[決める、実行する、評価する]決めるが多い週

今週も出会いと学びに溢れた一週間でした。

特にプロジェクト会議が多かったように思います。すごく単純なのですが、業務フローを「決める、実行する、評価する」に分解すると、「決める」が多い週でした。決め方にも色々あって、リーンキャンバスを使ったり、モックを作ったり、ブレストしながらホワイトボードに描いてみたり、飲みながら話したり。

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昨夜は米国からビジネスパートナーが来日し、会議の後に食事をしながら話をしていたのですが、コンピューターサイエンティストでありながら「技術力よりもホスピタリティ、サポート、信頼関係」を口酸っぱく強調する姿が印象的でした。

技術を持っていても信頼できない人はいる。逆に信頼関係がある人は、その技術も信頼できる。未来のテクニカルサポートのあり方についての青写真も興味深かったです。来週はこのチームとシリコンバレーでミーティングを行います。物事がどんどん進んで行きます。

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普通の日が戻ってきた

開発合宿も終わり、今日は普通の日でした。

普通の日というのもおかしな表現で、大体が普通の日ではあるのですが、色々とマルチに動いていると今日がいったい何日で何曜日で、いつ誰と会い、何を話すのか、話したのかを忘れてしまうことがあります。今日も様々なプロジェクトの会議がありました。毛色の違う案件でいろんな人と会いました。明日もアメリカから来客があります。そして僕は夜、ボーッとした頭を無理やり起こしてなんとか整理しようと努めています。

だから週に一度くらいはオフィスで落ち着いてタスクをこなさなければならない日を作るのですが、そういう日が僕にとって「普通の日」になります。この落ち着いた日にあれこれを一気に片付けなければ、普通じゃない日に大変な思いをしてしまいます。ちょっと落ち着いて深呼吸。

話題は代わりますが、阪急梅田駅の通称「ビッグマン前」に新型NSXが展示されています。このモデル、確か価格は2300万くらいと書かれていたような気がしますが、すごいですね。かっこいいですね。日本が誇る最強スーパーカーです。うーん、すごい。としか言いようがない。笑

前から
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横から
「Power of Dreams」のコピーが光ります。
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後ろから
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[鳥人間コンテスト2016]夢の先まで、飛んで行け。

毎年楽しみにしている夏の恒例行事「鳥人間コンテスト」が今夜放送されました。もちろん皆さん見てますよね?

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「夢の先まで、飛んで行け。」

帰宅途上の大阪駅にはでかでかと番宣の広告が掲示されていて、否が応でも気分が上がります。なんてロマンチックなコピーなんだ(心酔)

僕の趣味嗜好を良く知る友人が昨夜「明日の夜に鳥人間コンテストが放送されるみたいだよー」と前日にリマインドメールをしてくれたのもあり(感謝!)、今年もちゃんと録画してしっかりと視聴することができました。

最近は飛行機の形状もほぼ固まりつつあり、その時の琵琶湖の風向きとパイロットのコンディション、体力で勝負がつくようなイメージになっています。昔はテイクオフした瞬間に真っ逆さまに落ちる奇抜なデザインの飛行機を見るのも一つの楽しみだったのですが、最近は放送時間も2時間しかないし、人間ドラマにも注目されているので「もっと色々なチームの飛行機が見たいのに!」という欲求不満がたまりますが、これも時代の流れなのでしょう。

それでも放送中は何度も涙を流してしまいました。アツい。とにかく、アツい。努力とチームプレーに毎年感動します。

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個人的には、東大の鳥人間サークルに所属していた時に出場が叶わず、森精機に入社後もコツコツと飛行機を制作していた渡邊さんの8年越しの夢が、17kmという大記録を生んだのが印象的、感動的でした。

夢はあきらめちゃいけない。

そう教わった気がします。

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【Maker Faire 2016レポート】おバカは地球を救う。とってもおバカ(=天才)な作品ランキングトップ5

