水中翼船というものがあります。
水中翼船とは、文字通り、水中に翼(Hydrofoil)を登載している船のことです。例えば、島と島を結ぶ高速船や、トライマラン、モス級と呼ばれる高速ヨットなどがそうです。見ていると、海面から浮いているようで、それはあたかも風を羽いっぱいにうけて飛ぶ鳥のようです。
なぜこのような構造にしているかというと、水の抵抗を極力抑えるためなのです。水中の翼で浮力を得て(飛行機と良く似ていますね)船体を浮かせ、接水面を極力少なくすることで効率的に速く進むことができます。いかに速く進むか。ヨットの場合は帆に受ける風をどれだけ効率的に推進力に変えるか。それを徹底的に追求した結果このような構造の船が生まれたんでしょうね。(構造に興味がある方は色々調べてみると面白いですよ)
帰りの電車で、世界最速のヨットやトライマランの水中翼船の写真をiPhoneで眺めていると、「大地にしっかりと根を下ろす大木」って全くの対極にあるよな、と思いました。地上に見えているものよりも、地中の根の方がはるかに生え広がっています。風雨に負けず、何があっても動じない。それはまさに水中翼船とは対極にあるもののように思います。
人生やビジネスも良く似ていて、風や波に上手く乗れば一気に加速することもあるし、跳ねることもあるでしょう。でも一方で、大木のように変わらぬ信念も大切です。何があっても動じない信念と決意。正反対のように見えるものですが、結局両方とも大切。芯がなければいけないし、芯にこだわりすぎても風をキャッチできない。抵抗を極力少なくして軽やかに進まなければならない。
色々あるけれど、結局全部なんです。