クローズドな場とオープンな場

たまたまですが、先週末の二日間、両極端ともいえる新旧の文化に触れ、そのコントラストが非常にはっきりしていて心に残ったのでブログに書いてみます。

その新旧というのは、レガシーでクローズドな会員制クラブと、若くてオープンなビジネス・コミュニティです。重要な物事やビジネスの意思決定がなされていたクローズドな会員制の社交場と、SNSを駆使してオープンに仲間を集め、コトを動かすコミュニティ、その両極端ともいえる場所に、前者は土曜日、後者は日曜日に訪れました。

土曜日に訪れたのは兵庫県の鳴尾ゴルフ倶楽部。
元々あった場所から移転してきたとはいえ、このコースは開場103年(大正9年)と古く、日本最古のゴルフ場である神戸ゴルフ倶楽部(明治36年開場)、廣野ゴルフ倶楽部(昭和7年開場、世界のゴルフ場ランキング39位にランクイン)と並んで「御三家」と言われる名門ゴルフクラブです。

もちろん誰でもラウンドできるわけではなく、今回機会をいただいたのは自分が所属している千刈カンツリー倶楽部との連携があったからです。神戸ゴルフ倶楽部も一度ラウンドさせていただきましたが、今もクラブハウス内にはバーカウンターが残り、ここで会員同士がラウンド後に親睦を深めていたという歴史がありました。鳴尾も同じような雰囲気です。

様々な業界のキーパーソンがこのような社交場の会員に名を連ね、大きな仕事や政策を動かす場にしていたのでしょう。今でもゴルフ場で重要な意思決定が行われているというのは普通にある話ですし、そこまで大げさな話じゃなくても、僕自身もラウンド中に同伴者の方々から、ニュースの裏側に有るような話や、SNSでは絶対に流れてこないような話をお聞きすることがよくあります。

今は以前よりハードルも低く、カジュアルになったのかもしれませんが、他クラブとの交流戦などもよく行われているようですし、会員同士で仕事も繋がっているのでしょう。こういうところって、「誰々の紹介」というのがパスポートになります。

雰囲気のあるクラブハウス。

さて、そのような会員制社交場を堪能した翌日、若手の女性起業家によるビジネスコンテストのファイナルにご招待いただき、代官山に行きました。

300名以上の応募の中からファイナルに残った10名(上は26歳、下は現役大学生)の女性たちのプレゼンを投資家サイドで聴いていると、昨日のクローズドなコミュニティとは真逆の、オープンでカジュアルでイノベーティブな雰囲気を感じることができました。

彼女たちは当たり前のようにInstagramで自ら情報発信をし、ビジネスアイデアをこのようなイベントでプレゼンすることによって支援者や投資家、協業先にPRします。したいこととビジネスのつなぎ込みが上手で、息をするように資料を上手に作り、プレゼンをする。

何より、ビジネス・アイデアの内容が現代の社会課題を解決するものが多く、(儲かる儲からないは別にして)若者ならではの発想と観点で、自分には出ないなと感心しきりでした。前者とは比べ物にないくらい、オープンな場です。

重厚長大な歴史のあるものもあれば、オープンでライトなものもある。
自分はこれらの両方を行き来できているので、ありがたいなと思っています。

どちらからも刺激を受けているし、自分ものんびりしていないで、まだまだがんばらないと、と思うのでした。