二日間のメーカーズの祭典、Maker Faire Tokyo 2016 が閉幕しました。楽しい時間はあっという間。終わると夏休みが終わったみたいで寂しいです。

今年もアツい作品がズラリと並び、会場の熱気も相まって沸騰寸前のビッグサイトとなりました。もちろん、とっても真面目な展示物ばかりなのですが、やはり一筋縄では行かないのがメーカーフェアの醍醐味。関西出身の自分にとっての「褒め言葉」は「アホやなあ」。そういう基準で「オバカ(=最大の褒め言葉)ランキング」を発表したいと思います。全てをくまなく回れた訳ではないですが、目についた作品の中から・・・という限定的な要素もご了承ください。

■第一位
雑誌「マー」自動ジェネレータシステム
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もうね、見る人が見たら表紙だけで笑死する「マー」(笑)
「ムー」好きの僕も、見事にツボにハメられちゃいました。この雑誌ジェネレータ「マー」ですが、ディープラーニングの技術を使っています。膨大な数のムーの表紙と、古典小説ドラキュラ伯爵をAIに学習させると、どんな画像をシステムにアップするだけで、「ムー」テイストの「マー」を雑誌としてオートジェネレートしてくれます。驚くのは文章もAIが書いているということ。ちゃんと「そのテイスト」になっているんです。すごいんだけど、ほんとオバカさん。ということで、僕の中では文句なしの第一位です。

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■第二位
ウェアラブル感情表現デバイス「スマイルマシンズ」
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作者いわく、「コミュ障の自分にとって人と上手にコミュニケーションができる手段を考えた時に、感情表現できるデバイスをいっそのこと頭に被ればいいのではないか。だって、LINEでもメールでも顔文字で感情を表現していますよね。こうなると、表情筋ってもはや要ります?」という作品。「表情筋って要ります?」に爆笑。そりゃいるだろ(笑)でも、真剣に作っちゃうのがメーカーズです。手元のコントローラーで登録されている数種類の表情をディスプレイします。喜怒哀楽を十分表現できるんですから、表情筋いらないよね。ってそんな訳あるかい(笑)

■第三位
UFOにさらわれ写真コーナー
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これは作品ではないけれど、とってもオバカさんだったのでランクイン(笑)確かデイリーポータルZのブースの一角だったと思いますが、シンプルでお金が掛かっていないのに、家族連れに大人気でした。そしてアテンドしている女性がめっちゃサバサバしてて真面目なの(笑)ギャップも面白いし、分かりやすい。ほのぼの(笑)

■第四位
UHA味覚糖×千葉工大 キャンディロケットプロジェクト
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これこそ超絶真面目、本物のロケットです。ただし、燃料が「ぷっちょ」。信じるか信じないかは別にして、ぷっちょを燃焼させて15kg以上はあるロケットを300m打ち上げるんですから。もちろん落下時は落下傘が開きます。元はプラスチックの燃焼を研究している千葉工大の研究室が「こんな地味なことやってても注目されないから、いっそロケット飛ばそう。燃料もキャンディにしよう」という「モテたい」という動機に突き動かされて始まったプロジェクトだそうです。これはマジでびっくりです。

■第五位
ロケットエンジンの破片「ばくはつのかけら」
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ホリエモンも出資していることで有名な民間ロケット、インターステラテクノロジズ(IST)。リア充が持っていると身代わりに爆発する幸運のアイテムだそうです(笑) しかも2000円、安くない!!でもね、ロケット開発ってとってもお金掛かるんですよね。噴射される破片を拾い集めて売り、資金にするという熱意と根性に脱帽です。ちなみに、この破片はカーボンです。鉛筆の芯と同じですね。

こちらは本体実物。かっこいい!
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というわけでいかがでしたでしょうか?
おバカは地球を救う。おバカなことに熱心な人は天才である。そういうコンテキストでいくと、メーカーフェアは地球防衛軍と天才の集まりです。笑)他にも毎度人気のロボットレスリングもすごく面白かったです。今から来年のMFTが楽しみです。

お会いした皆様、話をお聞かせいただいた皆様、そして、すべてのメーカーズ、二日間ありがとうございました!

