明日は早朝5時に起きて飛行機に乗らなきゃなのに、仕事で遅い帰宅となって準備に焦りつつもクールダウンはしたいから冷蔵庫に直行してハイボールを作って飲み、片手で出張準備をしつつ、もう一方の片手で本を読んじゃう時ってないですか?
ええ、ないですよね。それにハイボールのグラスはどこに行ったんだって話ですよね。
でも、何かをしながら片手で読んじゃうくらい面白い新書を買っちゃったんです。それがこれ。
人工知能による未来の雇用の減少については以前から闊達に議論されてきましたが、経済学的なアプローチで論じたものはありませんでした。僕はシュリンクに興味があり、以前からAIの台頭が職を奪うことによる貨幣流通量の減少が、人口減少と相まって経済活動が縮小していくこと、逆にAI/ロボティクスによる機械化生産によるモノの過剰供給が起こった時には、生産しなくても良くなった人間は何をし、経済はどうなり、経済学はどう説明するのか…と色々と考えていました。既存の経済学は右肩上がりの成長を前提としていますが、シュリンクは前提としていません。富の分配を前提としていますがボタン一つでの無限の供給は前提としていません。そこで僕は新たな分野「シュリンキング・エコノミー」を分析してみようとすら思っていました。
しかし、著者の井上智洋先生は駒沢大学の経済学部の講師で、学部生時代に学んだAIに関する知見も素晴らしいですが、専門はマクロ経済学です。目次を見ると分かりますが、彼の主張は分かりやすく、「AIが人間並みの知性を持てば(シンギュラリティ)仕事がなくなりますよね。なのでこれからの社会保障としてBI(ベーシックインカム)を導入すべきですよね」というものです。
今年の4月の人事塾in大阪にご登壇いただき、パネルディスカッションを共にさせていただいたITジャーナリストの湯川鶴章さんも同じ話をされていました。なるほど、ここで話が繋がるんですね。とにかく、第四次産業革命は2030年に起こると言われています。そしてシンギュラリティは2045年です。なんと、あと14年後には世界はガラリと変わります。14年後と言えば僕は50代半ばで我が娘はまだ25歳です。
さあ、今から何を考えて備えましょうか。
個人的には久しぶりの良書です。是非ご一読を。
はじめまして。
井上智洋先生は、ベーシックインカムの話の中で、時々C.H.ダグラスについて少し言及されることがあります。
ダグラスは、「国民配当」というものを提唱しているのですが、これは一般のベーシックインカム論のような「税による再分配」ではなく、端的に言えば「お金を刷って国民に配る」というものです。
なぜそのような国民配当が必要なのか?
お金を刷って国民に配っても大丈夫なのか?
その答えとして、ダグラスは、「私達の購入する商品の価格合計は、私達の得る所得合計よりも大きい」 「このギャップがあるため、不況など経済の問題が起きてしまう」 「このギャップを埋めるために、国民配当が必要になる」 としています。
以下の文書は、A.W.JOSEPHによるダグラスの「価格と所得のギャップ理論」の説明書です。
ぜひ、翻訳・解説をお願いします。
https://www.alor.org/Library/Joseph%20AW%20-%20The%20A%20B%20Theorem.pdf
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