開く時にワクワクするようなツール

僕はメモ代わりにEvernoteを活用しています。

ちょっとしたアイデアが生まれた時に簡単に電子データとして残せるEvernoteはとても便利ですよね。アイデアというのは一種のブレイスクスルーのようなもので、「お!これいいかも!」と思う気持ちの良い瞬間に立ち上げるEvernoteも、同じように気持ちの良いツールとして、僕の頭の中に刷り込まれているようです。ツールとしての使い勝手よりも、その時の体験がイメージとして残り「Evernoteを開く時はワクワクする」という作用を生んでいるようです。そういった意味では、毎日使うGoogleドキュメントも同じかもしれません。

僕達のようにソフトウエアを開発しているメーカーにとって、そう思われるツールを世に出すということはとても重要で、素敵なことです。例えばCADの場合は通常は業務で使うツールですが、例えば、パッと頭の中に回路のアイデアが生んだ時に、ささっと描いてみようと思うような使い方をしていただければ、Evernoteのようなイメージになるかもしれません。きっとそのような使い方をしていただいている方もたくさんいらっしゃることと思います。願わくば我々のツールも、「開く時にワクワクするもの」として提供できればと思います。

こちらの写真は Redwood City にあるEvernote本社。101を運転していると必ず目にするSilicon Valleyの玄関のような存在です。
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使う人が使いやすく、作る人が作りやすいものを設計することが自分たちの価値提供

先日、横浜の某一部上場メーカーさんの研究開発センターに行った時のこと。開発部の方と話をしていると、自分たちは設計者として、これを使う人はどういう風に使うのか、製造の人がそれを作る時はどうしているのか、それを想像しています、いくらスペックが良くても、使いづらいもの、作りづらいものは世に出してはいけないと思っているので・・・という言葉が出てきました。

使う人(エンドユーザ)のことを考えるのは当たり前だとしても、設計工程よりも下流にある製造現場のことを考え、作りやすいかどうかまで考えるのは、当たり前のようでなかなか出来ないことです。なぜなら大抵の場合、工程は縦割りされているので相手の顔も見づらく、自分たちは設計者の論理で良いと思うものを作り、時間に追われながらも納期さえなんとか守っていればそれでOKと思ってしまいがちだからです。

価値というのは、それを使う人が決めること。設計だけでなく、全ての面で同じことが言えますよね。自分が良いと思っていても、相手がそう思わないなら、相手にとってそれは価値がないことと同じ。思いやりを持ち相手の立場に立って、キャッチしやすいパスを投げてあげたり、分かりやすい言葉を掛けてあげたり、そういうことだと思います。

仕事柄、技術者の方と会うことが多く、今日も日本の代表するメーカーのユーザービリティ評価の専門家と話をしていたのですが、どこのものづくりの現場にも、自分の専門分野に誇りと責任を持ち、その技術を通していかに世の中を良く出来るかを真剣に考えているエンジニアがこの国にはたくさんいるなと、毎回実感します。日本の製造業を取り巻く問題はたくさんありますが、現場一人一人のそういうポジティブな精神が何かを変える力になって欲しいなといつも思います。

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東京支社開設のお祝い御礼申し上げます。

先日開設した弊社の東京支社(千代田区麹町駅すぐ)に少しだけ立ち寄る時間がありました。中に入るとたくさんのお祝いでいっぱいで、本当にありがとうございます。

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お客様、お取引先様からの期待と激励と捉え、更なる製品力、技術力、サービス向上を目指し社員一同邁進して参ります。特に今年からは、Polar Instruments社(英)、PWB社(カナダ)のPCB高周波伝送線路シミュレータ、特性インピーダンス測定システムなどの日本総販売代理の事業譲渡を受け、既存のCADソフトウエアと共に、「モノづくり」のコアとも言えるPCB業界での各種ソリューションの提供を行っています。今後共変わらぬご愛顧、ご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます

さて、入居しているビルにはたくさんの共有スペースがあり、打ち合わせなどに重宝しそうです。あいにく自分は月に一度行くか行かないかになるかもしれませんが、お近くのお取引先様は是非ご招待させていただきたいと思っています。

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韓国出張: 外は寒いけれど、身も心もぽかぽかと暖かく感じる関係

