業務用スマートグラス


Wired.jpの記事で、新バージョンのGoogle Glassは業務用であるとの観測記事が出ていて、そりゃそうだよなと思いつつ読みました。

Google Glass「復活」の舞台は、工場や医療現場(wired.jp)

工場、医療現場では手作業がほとんどなので、両手が自由になるというのは大きなメリットです。今後、工事現場や警備といった分野でも広がっていきそうですね。そういった意味で、スマートグラスはパーソナルユースよりも、エンタープライズユースの方が親和性が高く、導入イメージもしやすいというのは当然の流れではないかと思います。しかしこの分野では、既に大手メーカーの工場向けに、富士通やNEC、ブラザー工業などがヘッドマウントディスプレイを続々と発売していて、熟練技術者の手元の動きを見ながら作業が出来るようにしたり、製品についたバーコードを自動的に読み取って、仕向地や仕様、進捗などを確認できたりするようなことが始まりつつあり、この分野でもシェア争いが激化しそうですね。

しかしここでも面白いのは、Google Glassは当然、多岐に渡るGoogleのサービス(Apps、Gmail、検索等)をベースにしている点に対し、エンタープライズ向けの各製品は、セキュリティ的にも閉じられた企業内ネットワークのクローズドな環境で使用することに特化している点です。特に国内は、ノウハウやデータは絶対に外に出さない!が根強く、今後この差がどのような形で出てくるのか楽しみです。


さて、こちらは昨日の飲み会でいただいた物たち。
相変わらず、天満は安旨で最高ですね。

分かりにくいことを分かりやすく


伊丹空港から更新です。

前まで2階にあったラウンジオーサカが、滑走路に面した3階に移転して以前に比べ眺望がとても良くなりました。ビジネスクラスのように一定方向に並んだ一人席からは滑走路がきれいに見えます。

今日も暑くなりそうです。


未来のものづくりはどのようになるのか。

「Industry4.0」や、「ものづくりのIOT」と言われているこの時代、すでに大手メーカーのR&Dではプロトタイプを大型3Dプリンタとダイレクト加飾機で製造しています。また、工場ではウェアラブルグラスが導入され、熟練技術者の作業フローを見ながら作業が出来、指示や設備のアラートも眼前のスクリーンに映し出されています。これは未来の話ではなく、今すでに起こっていることです。これらを分かりやすく、イメージしやすく映像化することが今回の出張ミッションです。


同じく「分かりやすいことを分かりやすく」という視点で、良記事に出会いました。

世界一の資産家レイ・ダリオ氏が解説する「30分でわかる経済の仕組み」(logmi)

レイ・ダリオ氏は知る人ぞ知る投資家、運用資産は15兆円以上といわれており、Forbesに載らない世界一の金持ちではないかと言われている人物です。その人物がマクロ経済を分かりやすく説明しています。経済学的には基本中の基本のことが書かれていいますが、クレジット(貸し付け)という表現で金利が変動する仕組み、中央銀行の役割、バブルがなぜ起こるのかなど分かりやすく解説されています。

僕個人としては、誰でも、経済の仕組み、税金、経理、決算書(B/S、P/L)に関する知識はあった方が良いと思っているので、是非、ご一読を。

IoT/IoE界隈のトピック


面白い記事に出会ったのでペタッとしておきます。少し長いですが、ここに書いてあることには同意。バズってナンボという内容ではなく、しっかりと書かれています。自社が保有するデータが「5O(ファイブオー)」を満たしているかどうか、または価値のあるデータとして勝負できるかどうか、どの企業も経営戦略マターとして分析する必要があるでしょう。

データは「通貨」だ–IoT/IoEで到来するデータエクスチェンジの時代

興味のある方は是非。


昨今、ドイツで産学官が連携して推し進めている「Industry4.0」。中身を見ればなんのその、日本の生産技術でも何年も前から導入している旧来の仕組みですが、学ぶべきは、「やってもやらなくても、キャッチーなコピーをぶち上げてブランディングする」という手法。

