昨日より今日、今日より明日

美味しいものをたくさん飲んで、食べたいという欲求は、飽食の時代にあって眉をひそめられるような事かもしれません。今は飽食の揺り戻しでファスティングや少食による心身の健康維持に取り組む人もたくさんいますし。

自分の場合は食べることと飲むことが大好きなので、個人的に天地を揺るがすような大きな事でもない限り、そちらに振れるということはなさそうです。その代わり、一種の免罪符として、運動することによってカロリーをしっかり消費した上でしっかり飲むというプラスマイナスゼロ(ほとんどプラス)作戦を開始し、その延長で、すっかりマラソンにハマってしまって今に至ります。

僕はきっと走ってなければ、本当にどうしようもない人間なので健康を害していたかもしれないし、実際、走るきっかけになったもう一つの理由は30代半ばで色々と病気をしたことでもあるし、不健康で体型なんて崩れまくっていたかもしれません。そういう意味では、マラソンというスポーツに出会えたことで、人生の半分は成功したと言える、多くのサーファーが「サーフィンに出会って人生の半分は成功した」というのと同じで、僕もそう思っています。

これからも日々、積み重ね。
昨日よりも今日、今日よりも明日。

それにしても、ランナーって本当に、本当に、食べることと飲むことが好きな人種です。まあ、酒飲みの多いこと!笑

そんな食いしん坊の日曜日はケバブと共に。
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24時間の中身によって

一日24時間という真理は変わらないのに、その24時間の中身で、その一日は「素晴らしく」なったり、「つまらなくなったりします。一分の隙間もなくずっと予定が入っているのが素晴らしいかというとそうでもなく、忙しいのが良いのかと言うとそうでもなく、やはり、誰と何をしたかということや、結果的に獲得したもの、例えば成果だけではなくて、疲れを取る、癒やされた、良い気分転換が出来た、とか、そういう内容によって、その一日の評価が決まるような気がします。

そういう文脈の中でいうと昨週の後半はかなりハードな動きをしていましたが、その流れのまま、土曜日は会社ゴルフコンペ、夜の送別会、そして今日は朝から酒抜き21kmラン。昨夜一緒に飲んでたラン友に誘われて、国道をひたすら西に向かうといういつものコースです。午後からの予定のために須磨まで行って電車で帰ってきましたが、先週のフルマラソン明けの筋肉ほぐしランニングとしては最高でした。もちろん、ラン後の王将でのビールと餃子も。

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今日は素晴らしい一日です。
まず、天気が最高。
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そして店番をする看板の猫にも出会えました。
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今はカフェの座席で、目の前に娘がいて勉強をしています。僕はこうしてPCを叩き、ジェットコースターのように過ぎゆく日々の記憶を刻もうとしています。

でも、今はちょっと動き過ぎたからなのか、眠たくもあります。
ああ、24時間。

徳島マラソンを二週間後に控えて

まだ先だと思っていた3月26日の徳島マラソンですが、昨日、ゼッケンと案内、参加賞(早い!)が大きな封筒に入って届きました。そうか、もう2週間前になってしまったんですね。早いな。

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この前の日曜日に篠山マラソンを走ったばかりなので、コンディションが整うか心配ですが、三週間も開ければ普通は大丈夫なんでしょうね。僕の周りには強者が多く、二週連続でフルマラソンを走ったりする人もたくさんいるのでそれに比べればどうってことないのかもしれません。

いずれにしても、徳島はランニングチームの皆さんもたくさん出場するし、現地で友達にも会えそうだし、何よりも初参加なので、評判の良い徳島マラソンが今から楽しみで仕方ありません。もちろん、それまでにも、仕事やたくさんのイベントがあるので、乗り越えなければならないものは多いのですが・・・

とにかく、皆さんと一緒に楽しめたらと思っています。

僕は泣くためにフルマラソンを走っているのかもしれない

今年の篠山ABCマラソンは例年になく好天に恵まれました。気温も高く、4回目の篠山ですが初めて半袖で出走。こんなことあるんですね。今大会は一緒に応援に来てくれた友達の親戚方がご自宅を提供してくださり、駐車スペースだけでなく会場への送迎や暖かいお食事(絶品!)までお世話になり、いつも以上にホスピタリティを実感した大会となりました。感謝感謝です。

自分は何のために、しんどくて辛いフルマラソンを走っているのかずっと考えていましたが、一つの結論が出た気がします。僕はきっと、泣くためにフルマラソンを走っているんだ。そう思いました。

