世界を広げるというのは人脈を広げるのではなく、関心の対象を広げるということ

良い天気が続いていますが、ちょっと気温が高過ぎますよね。
昨日は久しぶりにランニングチームの練習会で中之島から大阪城を走りましたが、暑さでやられてしまいました。もうちょっと涼しくなってほしいなあ。

でも、空はちゃんと秋空なんですよ。
美しい空。

昨日考えていたことをツラツラと。
自分の世界を広げよう、見ている世界を広げよう、とこのブログでも何年も前からことあるごとに書いてきたのですが、これ、人脈を広げようとか交友関係を広げようということとは少し違うのです。

言いたいのは「関心の対象」を広げようということなんですね。

点で見るのではなく、その先の枝葉を見る。木を見るのではなく、森を見る。たとえば、岸田ショックなんて言われていますが、株価が下落したのはなぜなのかと、「なぜ」を考えて、調べてみる。「ああ、下がっちゃった」だけではだめなんです。そこから先に関心を向けて調べてみる。株の変動が「金利上昇」と「企業業績」に基づくのはなぜなのか、ブランドイメージやイノベーションであまり変動しないのはなぜなのかと考えて調べてみる。なぜ金利が上昇しているのか、その要因を調べてみる。金利の上昇がインフレ懸念であるなら、インフレリスクと金利の関係を調べてみる。日本が貧しくなっているのはデフレ局面からスタグフレーションに移行しつつあり、これが相当ヤバいということが分かるようになる。そうすることで全体の大きな流れを把握することができます。

技術でもそう。先日マイカー乗り換えのタイミングでコネクテッドカーとはなんぞやということを簡単に書きましたけれど、表に現れる車の機能の裏側にはどのような技術が使われているか、どのような部品が必要か、どのようなリスクがあるか、このあたりにまで関心事を広げて調べて見る必要がある。そうすると、昨今の半導体不足や、中古車市場の値上がりの要因、今後必要とされる技術のイメージまで予測することができるのです。

点だけで見て物事を理解した気になり判断するとロクがことがありません。関心事の範囲が狭い経営は、目先だけしか見ない経営と同意義です。仕事でいうと日雇い労働と同じ。目先一年先までは仕事をもらえて食えるかもしれないが、ちょっと身体を壊したり、市況が悪くなると一瞬で食えなくなります。数年先なんてどうなっているか全然分からない。まあ大丈夫だろう、ではダメなんですよ。もし自分の会社がそういう「目先経営」(問題先送り、長期的利益ではなく目先の利益を追う、コアビジネスがない、明確なビジョンがない、数値目標が3年以上未達成、お客様第一など、誰でも言えるようなふんわりした理念を掲げている)の色が濃いとしたら、一刻も早く逃げた方が良いです。マジで。ちなみに「目先経営」と「ピボット」はリンクしません。

ちょっと企業レベルの話になりましたが、経営者はもちろん関心事を広げることは当たり前ですし、経営者でなくても個人レベルで関心事を広げることは自らのスキルアップのための必須事項です。狭い世界で目先だけを考えることのリスクは計り知れません。

これを習慣づけると、結果としてビジネスで必須とされる「抽象化能力」が身につくし(2021年3月23日「本質を見極めることと、抽象化能力の関係について」参照)、必要な情報を入手するため、あるいは学ぶために様々な勉強会やセミナーに参加するようになるので交友関係(人脈)も広がります。

というわけで、関心の対象を広げること。事象を深堀りすること。
特に若い方はぜひ意識してみてください。