情報発信力では、本当に弱い日本企業。
やってもやらなくても、という点が、バカバカしく思えてもバカに出来ないのです。だって言ったもの勝ちですから。先の記事ではないですが、グラビティ(引力)をどこに生むかです。自己満足ではダメだし、巣篭もりな技術でもダメ。ブランディング面からストラテジーに落としこまないと、全部持って行かれてしまいます。そこにグラビティが生まれれば、自社で保有できない技術でも補えてしまうんですね。

記事とは直接関係ありませんが、こちらは米国某企業の物流ラインです。

WWDCに見る成熟した企業の姿


成熟という言葉の定義は色々あれど、文化的、哲学的、信念的に成熟した企業の姿を、Apple WWDCのレポートから見ることができました。ITmediaで林信行さんが書かれている記事(林先生のレポートは「Appleポエム」として有名ですが)、エバンジェリストならではの礼賛記事とはいえ今後時代をリードする企業の姿はこうなんだろうなと想像しながら、また、共感しながら読むことができたのでシェアしておきます。

Appleの新しい方向性――4つの発表と3つのトレンドを林信行が読み解く(ITmedia)

長い記事ですので、いくつかキーワードを抜粋させていただくと、

”経済合理性から逸脱した本気で新しい21世紀の文化を創造しようと取り組むのが最近のアップルに通底する姿勢だ。それはEarthdayに発表された環境への取り組みなどにも表れている。”

”同様の人間性を尊重した21世紀文化を築こうという姿勢は、プライバシーを徹底して保護する姿勢や、やりすぎずに無駄な手間だけを取り除いてくれるインテリジェンス、そして家族が集う「家」を進化させるホーム連携といった新たに築こうとしているトレンドにも相通じる部分がある。”

ビジョナリーカンパニーとして、短期的な利益を追求するあまりビッグデータの切り売りをするようなことはせず、むしろ「これからの時代はこうなるべき」という、デジタルだけどオーガニックで血が通った哲学を強調する姿勢にこれからの企業のあり方を垣間見た気がします。

(かくいう僕もApple信者なんでしょうね・・・苦笑)

地球を覆うってどんなだ


体調急降下の夜。

食欲もないのでご飯も食べず、PC開いて仕事を続けながら Radio Tunes で Mellow Jazz チャンネルを聴いているとなんだか気分が良くなって来ました。こんな時に思い出すのは夜間飛行。

この写真は先日サンディエゴからの夕方便でサンフランシスコに帰って来た時の機上からの夜景です。

空からの視点で思い出したのがこの記事。

全地球を小型衛星で覆ってインターネット僻地を皆無にするPlanet LabsがシリーズCで$118Mの巨額を調達(TechCrunch)

人工衛星で全地球を覆うってどんなだ。しかもシリーズCで巨額調達してるし。調達の規模感は日本のそれとは全然違うので大きいのか小さいのか、イマイチピンと来ませんが。それにしても発想が壮大です。

Facebookも成層圏に1000機の無人機を飛ばしてインターネット僻地をなくす「Aquila」プロジェクトをやっているし、ネットインフラの時代はもはや空中戦ですね。残りの50億人にインターネットを供給する。国家プロジェクトじゃなくて民間がやるのだからアメリカはスケールが大きいです。

本質思考


日々色んなシーンで疑問や違和感に直面することがありますが、その時点で既に「ダメ」なんだろうなと思うことが頻繁にあります。

なぜなら、ゴールが不明確で、やるべきことにフォーカスできておらず、していることが腹落ちしていないから違和感を感じるのであって、脇目もふらずに前だけを見て進むことが出来ていればそんな事を感じなくて済むからです。

