作業を「なぜ」行っているかというと、少しでもトレーニングをしたいからに他なりません。不器用なやり方ですが、仕方ありません。誰にも迷惑を掛けずに、ほんの少しでも、です。

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水中翼と根

水中翼船というものがあります。

水中翼船とは、文字通り、水中に翼(Hydrofoil)を登載している船のことです。例えば、島と島を結ぶ高速船や、トライマラン、モス級と呼ばれる高速ヨットなどがそうです。見ていると、海面から浮いているようで、それはあたかも風を羽いっぱいにうけて飛ぶ鳥のようです。

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なぜこのような構造にしているかというと、水の抵抗を極力抑えるためなのです。水中の翼で浮力を得て(飛行機と良く似ていますね)船体を浮かせ、接水面を極力少なくすることで効率的に速く進むことができます。いかに速く進むか。ヨットの場合は帆に受ける風をどれだけ効率的に推進力に変えるか。それを徹底的に追求した結果このような構造の船が生まれたんでしょうね。(構造に興味がある方は色々調べてみると面白いですよ)

帰りの電車で、世界最速のヨットやトライマランの水中翼船の写真をiPhoneで眺めていると、「大地にしっかりと根を下ろす大木」って全くの対極にあるよな、と思いました。地上に見えているものよりも、地中の根の方がはるかに生え広がっています。風雨に負けず、何があっても動じない。それはまさに水中翼船とは対極にあるもののように思います。

人生やビジネスも良く似ていて、風や波に上手く乗れば一気に加速することもあるし、跳ねることもあるでしょう。でも一方で、大木のように変わらぬ信念も大切です。何があっても動じない信念と決意。正反対のように見えるものですが、結局両方とも大切。芯がなければいけないし、芯にこだわりすぎても風をキャッチできない。抵抗を極力少なくして軽やかに進まなければならない。

色々あるけれど、結局全部なんです。

タンパク質だけに、豆知識

予想通りの晴天。

晴れたら25kmランに出掛けようと思っていたのです。3月一週目のフルマラソン前に、まとまった距離を走るのは今日が最後。レース直前の二週間は5km、10kmくらいで適当に調整しなければ疲労が溜まって本番で良い結果がでないと言われています。本当はラスト一ヶ月はクールダウンと言われているのですが、なにせ12月と1月は出張ばかりで忙しかったので、ろくに走ることができませんでした。仕方なしに直前でがんばったという訳です。さて今日は15時スタートで2時間ちょっと掛けて25kmを走って来ました。

本当はもう少しスタートを早めたかったのですが、調べ物をながらの文献探しに思いのほか時間が掛かってしまったのです。お昼前後はあんなに暖かかったのに15時を過ぎると段々と冷え込んで来ます。気持ち良く晴れていたのが嘘のように、六甲山も「今から降らせたろうか」という厚い雲が立ち込めています。そりゃ気温下がるわ。

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走るまでにすべきことをある程度終わらせておくと良いことがあります。それは、お風呂に入りながらのお酒タイム。

風呂のフタをテーブル代わりにして、ハイボールを作り、アテを皿に並べて湯船に浸かり、RadiotunesのJazz Vocal channelを流しながら至福の時間を過ごすことができます。メロウなJazzボーカルが風呂場に響き、ウイスキーの香りを楽しみながらポカポカ温まる。本を持ち込みたくもなりますが、ふやけてしまうのでやめています。

しかし、長距離走った後は筋断裂を起こしているので、必ずタンパク質を一番に摂るようにしましょうね。炭水化物ではなくタンパク質。僕の場合は、走り終わりはすぐに豆乳を飲むことにしています。その後にお酒を飲みたいので、胃に粘膜をはるという目的もあります。

タンパク質だけに豆知識でした。

昔とくらべて今は

雨の土曜日。もちろん走ることはできないので、しとしと降る雨を眺めながら大人しく自宅で仕事と書き物を。

外に出るといっても子供の送り迎えくらいで、本当に一日篭りっぱなし。おかげで色々とコトが進みました。寒い雨の日は図書館に行くのも、カフェに行くのも億劫になってしまいます。考えてみると、今のようにスタバやタリーズなどのカフェがなかった時代、外で勉強をする時に向かうのは、大学や市内の図書館でした。今はすっかり時代も変わってしまい、外勉の選択肢としては、カフェ以外にも、コワーキングスペースやレンタルスペース、そして書店(!)など、よりどりみどりですよね。ちなみに最寄りの駅前に新しく出来た書店は、カフェスペースも併設されていて、とても居心地が良いそうです。今度一度行ってみようかな。

