後になって分かることがある(旅先での出会いから)

愛媛県に行ってきました。
服部足祭りとの御縁をいただいた、大洲市にある少彦名神社への御礼参りです。

大阪府豊中市にある服部天神宮と大洲市にある少彦名神社は、ともに「少彦名命(スクナヒコナノミコト)」を御祭神としています。大国主命とともに日本の国造りに奔走された方で、医薬や温泉の神様として崇敬を集めています。大洲の少彦名神社の参籠殿の斜面に薬草がたくさん植えられているのもそういう理由からなのでしょう。

参籠殿の前に、二頭のビーグル犬を連れた男性がいました。

こんにちは、と声を掛けて保護犬だという子犬を撫でさせてもらいながら話を聞くと、元は三重県鈴鹿市のご出身で、四国のお遍路参りをしている時に地元の方と知り合い、何度か足を運ぶうちに、こっちに住めと言われて愛媛に移住されたとのことでした。

西予に樽の滝というのがあってね、そこがいいんですよ
水量が多い時は滝壺の裏側から滝を裏見することができるんです
観音様もいらっしゃるんですよ


次回来られた時にはぜひ、と教えていただきました。
表情も語り口調もとても穏やかな方で、ああ、この人は満たされているんだなと思いながら話を聞いていました。

直感的にですが、樽の滝にいけ、と言われている気がしました。

思い返せば、2021年の秋にたまたま訪れた少彦名神社で、なにかに導かれるように拝殿の裏手の崩れた階段を滑りながら登り、なぜか一時間以上も掛けて獣道のような山道を藪漕ぎしながら山頂の小さな祠にたどり着いた時は、なぜここに来たのだろう、と理由が分からなかったのですが、その半年後に服部足祭りの立ち上げのお話をいただき、2022年のプレ開催、そして2023年に二日間で1万人を集めた第一回を経て、今に至ります。(今年も10/5、6に第二回足祭りを開催します)

少彦名命の御縁なのかな、お前にできることがあるだろう、やれ、と言われたのかな。今はそのように、勝手に解釈、理解をしています。今年のお祭りの成功も祈願してきました。

樽の滝か・・・

また次の宿題をいただいた思いです。これがどんな御縁につながるのか、今は分かりませんが、この先なにかに繋がるかもしれませんね。

未来に何が起こるかなんて誰にも予測ができません。

2021年といえば、コロナ禍の真っ只中。長い闘病生活の末、1月に母が亡くなり、それもあって自分自身の人生を見つめ直し、会社を退職して独立の道を選んだのが1年後の2022年の3月でした。自分の中では大きな人生の転換点だったと思います。あれから3年。その時の決断や選択があったからこそ、今こうして自由に、幸せに、素敵な仲間やクライアントに恵まれて仕事をさせていただいているのです。

先のことなんて全然分からないけれど、日々を丁寧に謙虚に。生かされていることに感謝し、自分がお役に立てることがあれば喜んでさせていただき、大切にすべきことを大切にし、あるべき姿をぶらさずに追求する。

その積み重ねだけなのかなと思っています。

それにしても、旅先での人との出会いって素敵ですね。

下灘駅近くのお店の方々もとても親切だったし、久万高原のパンも美味しかったし、AIを学ぶ学生との交流も楽しかった。また折に触れて書き残しておきたいと思います。

旬のもの

食べるものに気を使うようになりました。
 
できるだけ添加物の入っていないもの、発酵食品、玄米、旬のものを食べるようにしています。自分の意志とは裏腹に身体は弱り、体力も低下しているので食そのものが細くなっているのですが、そのことを逆手に取り、量が必要ないのなら、良いものを少量いただこうというモチベーションが働きます。

先日、マクロビオティックの先生のご自宅に呼んでいただき、ヘルシーで美味しいランチをご馳走になりました。

旬の食材をふんだんに使い、日本古来の麹や大豆などの食材で、身体が喜ぶものばかり。
 
季節ごとに取れるものを「旬の食材」というわけですが、その時期に収穫できることには意味があるのですよね。温めたり冷やしたり、季節ごとに身体に必要な栄養素というものがあり、旬の食材はそれらを満たしてくれます。今は筍と山菜が美味しいですね。

一つひとつを吟味しながら食材を選ぶことで、自分の身体と丁寧に向き合うことができますし、生活も豊かになるんだなと実感しています。今まで当たり前に出来ていたことができなくなり、手放すものが増えてきた代わりに、同じかそれ以上、得られるものもある。自分なりに新しい楽しみもたくさん見つけ、出会いもある。

それがとても幸せなのです。

春は花の季節。
我が家の庭も春爛漫で、今はツツジが満開です。モッコウバラも咲き始め、梅の実も少しづつ大きくなり始めました。自然の中で、毎日生かされていることに感謝です。