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Maker Faire Tokyo 2016 初日を幾つかの写真と共に

毎年夏に開かれているメーカーズの祭典、「Maker Faire Tokyo 2016」。

猛暑の中であるにも関わらず、初日からたくさんの来場者で賑わいました。もう通路通れないくらいです。第一回、第二回を知るものとしては、この規模と来場者の数に驚くものがあります。そして何より、この雰囲気!!一般の企業展示会、専門展にはない、ただ純粋に「ものづくりが大好き」「面白いもの作りたい」という愛の共通項で結ばれた場の一体感。Quadceptは毎年出展してますが、僕自身は三年ぶりの参加。いや、これは毎年来なきゃな・・・と改めて実感です。出展者の方も来場者の方も、久しぶりに会う方々もたくさん居て本当に楽しめました。

あ、Maker Faire は今日も10時〜18時までビッグサイトで開催しています。Quadceptも基板カレンダー、インベーダー基板の展示やソフトウエアのデモを行っていますので是非お立ち寄りくださいね!

さて、残念ながら来場出来ない皆様のために、写真を幾つかペタっとしておきます。

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AI(人工知能)とベーシックインカム

明日は早朝5時に起きて飛行機に乗らなきゃなのに、仕事で遅い帰宅となって準備に焦りつつもクールダウンはしたいから冷蔵庫に直行してハイボールを作って飲み、片手で出張準備をしつつ、もう一方の片手で本を読んじゃう時ってないですか?
ええ、ないですよね。それにハイボールのグラスはどこに行ったんだって話ですよね。

でも、何かをしながら片手で読んじゃうくらい面白い新書を買っちゃったんです。それがこれ。

人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊 (文春新書)

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人工知能による未来の雇用の減少については以前から闊達に議論されてきましたが、経済学的なアプローチで論じたものはありませんでした。僕はシュリンクに興味があり、以前からAIの台頭が職を奪うことによる貨幣流通量の減少が、人口減少と相まって経済活動が縮小していくこと、逆にAI/ロボティクスによる機械化生産によるモノの過剰供給が起こった時には、生産しなくても良くなった人間は何をし、経済はどうなり、経済学はどう説明するのか…と色々と考えていました。既存の経済学は右肩上がりの成長を前提としていますが、シュリンクは前提としていません。富の分配を前提としていますがボタン一つでの無限の供給は前提としていません。そこで僕は新たな分野「シュリンキング・エコノミー」を分析してみようとすら思っていました。

しかし、著者の井上智洋先生は駒沢大学の経済学部の講師で、学部生時代に学んだAIに関する知見も素晴らしいですが、専門はマクロ経済学です。目次を見ると分かりますが、彼の主張は分かりやすく、「AIが人間並みの知性を持てば(シンギュラリティ)仕事がなくなりますよね。なのでこれからの社会保障としてBI(ベーシックインカム)を導入すべきですよね」というものです。

今年の4月の人事塾in大阪にご登壇いただき、パネルディスカッションを共にさせていただいたITジャーナリストの湯川鶴章さんも同じ話をされていました。なるほど、ここで話が繋がるんですね。とにかく、第四次産業革命は2030年に起こると言われています。そしてシンギュラリティは2045年です。なんと、あと14年後には世界はガラリと変わります。14年後と言えば僕は50代半ばで我が娘はまだ25歳です。

さあ、今から何を考えて備えましょうか。
個人的には久しぶりの良書です。是非ご一読を。

Watsonで走る自動運転バスとスマートパーキング

幾つか自動者関連のネタを投稿したいと思います。

まず一つ目は以前から話題になっている、IBM Watsonを登載し車体を3Dプリンターで作った自動運転バス「Olli」です。このバスはワシントンD.Cのショッピングエリアを走行、30以上のセンサーによって乗客の情報(音声、言語、文章抽出)を取得してWatsonで処理し走行します。乗客と対話しながら走るインタラクティブなバスですね。デザインもかわいいし。