またもっと悪いことに、そのようなモヤモヤがどこから来るのか、もしかするとそれを感じている自分がおかしいのではないか、間違っているのではないか・・・と考え直し、角度を変えて物事を見てみたりするけれど、やっぱり元の疑問や違和感に戻ってくるので、答えは同じ。なら最初からそれを解決するような行動に踏み切れば良いだけのこと。考えなおしたり、だましだまし結論先延ばしにするのって時間の無駄ですよね。

この記事の中で(元テスラのマネジャー上田北斗氏が、イーロン・マスクに学んだ「First principles thinking」とは【特集:New Order】)、teslaという会社は

“会社や組織の存在理由は何で、目標にたどり着くためのロードマップはどうなっていて、現時点でやらなければならないことは何か。この3セットがとても明確なので、皆、疑問を持つことなく前に進むんです。”

とあり、ああ、めちゃくちゃ良いなと感じました。強力なリーダーシップと企業文化だから、世界を変える真の意味でInnovativeなプロダクトが生み出せるんだな、と納得。「疑問を持つことなく前に進む」ってすごいことですよね。遠回りがないんですから。魔法のような会社ですね。

もう一つ学んだことは「First principles thinking」(物事の本質をゼロから考える)ということ。これは技術でもなんでもそうですけれど、本質を見極めた時に答えが出ることが良くあります。やっぱりそうだよな、本質思考。

迷ったり困ったりする前に、本質思考で行き先を明確に「見えないものを見ているかのように」見据えて進みたいものです。

時間と成果と報酬は必ずしもイコールではない


久しぶりに腹落ちする記事に出会ったのでご紹介。

「グーグルはなぜ新入社員に1800万円の給料を払うのか?」(BLOGOS)

記事のタイトルはいかにも今風な感じだけれど、書いている内容は納得。僕も産業構造の変化やアメリカで目にすることから、常日頃、頭の中でグルグルと考えている「なんだか違うよな、なんだろうなこの違和感」というようなことがスッキリ整理されている感じ。

もちろん記事全ての内容に同意という訳ではないけれど、「労働時間=成果=報酬」という高度経済成長期を支えた製造業に代表される仕組みでは、現代の知的労働やクリエイティブ活動は支えることが出来なくなって来ているということは事実だし、そこに違和感を感じる人間は、自分で起業するか日本に受け皿がなければ世界に目を向けるしかない。

この記事にあるように、一部の優秀層は「労働時間=成果=報酬」という旧態依然とした日本型の評価報酬制度を続ける企業ではなく、グローバルなリーディングカンパニーに吸収されていくので、良く言われるように日本からAppleやGoogleや出ないのもこれが原因かという感じ。

例えばある製品を一日に何台作らなければならない仕事であれば、ラインが「稼働している時間=成果」だし、サービス業であれば「営業時間=成果」でしょう。そうであるなら労働時間=給与になります。でもそういう仕事でなければ、そもそも労働時間と報酬が比例するのはおかしいんですね。

だんだんとそういう違和感が社会全体に生まれつつあるような気がします。日本も過渡期ですね。これから5年、10年後には働き方も変化しているかもしれない。逆に変化しなければ、社外、国外にどんどん優秀な人材が流出して差は開く一方という形になっていくでしょうね。弱肉強食は世の常だけれど、なんだか怖いなあ。搾取する側と搾取される側。少数の仕組みを作る側と圧倒的大多数の仕組みを利用する側。もちろん「それならそれでやってやるーおりゃー!」という情熱と気合いはとても素敵だし、弱肉強食は世の常だけど、僕は素直に・・・なんだか怖い。何も気にせず、ハリイカのお造り食べてたい。(笑)

あるニュースから Getty Center に思いを馳せる


石油王、J・ポール・ゲティ氏の孫が自宅で遺体として見つかったとのニュースを見て、昨年、親友に連れて行ってもらったロサンゼルスのゲティ・センターのことを思い出しました。