こうして、移ろう季節を楽しみながら、何事にも感謝

旅で出会った素敵な言葉たち

和歌山から奈良にかけて、一泊二日、六社一寺を巡りました。良い天気に恵まれ、どこに行っても気持ちの良い風と水、空気に触れ、心身共にリフレッシュできたと思います。

和歌山の鹽竈神社に、「和合の松」というものがありました。

和歌の浦特有の、波と風で侵食された岩盤と松の木が一体化したもので、どこから木でどこから岩か分からないくらい、融合、和合しているのです。

「和合」の言葉の意味について、Weblioやコトバンクを見てみると、

二つ以上のものが結合し、とけあうこと
仲よくなること、親しみ合うこと

とあります。

異質もの同士が交わり合い、融合する。排除、忌避とは正反対の概念です。実は今回の神社巡りで「和合」という言葉にふれる機会がたくさんありました。

丹生川上神社下社では、宮司さんから素敵なお話を聞くことができました。

八百万の神。白でも黒でもなく、全部「白」。まずは別け隔てなく受け入れるのが元来の日本の精神。

西洋一神教のように神か悪魔か、こちら側か向こう側か、敵か味方かではなく、受け入れ、和合する。恐らくこのような概念と歴史を持ち合わせている国は日本だけなのでしょう。

ところが、人間の歴史は戦争の歴史と言ってもいいくらい、いつの時代も戦争が起こり、今でも戦争はなくならず、弱い人々が犠牲になり、辛い思いをしている。文明や技術がいくら発達、進歩しても(いや、発達しているのか?)何も変わらない。平和とは程遠い。

グローバリゼーションは「新しい植民地主義」と言われるとおり、弱い国は様々な制限がなされ、自分たちで自分たちを養えるような農作物を作ることすら許されず、自給自足とは程遠い生活を余儀なくされています。今の日本なんて食料に関しては危機的状況でしょう?

考えれば考えるほど絶望するし、しんどくなりますよね。でも、神社巡りをすることで、絶望が希望に変わるんです。

そこには、本来のあるべき姿が残っているし、自然を敬い、命を大切にし、大切すべきものを守り、毎日感謝するという、当たり前のことを再確認できます。本来あるべき姿に戻れば、幸せに暮らせる。

人と比べたり、優劣をつけたり、競ったり、価値観を押し付けたり、否定したりするのではなく、全部「白」。かまへん、かまへん、全部まるっとオッケーでっせー、の精神で生きていければ、物があってもなくても幸せですよね。

今回巡った神社仏閣は以下のとおりです

【和歌山県】
日前神宮・國懸神宮
玉津島神社
鹽竈神社
丹生都比売神社

【奈良県】
龍泉寺
天河大弁財天社
丹生川上神社下社

素敵な出会いに感謝です。弥栄。

Instagramのアカウントの方では「神社巡り紀行」と称して、写真をアップしています。
是非ご覧ください。

丹生都比売神社の花盛祭
龍泉寺 龍の口
丹生川上神社 下社

数百年後の歴史家は、20〜21世紀を何時代と名付けるのだろう

関東から雨の神戸へ帰ってきました。
行きも帰りも、新幹線は外国人でいっぱい。グリーンなんて6割〜7割が外国人(白人多め)で、空席も少なめ。みんな大きなキャリケースを引っ張って移動しています。僕のようなビジネス客なんて少ないんじゃないかな。あえて混み合う朝夜は避けて、真っ昼間に乗っている、というのもあるのでしょうけど。

月に一、二度は関東出張に行っていますが、ここまで外国人が多いのも珍しい。なんでだろうと考えてたのですが、答えが分かりました。桜ですね。

ちょうど3月の終わりから4月にかけて、日本全国桜の花が咲き誇ります。日本特有のシンボリックな風景というのはいくつかあると思いますが、やはり満開の桜が一番「日本らしい」のかもしれません。桜を見ていて思うのですが、地域によっても開花度合いに差があるし、木そのものにも個体差がある。宿泊していた神奈川のホテル近くの桜はほぼ満開でしたが、打ち合わせに帰ってきた新神戸駅の桜はまだ2,3分咲きという感じでした。

さて、この時期はどこに行ってもフレッシュなスーツに身を包んだ新入社員を見かけます。

よく昭和世代、バブル世代、不景気世代、ゆとり世代、最近ではZ世代など、◯◯世代という分け方をされますが、たかだか数十年の時間軸で世代分けされていたら、日本史の年表は線だらけになるでしょう。たまに考えるのですが、数百年後から振り返った20世紀や21世紀は歴史家にとって、どんな分類をされるのでしょうかね。何時代と言われるのでしょうか。工業化時代、世界戦争時代、人口爆発時代、環境汚染時代、温暖化時代、AI時代・・・色々考えると面白いですね。

話は元に戻りますが、長い時間軸からみた今この瞬間は、老いも若きもなく、皆おなじ世代の人間です。たしかに文化風習、言葉、流行などに違いはあれど、大して変わりません。◯◯ガチャという言葉もありますが、今も昔も同じだろうと思うのです。戦争を経験している親戚のおじいさんから、「軍隊はなあ、運(うん)隊と呼ばれてたんやで。配属される部隊によっては天国か地獄。まさに運任せや」と、子供の頃に聞いたことがあります。今でいう配属ガチャですよね。

なんの因果かその時代に生まれ、同じ世代の人間と一緒に育っていく。世代間ギャップなんてあってないようなもの。いつの時代も学ぶこと、努力することは必要だし、昨日よりも今日、今日よりも明日を少しでも良くすべく、今できることをがんばって精一杯生きることだけです。こうやればうまくいくという答えもないので、自分で色々と模索しながら探して行きましょう。

4月に入りました。
これからますます良い季節になりますね。今週末が桜の見頃でしょうか。楽しみです。
 

雨の神戸三宮