IBMの「Watson」を搭載した自動運転バス「Olli」が登場。しかも車体は3Dプリント (Gizmode Japan)

Watson’s Newest Job Is a Tour Guide on a Self-Driving Bus (popularmechanics.com)

このようなモビリティは今後どんどん出てきますが実用化の速さはさすがアメリカです。日本で登場するとしたらテーマパークや空港などでしょうか。公道は色々と法規制が厳しそう。

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(出典:Gettyimages、Washington CBS Local)

そして、次の話題は、「全自動駐車場と駐車代行ロボット」です。
中国深圳にあるYEEFUNGが最近、世界初「レーザーナビゲーションとコーム交換」の無人搬送車が開発したことを発表しました。Youtubeの動画を見ていると確かにこれは便利です。推測するに、レーザーセンサーで周囲の物体との距離を確認しながら接触しないように車を運んでいくというような(ロボット掃除機のような)技術が採用されているんだろうと思います。

ちなみにあまり知られていないことではありますが、中国は世界最大の自動車市場であり、自動車メーカーも120社が乱立しています(生産効率を上げるために、政府が再編を進めているところ)。部品メーカーもニ千社以上存在すると言われていますから、こうなると、このスマートパーキングのように自動車関連サービスがどんどん出てくるのも当然の話を言えますよね。

今後、中国国内(特に深センなど)自動運転とスマートカーで世界をリードするシリコンバレーのようなところも出てくるのではないかと思います。

ソフトバンクのARM買収と、ウッドサイドの豪邸

ソフトバンクのARM買収がニュースを賑わせています。

それもそのはず、キャッシュで3.2兆円、しかも業界にいないと知らないARMというニッチな企業が買収先なんですからね。MicrosoftやGoogleなどがポンと兆を出すのは分かりますが、日本企業というところも話題性があります。ARMについてはエレクトロニクス業界にいれば誰でも知っている有名企業ですが、一般の方はまず知らない会社ですよね。

この買収劇の理由については数多くのメディアで取り上げられているので割愛しますが(興味がある方は「ソフトバンク ARM 買収」で検索してみてください、山ほど論考が出てきます)、それなりの理由と価値はあると思っています。これが成功なのか失敗なのか評価はもう少し先になると思いますが、シリコンバレーによく出張する人間しては行くたびにApple、Intel、NVIDIA、Ciscoなどの社屋が拡大しているのを目の当たりにしながら、101沿いから見えるソフトバンクとスプリントのニ棟連なっている社屋の一つが減ったりしている寂しい状況を見ていると「孫さん、100億以上も出してウッドサイドに豪邸購入したのにもちょっとがんばって」と思っていた矢先のARM買収で、それは驚きました。

孫さんは実業家としてはもちろんだけど、実は投資家としても抜群の実績を上げている人です。(ベンチャー投資に限れば、約4000億円を投資し、10兆6000億円もの成果を得ている。 ITmedia参照)お金があっても、トヨタやNTTグループはこんな事出来ません。オーナー企業の創業者だからこそ、トップダウンで巨額投資を行うことができるんですね。戦略的とはいえ、一歩間違えれば奈落の底という賭けに近い経営を続けてきたということもできるかもしれません。また別の言い方をすれば、世界の借金王とも言えます。今の時代、こんなことが出来るのは彼くらいでしょう。そこに孫さんの希少性があるのかもしれません。経営者であり投資家である。自社のサービスにも借金背負ってどんどん投資する。すごいですね。

こうなったら、IntelとNVIDIAも買収して、サーバと車載のCPUも抑えたらいいのに。とか、笑えない冗談を言っちゃったい気分になります。笑

写真はウッドサイドの麓にあるスタンフォード大学のキャンパス。今年の1月です。
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