【時の移ろい】庭の門を撤去しました

自宅の庭には古風な門があるのですが、これが徐々に傾いてきまして。今年も猛暑の影響で台風が大型化するという見通しもあり、倒壊する前に撤去することに決めました。

この門と石垣は、大正から昭和初期にかけて、この辺り一帯が苦楽園ラジウム温泉という温泉地であったことの名残です。当時は大変賑わっており、著名人もたくさん来訪したということですが、昭和13年の阪神大水害で打撃を受けたこと、水脈が変わって温泉が枯れた(と聞いています)ことによって、その後は衰退し、住宅街として生まれ変わって今に至ります。

参考:
苦楽園の歴史(神戸っ子アーカイブ)
苦楽園の温泉の起源と終焉(西宮市)

僕が子供の頃の実家はこのように、ザ・旅館という日本家屋でした。

自分も生まれ育ったこの木造建屋は阪神大震災で一部損壊し、建て替えることになるのですが、門や庭はそのまま残っています。

先日、門の前で梅の実を収穫していると、一人の男性が地図を片手に近づいてこられ「ここは、旧○○旅館の跡地ですか?」と尋ねられました。ちょうど叔母も一緒に作業していたので、叔母が子供の頃に聞いた話などをその男性にされると、とても満足され、門や庭の写真を撮っていかれました。どうやら趣味で郷土史を研究しておられるようで、その方には興味深いものだったのでしょう。

僕の曽祖父が、戦後、この土地と建物を気に入り、大阪から移住してきたのですが、この門は当然戦前からあったものと推測され、さすがに特の流れには勝てず、老朽化してしまいました。いつもお世話になっている業者さんにお願いし、一抹の寂しさを抱えながら、その作業を見守りました。

作業半日で完了。
あっという間に門は撤去され、広い間口が残されました。さあ、ここを今度はどうしよう。

ついでに庭木の剪定もお願いしました。

曽祖父から引き継いでいるこの土地ですが、時代も変わり、今となってはご先祖のように裕福ではないので(笑)、庭のメンテナンスや固定資産税に毎年、膨大なコストが掛かるものをどう維持していくかが自分の中での大きなテーマです。

今現在、お金持ちの皆さん。
大きな土地を買い、豪邸を建てるのは大いに結構ですが、子や孫にどう相続させていくか、ぜひ、維持費なども考えて残していっていただけたらと思います。(どんなアドバイス笑)