成長への近道は、居心地の悪いところに意識して身を置くことだと思う

人間ってどうしても、心身ともに楽な環境に身を置きたがります。

それはとても自然なことです。何も悪いことではありません。無理にストレスフルな環境に身を置くと、不調をきたすこともありますもんね。でも、もし「成長したい」と思っているのであれば、常に「居心地の悪いところ」に、あえて身を置くことが一番の近道だと思います。

よく若い人から「早く一人前になりたい」「早く成長したい、どうすればいいのか」という相談を受けるので、このテーマについて薄い持論を展開していきたいと思います。「成長したい」は、「世界を広げたい」とか「チャレンジしたい」という言葉に置き換えていただいても良いかと思います。また僕のような40オーバーの人間でも普通に当てはまる内容だと思いますので、年齢は関係ないかもしれません。

はじめに

下記の方には本記事の内容は当てはまりません。

・「成長」をテーマにしているので、興味のない方には当てはまりません
・ストレスと無縁の生活を目指している方には、本記事は向きません
・何か(富や人脈)を得るために焦っている方には、本記事では即効性のあるティップスを提供していません
 

どうせやるなら短期間に凝縮させる

まず、成長=スキルアップという視点で考えてみましょう。

例えば、新卒未経験で入った会社で3年間、慣れない仕事を覚えるために死にものぐるいで勉強し、土日も本を読み、仕事を優先した3年間と、「ワークライフバランス」を重視して、仕事はそこそこにアフター5や週末は趣味や友達との時間に費やす3年間とでは、どちらがスキルアップのスピードが速いでしょうか。

答えは明白ですよね。前者です。
これは、どっちが良い生き方かという議論ではなくて、成長しようと思うと努力は避けて通れないという真実を示しています。それゆえ、「早く成長したい」と思うのであれば、短期間にその努力を集中させることが一番の近道であるといえます。

ランナーの皆さんは共感していただけると思うのですが、マラソンも同じですよね。「走った距離は嘘つかない」この言葉を頭の中で唱えながら、フルマラソンのタイムを1分、1秒縮めるために日夜走り続けます。楽なことではありません。村上春樹さんが言っているとおりです。

走り続けるための理由はほんの少ししかないけれど、走るのをやめるための理由なら大型トラックいっぱいぶんはあるからだ。 僕らにできるのは、その「ほんの少しの理由」をひとつひとつ大事に磨き続けることだけだ。暇をみつけては、せっせとくまなく磨き続けること。

『走ることについて語るときに僕の語ること』村上春樹

 

これはまさに真実です。楽なことではありませんが「目標を持って」一生懸命努力することで、得られる果実の大きさは何倍にも変わってきます。今はテレワークが一般化しようとしていますが、これは、働き手にとってある意味、試金石のようなものです。場所がオフィスであろうが自宅であろうが、どれだけ真剣に仕事に向き合い、成果を出すか。誰にも何も言われない環境だからこそ、その人の真価が問われるのです。

知り合いがいない場所に積極的に出かけよう

次に、成長=「世界を広げる」という文脈で考えてみたいと思います。

人にとって居心地の良い環境というのは、地元の友達と連れ立ったり、学校の同級生と一緒にいたり、会社の同僚と飲みに行ったりすることだと思います。知った仲ですから、とても楽です。

でも成長しようと思うと、イツメンと一緒にいてばかりでは何も得ることはできません。出来るだけ、知り合いがいない場所に出かけて色んな人から刺激や学びを得ましょう。これは、驚くほど成長に繋がります。理由を説明します。

まず、知り合いがいない場所に行くと、誰も自分のことを紹介してくれません。自分から人に声を掛けなければ何も始まりませんよね。以下に場面を想定してみます。【】内はその場面で必要なスキルです。

1,初対面の人に声を掛ける【勇気、積極性】
2,その人と会話を続ける【話題の豊富さ、コミュニケーション能力】
3,その人に気に入ってもらう【思いやり、謙虚さ、気づかい】
4,その人の知り合いに紹介してもらう【好感度、さわやかさ】

いかがでしょうか。

【】内を見るだけでも、どれだけのスキルが必要か。4番については相手が判断するものなので少し違うかもしれませんが、でも一度これらのスキルを身につけると、どこに行っても、どんな場所でも、誰とでも仲良くなることができます。もちろん、これは先天的なものではなく、やはり努力と惜しみないインプットによって獲得するものです。

その結果、居心地の良い閉じた小さな世界では出会えない属性の人々から学びや気づきを得たり、思わぬ人と繋がったり、人脈が広がって趣味や遊びや仕事の幅が広がったりするのです。ちなみに、人脈は、広げようと思って追っかけるものではなく、富や立場と同じで「結果として」ついてくるものだと思います。

よく顔が広い人にコバンザメのようについて行って、名刺を配ったりする人がいますが、こういう人はまず覚えてもらえません。理由は簡単で、上記の4つのプロセスを行っていないからです。誰々の知り合い、で終ってしまいます。ですので、是非、成長したいのであれば、知り合いがいない場所に一人で積極的に出かけて行きましょう。

さて、今日は「居心地の悪さが成長に繋がる」というテーマでしたが、実はこのテーマ、いろんな場面に適用できるので無限に広がってしまいます。会社も仲良しウフフな環境よりは、適度に緊張感がある方が仕事が捗ります。もしよければ、このテーマでいろんな場面を想定してみてください。とても面白いと思います。

今日、なぜこの記事を書いたかというと、先日アップした「社内での評価が低い・・・出世できない・・・その原因は何でしょう。答えは意外なほど簡単なんです。」(2020年5月14日)が意外と反響が大きくて、普段のページビュー数の三倍のアクセスを記録しました。このようなちょっとしたビジネス・ティップスのような記事に皆さん興味を持たれるのかもしれませんね。


追記:
冒頭で述べたように、あくまで「成長」を目指す人のための記事です。これ以外の幸せな生き方もたくさんありますので、自分に合った選択をしていただければ良いと思います。