向き合う


お借りしていた本を読了。
さだまさしさんの「アントキノイノチ」。
遺品整理業者で実在する「Keepers」という会社が
モデルなっている小説。
あの時の命と向きあう仕事。
亡き人を助けに行く仕事。
主人公が仕事を通じて、職場の社長や先輩、仕事の依頼主、
居酒屋でバイトするヒロインと交流していく内に、
辛い経験で傷ついた心の病に向い合っていくという話。
人の人生は人の数だけあり、
その裏側には見えないドラマがある。
辛さも喜びも怒りも楽しみも。
命や生に対して向き合うということは
時として重た過ぎたり、辛いこともあるけれど、
それを正面から受け止めたときに
人間としての振れ幅、奥行きが出てくるのかもしれない。
すごく良い小説だった。
貸してくださったJ子さんに感謝。
今週の金曜日はこれを返しに、
苦楽園のBARNSに行こう。

いつも移動中や帰宅後の深夜には
iPhoneアプリで英語の勉強したり
ビジネス書読んだりしていたので、
小説を読むのは久しぶり。
ビジネスや勉強と違い、
小説は自然体でストレスなく読めていい。
心にビタミンが行き渡るような感覚。
文章から情景をイメージし、自身の経験や考えと
主人公とを照らし合わせながら
静かに時を重ねていく感じがとても新鮮。
特に仕事が立て込んでいる時など、
オンタイムのジェットコースターのような時間の流れと、
深夜のゆったりとした穏やかな時間との緩急が
とても心地いい。
時計の針の音がカチカチ聞こえるような静けさも。
iPhoneから少し離れて、
しばらく本と向きあってみようかな。
自信の内奥を深堀してみたい時期でもあるし。