アメリカから帰国し、日本で一日クッションを置いてから朝のアシアナ便で韓国へ。ソウル市の南のソンナム市に、Quadceptのディストリビューターがあり、今日から二日間のCADトレーニングと営業会議のために訪問しています。

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暖かいサンノゼから、サンフランシスコ、大阪、と、この二週間で徐々に北上し、寒さに体は慣れて来ているものの、やはり冬のソウルは底冷えします。街の所々には雪が残り、外気温は0度前後。夜の会食の後、外はマイナス2度になっていました。もちろん、屋内はぽかぽかですが。

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世界各国にこのようなディストリビューターがいるのはとてもありがたいことです。どこに行っても仲間がいる、そんな感覚です。普段から回路設計、基板設計をやっている皆様ですからCADの操作、機能も熟知しており、Quadceptの機能に対する質問も相次ぎ、トレーニングもとても盛り上がりました。これからしっかりサポートをして拡販の下支えをしたい、と、同行しているサポートマネジャーと一緒に気持ちを新たにしました。

夜には、別の協業企業も合流し、大宴会。韓国の焼肉ってどうしてこんなに美味しいんでしょうね。皆様のおもてなしの心から感謝です。今日ももう一日がんばります。

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世界のデバイス市場を牽引する半導体、基板業界のレジェンド達が集うサンタクララのリーバイススタジアム

遅ればせながら、UA機内で「君の名は」見た衝撃が強すぎたのか、ほとんど一睡も出来ずにサンフランシスコに到着。すぐに、アメリカでの戦略的パートナー企業であるDigi-Key社の皆様とのミーティングを経て、リーバイススタジアムへ(実に眠い!!)

世界の半導体、基板業界を牽引するレジェンド達が集うDesignConのオープニングレセプション(スポンサーは Keysight社)の会場です。今日も業界最先端の方々の薫陶を受けることができました。まさに歴史を間近に見た気がします。それにしてもこういう人たちが、PC、サーバ、通信機器、電子デバイス、IoT製品などの電子業界をリーディングし、歴史を作っているんですよね。この業界に関して言えば、まだまだ日本のプレゼンスが光っています。とはいえ、ソフトウエア、シミュレーションツールに関しては完全にUSにやられています。我々も情熱と技術力でもって戦って行くことの決意を新たにしました。

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梅の花と宇宙

週の後半の東京生活から、神戸空港に帰ってきたのが金曜21時半。土曜日は身体を休めるべく、自宅で提供いただいた日経ビジネスを拝読しつつ、宇宙ビジネスのトレンドについて思いを巡らしていました。

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先週の展示会では、当社Quadceptのブースでも大阪府大の超小型衛生「opusat」を展示させていただき、多くの来場者の注目を集めていました。現在当社では、大阪府大の准教授率いるベンチャー企業と業務提携をし、設計データ管理ツールと上流設計管理ツールの開発を進めているのですが、そのデモが目的です。

アメリカでは官よりも民間主導で宇宙ビジネスが進んでおり、再利用可能ロケットのSpaceXのように、ロケット開発から顧客を意識したサービスまでが幅広く活況です。日本の宇宙ビジネスは国家予算に依存しており、実に総額3554億円の内、官需が91.2%となっています。これが問題であるかそうでないかはさておき、リスクを考えず「先手必勝」の圧倒的スピードで進み続けるSpaceXのような企業が出づらくなるのは確か。そこで、宇宙ビジネスを儲かる分野として、異業種からの参入や出資を促すのが不可欠であると記事にはありました。

自分も、昨年8月のMakerFairTokyoでスポンサー参加した際、インターステラテクノロジーズをはじめとする宇宙ベンチャーや各大学のプロジェクトが展示してあるのを見て、裾野の広さを実感すると共に、夢を夢で終わらせないように官民の支援(どちらかというとキャッシュを鬼のように持っている民間企業)の枠組みが必要だと思っています。我々としても、上流設計支援ツールを通じて少しでも貢献したいと思っています。

さて、こちらは打って変わって梅の花。
庭の梅の木、徐々に蕾が膨らんできました。まだまだ硬そうな蕾を見ていると、一つだけ花が開いているのを見つけました。季節は徐々に進んでいます。

