明確かつ明快なメッセージの元に人は集まる

今日のゴルフ帰り、以前からゴルフ仲間の中で話題(というより、推し)になっていたラーメン屋さんに一人で立ち寄りました。そこはラーメンといより中華そば専門店。食べログ評価3.55で、近傍のラーメン店の中でも際立つ存在です。

メニューは、中華そば、塩中華そば、魚介中華そば、チャーハン、ご飯。トッピングは味玉とチャーシューのみ。派手な看板もなく、シンプルな店内にはカウンター10席。余分なものは削ぎ落とし「うちは中華そば一本で勝負します」というメッセージが感じられます。15時前だから空いているかなと思っていたら、3人ほど待ちが。自分の後にも次々とお客さんが入ってきました。

15分ほど待って、ようやくカウンター席が空きました。僕がオーダーしたのは、中華そばと半チャーハンのセット。セットメニューはこれだけです。

出てきたのは、昔なつかしの中華そば。チャーシュー、ネギ、メンマ、ナルト(ナルト!) れんげでスープを一口。旨い。麺も普通の麺なのに、旨い。もうこのお店はこのスープだけで勝負しているのでしょうね。

シンプルだからこそ、いい。
そこには奇をてらうわけでも、流行に流されるでもない、正真正銘の「中華そば」のみを提供したいというメッセージが込められているように感じました。

このラーメン店のように、明確かつ明快なメッセージの元に人は集まるのでしょう。

どういうことかというと、この店の場合は、

「中華そば一本で勝負します」=明確(はっきりしていて確実)
「だしにこだわっています」=明快(はっきりしていて分かりやすい)

これが、明確かつ明快なメッセージであり、それを実際に食した人は「ああ、確かにそうだ」と納得するのです。仮に万人受けはしなかったとしても、本物のファンがつく。

この要素、政治の世界でも、ビジネスの世界でもとても重要だと思うのです。

最近の総裁選ニュースを見ていると、政策、話し方、質問の受け答えに各候補者の特徴が出ています。何を言っているのか良く分からない人もいるし、真意が見えない人もいるし、だましだまし、逃げ道をつくりながら話す人がいる一方、「明確かつ明快なメッセージ」をぶれずに発する候補者もいます。

企業経営でも同じ。トップ・マネジメントがどれだけ明確で明快でぶれないメッセージを発することができるかにより、その会社は成長もすれば衰退もします。どっちに転んでも大丈夫なように、逃げ道を作りながら話す経営者に社員はついて行きたいと思うでしょうか。

情報が価値を生む時代、日和見でもなく、逃げ道を作りながら、どちらとも取れる曖昧な話し方をするのでもなく、話す人によって意見を変えるのでもない、ぶれないメッセージが、特にこの混沌とした時代に暗闇を照らす一筋の光のように輝きます。