ゲティ氏の私財で作られたこの美術館(ゲティ・センターの一施設)はパシフィック・パリセーズの高台にあって、マリブやベルエアの高級住宅街、ビバリーヒルズ、そしてLAのダウンタウンまで広く見渡せて最高に気持ちの良い場所でした。

そして建物もとてもきれい。

訪問レポートについては、昨年6月29日の記事で写真入りで詳しく書いています。

仕事でロスに行くことは少ないのですが、ここはまた必ず行きたい場所。

今は特に仕事が忙しいので、少し現実逃避気味な願望です。

真面目に働く人が報われるという健全性


早稲田ファイナンス総研の野口さんの記事に至極納得。
バブル崩壊25年:アベノミクスに迫る危機 教訓忘れた日本人(毎日新聞)

僕はバブルを経験している世代ではないので、経験者の話を聞いて「すごいなー」と思うくらいのものですが、今の19,000円台の日経平均は確かに「なんで?」と思うくらいの水準です。バブルのようなイメージは確かにありますよね。企業は儲かっているかもしれないけれど、その恩恵が国民に届いているとは到底思えないし、一生懸命働いても豊かさを実感できるどころか、増税の影響でなんだかしんどいなあと思っている人が大半ではないでしょうか。

経済力=企業価値という風に考えるのであれば、革新的な製品やサービスが次々と生まれる米国に比べ、日本からはそういった企業が生まれていないのにも関わらずです。量的緩和による円安に支えられている株価であれば、それこそ「虚像」です(そういえば、上場後いきなり下方修正して上場ゴールと大批判されてる連日ストップ安のgumiを思い浮かべてしまいますが・・・笑)。

それでも、この流れと「金が金を生む」という資本形成の真髄に乗っかって富を倍増させている人がいるのもまた事実で、なんだかどうなんだろうと思ってしまいますよね。「健全」をどう定義するかは別にして、やっぱり一生懸命働く人々が報われるような世の中が健全だと思ってしまいます。

今日はそんな金曜日。
まだもう少し仕事です。

こちらは先日、打ち合わせに向かう車窓から見た須磨の海。淡路島もくっきりで、やっぱり西に向かう時はこの景色を見るのが楽しみです。

雨の日のチャリはツラい


梅田界隈の移動には自転車(社有)を使うことが多いのですが、今日の午後のように、天気予報で15時から雨、打ち合わせは14時から開始という、非常に微妙なタイミングでは、バッグに折りたたみ傘を(一応)忍ばせ、降らないこと、降り始めのタイミングがずれること、もしくは降り始める前にMTGが終わること・・・つまり「自分が外にいる間に雨が降らないこと」を祈りながらチャリを走らせることになります。

だって、チャリが便利なんだもん。

しかし・・・MTGは長引き、天気予報もドンピシャで当たった客先からの帰り、出番を望まなかった折りたたみ傘は仕方なくオンステージすることになり、片手でチャリを漕ぐという結末にならざるを得ませんでした。時に昨今の天気予報の精度の高さを恨むことがあります。なんだかなー。


いつの時代も人は動く。
つまり交通や交通手段はなくなりません。

その証拠に、またサンフランシスコでトランジットスタートアップが出て来たようで、紹介しておきます。

Andreessen Horowitz-Backed Leap Buses Are Hitting San Francisco’s Streets This Week (techcrunch)

まあ、ウメグルのような循環バスなのですが、古いバスを改良して天然ガスを燃料として通勤ラッシュ時のみ運行、豪華なインテリアとWi-Fi完備、ラップトップで作業するためのUSBポートとバーのようなカウンターを装備しています。

乗って移動するだけなら、他のバスも一緒。
タクシーやUberよりも安く、なおかつ人々のニーズに応えた「快適空間」を実装した点が差別化のポイントですね。Y-Combinatorに対抗して、Andreessen HorowitzやSalesforceのマーク・ベニオフから出資を受けている点も興味深いです。なんだか、SF発の交通系スタートアップの群雄割拠を見ていると面白いですね。