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常識を捨て、意味ある変化を生む

時代は自分たちの想像以上に速いスピードで変化しています。

誰がコンビニ店員の時給1500円を想像したでしょうか。コンビニレジ打ち専門の派遣会社が存在し、時給2500円で派遣するなんて考えたでしょうか。誰が、人出不足でファミレスの24時間営業がなくなり、ビル建設の計画はあったとしても要員不足で頓挫するなんて時代を考えたでしょうか。そして、今日のニュースを賑わせた「東芝解体」を誰が想像したでしょうか。(近づく「東芝解体」=相次ぐ事業売却 時事通信)

一昔前なら「まさか」と思われたことが、とても速いスピードで現実になっています。

これに関しては色んな議論があるのは承知ですが、優秀なエンジニアが山ほどいるにも関わらず経営難に陥ってしまうのは、マネジメントの責任であることに違いありません。せめて、願わくば、優秀なエンジニアの国外流出がないようにしてほしいものです。とてもロジカルとはいえない、感傷的な表現になってしまいますが。

製造業や「ものづくり」の分野にITという切り口でどっぷり浸かっている自分としては、日々会うエンジニアの皆さんが本当にしたいこと、つまり煩雑な業務にリソースを割き、自分の将来に不安を感じながら働くのではなく、アイデアを即座に具現化することに注力して欲しいと思っていますし、そのためのソリューションを可能な限り提供していきたいと思っています。

本当に日々色々と考えさせられますが、過去や今の常識にとらわれず、常にソリッドな思考を持ち、変化に柔軟でありたいと思います。そういう意味で、今日の新橋での飲み会は本当のエンジニアの皆さんと腹を割って意見交換ができ、その中から課題とブレイクスルーのポイントを見いだせたことが収穫でした。

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異なる分野の人が集まる緩いコミュニティから生まれる革新的なサービスと、ギブアンドテイクの精神

昨日、THE LINKS でお話させていただいた内容は、シリコンバレーの「マネの出来ない凄さ」を含みつつ、日本ではあまり知られていないNESTAugustの事例、playgroundのアンディ・ルービンのように、成功者がスタートアップスを支援する(ビジネス的な要素も多分に含む)エコシステム、そしてHackerDojoのように、非営利のNPO法人が運営しているコミュニティスペースで、スタートアップがスタートアップを支え、緩いコミュニティの中から新しいものが生まれる環境・・・など、現地に行かなければ分からない情報をお伝えさせていただきました。

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以前の記事にも書いたように、僕はSVに住んでいる訳ではありません。ただ、この2〜3年間で10回近く渡航して、現地企業の方、様々なビジネスパートナーや友人にお世話になりながらビジネスを進める中で日々肌身で感じていることを、あくまで僕なりの目線でお話させていただきました。本当にたくさんの方にお集まりいただき、シリコンバレーへの関心の高さを知ることができました。

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その中でも特に伝えたかったメッセージは、こちらが何か相手の役に立つような物(スキル、製品、情報、サービスなど)を持ち、それを惜しみなく提供していると、相手もたくさんのギブを与えてくれるというギブアンドテイクの必要性、フロンティア・スピリットと、助け合い、ボランティアの精神、そして異なる分野の人間が緩く繋がり、そのオープンなコミュニティの中からイノベーションが生まれるということの重要性です。フロンティア・スピリットを持つ偉大な人たちがシリコンバレーを作ったのと同じように、人が場を作る。大阪もたくさんのチャンスがあると思っています。

会の終了後は、オーナーの坂井社長、プロデューサーの高室社長、山本チーフに美味しいイタリアンで打ち合げを行っていただきました。ご好意に感謝です。ありがとうございました。話をする機会をいただく度に思うのですが、普段考えていることや、まとめなくちゃと思っていることが、講演資料を作ることでうまく整理できてありがたいです。

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【ET/IoT展 2016】 時間がなかったので目についたものをちょっとだけ。

先週、パシフィコ横浜で開催されたET/IoT展。
取引先が出展していたので、時間が出来た隙に行って来ました。短い滞在時間だったので目についたものだけを紹介。

まずはチップワンストップのブースです。
米大手部品商社Arrow Electronicsのグループの傘下ということもあり、関係の深いQualcommのチップを載せたオリジナルボードの独占販売を行うことが出来るようになりました。それが、このDragonBoard 410Cです。アンドロイド搭載のシングルボードコンピューターですので、開発用に重宝されそうです。