とはいえ、丸一日身体を動かさないでいると、それはそれで気持ちの悪いもの。夕方、気分転換にTVをつけるとBSでゴルフ番組をやっていたので、そうだ、夜は打ちっぱなしに行こうと思い、すかさず仲間のSちゃんにLINE。「行く?」「行くー!」の極めてシンプルなやり取りで、21時からスタートし、閉場する23時前までおしゃべりしながらのオッサン二人練習となりました。

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雨も上がり、気持ちの良い夜です。明日は良い天気になりますよね、きっと。

いつか行ってみたい場所を幾つか

誰でも、死ぬまでに一度は行ってみたい場所があるのではないでしょうか。

いつかウユニ塩湖で写真を撮りたい、いつかモナコでF1観戦がしたい、いつかエロマンガ島でエロマンガを読みたい・・・

僕は死ぬまでに行ってみたい場所が二つあり、一つはシングルモルトの聖地、アイラ島の蒸留所(アードベックやラフロイグ)でピートの香りを嗅ぐこと、そしてもう一つは、カミノ・デ・サンチアーゴとして知られる、フランスからピレネーを超えてスペインのサンチアゴ・デ・コンポステーラまでの道のりを歩くことです。

どちらも、きっと何もない場所だろうということは想像がつきます。アイラ島は、きっと蒸留所しかないし、カミノ・デ・サンチアーゴは世界遺産を構成する古い町々をたくさん通るものの、町から町への田舎道はきっと何もないに違いありません。でも、僕はアイラ島とカミノ・デ・サンチアーゴの両方とも、本で読んで憧れが強く、実際に行くと何もないところなんだろうなと思いつつも、何かそういう場所がある方が人生を生きていく上での目標にもなるだろうと思い、イメージの中で大切にしています。

こちらがアイラ島。スコットランドにある島です。

地図

今はネットで検索すれば、いくらでも写真を見ることができますし、口コミの情報を簡単に入手することもできます。先日リニューアルした「kicmil.jp」もその一つ。特集記事もあり、旅に関する最新情報は何でも入手できます。読んでいるだけで旅に出たくなるサイトですね。

ちなみに、エロマンガ島ですが、Google Mapsでは「イロマンゴ島」と表示されてしまっていて、かつての栄光が霞んでしまっているのが残念です。

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根拠はないが真実を突いた言葉

40歳という年齢は人生の中で大きなターニングポイント、例えば「折り返し地点」や「不惑」などな言葉で表されているように・・・であることには間違いなさそうですが、自分が思うほど複雑でも知的なものでもなさそうです。

というのも、何気なく聞く無邪気な言葉の一つ一つに、「ああ、これは真実かもしれないな」と何周か回って納得することが多いからです。

例えば、今日。少し喉が痛いな、風邪気味かな、と呟いた言葉を迅速に拾ったSE君がすかさず言った、

「ロシア人はウォッカを飲んで風邪を治すそうですよ」

この言葉を鵜呑みにし、ああ、だから僕は風邪やインフルにも掛かっていないんだ、これが本当の「アルコール消毒」か、と心底納得したりするのです。そこに医学的な根拠があるかないかは分かりませんが。

こういう「根拠はないけれど、なんだか真実を突いたような言葉」というのは記憶の底に残っているもので、もう10年くらい前の話ですが、

『ジェームズ・ブラウンの「ウェ〜」というシャウトと謎のステップを再現できるのは、大阪や尼崎の下町のおっさんしかいない。何かの拍子に「うぇ〜」や「か〜っ」とやるのは、ソウルミュージックと同じだ。底流に流れているのは同じソウルなんだ』

JB御大のライブ映像を一緒に見ながら、先輩の経営者が言い放ったこの言葉も然りで、よくよく考えると全く意味不明なのですが、妙に納得できたりする言葉は、実はよくよく考えなくても良いものなのかもしれません。

これぞ、Don’t Feel, Think.の世界なんでしょうね。

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