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ARM Coretex A53クアッドコアを搭載しているので、他社製品とくらべてパワフルなのが特徴。その代わり、ホビーストには少し高めの設定になっているかもしれません。活用例などはネットにいくらか出ていますので、参照を。まだまだ情報は少なめですが。

スペックの詳細はこちらから。
今なら11,000円が9,800円で購入可能です。

こちらは富士通ブース。

小型CPUボード「F-Cue」が展示されていました。ARM Coretex A15搭載、Linuxがプリインストールされています。HDMIでディスプレイに接続、USBカメラを繋ぎ、前を歩く人を認証するというデモをやっていました。同じブース内のすぐ近くにドローンも展示してあったので、僕のイメージはすぐにセキュリティに行っちゃうのですが、とにかくこちらもすぐに開発環境として使えるので重宝されそうですね。

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動いている人を認証します。ずっと立ち止まっていると、静物としてみなされちゃいます。笑

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ブース内セミナーで人を集めていたのは、IBM Watsonブース。セミナー写真は自重。
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ARMブースです。スイッチサイエンスのSさんがんばってました。笑
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全て回れなくて残念でしたが、競合が多い中で、各社特色を出すべくしのぎを削っているのが特徴的でした。先日Siemensに買収されることが報道されたMentor Graphicsは、やはり、オートモーティブ、車載に特化した展示をしていましたね。昨年よりも人は少なめに感じましたが、業界の盛り上がりに期待したいところです。

「THE LINKS KITAHAMA」でのミーティングと、登壇予定オープンセミナーの告知

北浜から歩いて2分、淀屋橋から歩いて5分の好立地にあるコワーキングスペース「THE LINKS KITAHAMA」。最近、SNSで実際に行った方の投稿を良く見掛けるようになりました。お洒落なラウンジのような雰囲気から、従来のコワーキングスペースのイメージを覆す人気のスポットになりつつあるようです(ちなみにスタッフの方は全員美人です)

THE LINKS KITAHAMA 公式サイト
公式FBページ

今夜は取引先の皆様とTHE LINKSのミーティングスペースで打ち合わせをさせていただきました。スタッフの方から、「ミーティング風景、写真に撮ってアップしておいてくださいね〜」と言われていたにも関わらず、2時間に渡る会議が白熱し、すっかり忘れてしまいました。思い出したのは解散した後。こりゃあかんということで、急遽「それらしい風景」をスタッフの方と一緒に撮ってみたものの・・・まるで面談風景になってしまいました。ほんとすいません。

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さて、告知です。

11月25日(金)19時から20時半まで、THE LINKSで開催されるセミナーに登壇します。THE LINKSでは、業界業種関係なく、定期的にこのようなセミナーやイベントを開催して学びや情報交換、交流の場を深めていかれるようですが、僕はそのトップバッターの講師として指名いただきました・・・いやはや、なぜ僕なのかという感じですが、折角ご依頼いただいたので、来て良かったなと思ってもらえるような面白い話をしたいと思います。お題も先方に決めていただいたのですが、このような内容となっています。

「シリコンバレーの今とこれから ~テクノロジーとコミュニティが交じり合う形の未来~」

予め釈明しておくと、僕は現地に住んでいる訳ではありませんし、シリコンバレーウォッチャーでもジャーナリストでもありません。ただこの二年間、かなりの回数を渡航し、現地の企業や様々な方のご協力の元で自社ソフトの拡販に注力していく中で感じた、シリコンバレー特有の文化やコミュニティのあり方、スタートアップスへの支援の方法、日本として学べる点とそうでない点など、数多くの企業事例を交えながら、あくまで「僕なりの視点」で飽きないようなお話をさせていただこうと思っています。そして実は、このTHE LINKSのようなコミュニケーションの場もとても重要な役割を担っているのです。

ちなみに、どなた参加自由、無料のオープンセミナーです。
お申し込みはFacebookページの参加ボタンをクリックするだけ。

https://www.facebook.com/events/539612922894139/

最新情報を気楽に聞いていただける内容にしたいと思っていますので、是非お見逃しなく。
お問い合わせは、THE LINKSまで。

TEL: 06-6226-0002
09:00-22:00(平日) 
09:00-20:00(土曜)、日祝休