今回のように無私の気持ちで支援してくださる皆さんの愛情に泣かされ、沿道の子どもたちのハイタッチに泣かされ、老人ホームの前で車いすを並べて応援してくださるご老人方の笑顔を見て泣き、吹奏楽や太鼓や地元の方々の途切れない声援の応援にまた泣かされ、30kmを過ぎた後に必ず来る辛さに泣き、膝の痛みに泣き、攣りそうな脚をなんとか抑えこみながら気持ちを切らさずゴールした自分のがんばりを思って泣き、ねぎらいの言葉と共に首にメダルを掛けてくれる地元の学生の笑顔に泣かされ、仲間たちとの宴会で泣き笑いして。

一度でもフルマラソンを走った方なら分かっていただけると思いますが、本当に、マラソンって色んなシーンで泣けてしまうんです。一番こみ上げる瞬間は、ゴール後、しゃがむことすら出来ないランナーのシューズチップを高校生やボランティアの方々が座って外してくれるところでしょうか。大の大人が恥ずかしい話ですが、「ごめんね、ありがとう」と口にすると、必ずぐっと来てしまいます。

何度走っても、どの大会を走っても辛いフルマラソンですが、人の優しさと、感謝と、辛さを乗り越えた自分に泣ける経験なんて、他ではできない。そう考えると、僕はやっぱり泣くためにフルマラソンを走っているのかもしれません。

全てに感謝です。
ありがとうございました。

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からだに正直に

一週間の疲れが出たのか、今日は本当に良く寝ました。

朝早く起きて一仕事を終えた後に二度寝、午後はゆっくりLSDをしようと思っていたのに、ランチの後に本を片手に気付くと夕方。普段は少し寝るだけでスッキリするのに、途中でうっすらと目が覚めた時に、からだが「まだまだ寝たい」と言っているように思い、今日はその声に正直に応えることにしました。時々、いくらでも寝れる状態になることがあります。そんな時は無理をしてはいけないんでしょうね。

とはいえ、晩ごはん前に軽くジョギング。案の定、鉄の鎧を来ているような重たい体でしたが、少しでも汗をかき、熱いお風呂に入った方がスッキリすると思ってがんばりました。確かに少しスッキリした気がします。今日のジョギングで月間106km。一応今月も二日を残して100km超えました。来週は昨年撃沈した篠山ABCマラソンです。過去3戦中、サブフォー2回、昨年調整不足で4時間半。なんとか今年はリベンジしたいところです。今週はがんばって調整期間。さあ、どうなることでしょう。

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今は梅が満開ですが、芦屋川の桜はまだまだです。
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【Gallery】神戸のいいとこ再発見のラン&ウォーク(最後は中華とビール)

昨夜急に決まった共ラン。一緒に篠山ABCマラソンにエントリーしている同級生3人で朝8時に芦屋で待ち合わせ、2号線をひたすら西に行こうということになりました。ちなみに弁解しておくと、今回、二回目のフルに挑戦するメンバーの一人は膝を痛めているので「行けるところまで」、もう一人のメンバーと僕はベテランランナーながら、お互い調子を見ながらやはり「行けるところまで」という条件付きです。

自分は昨日の住吉川トレーニングで膝が言うことを聞かなくなったのですが、一夜明けると(いや、ランの直後から)まったく痛みもなくなり、一過性のものだったようです。ランナーの体って不思議なもので、最初に走り始めた頃は膝など様々な痛みに悩まされていましたが、徐々に体が出来上がってくると、一過性の痛みが発生することはあるものの、基本的にはすぐに回復するか、走っていると痛みがなくなるか、とにかく、一度走る体が出来てしまえばすごく楽だったりします。

さて、3人でのんびり走りながら、海を見ようと摩耶の県立美術館の方へ。空の青さに雲の白さよ!!

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フラワーロードを超え、
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メリケンパークへ。神戸は地元ながら、THE・神戸 というべき観光地にはなかなか行く機会がありませんが、やはりいいところですねー。
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ハーバーランドです。これぞ神戸の景色!
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スタバでコーヒーをテイクアウトし、作戦会議。このまま2号線を西走するか、それとも切り上げるか。皆の状態を確認し、三ノ宮まで戻ってちょい飲みして帰ろうということになりました。
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中華街を抜け、
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最後は三ノ宮の中華でビール!!
神戸のいいところを再発見したラン&ウォークとなりました。合計17kmちょっと。最高の天気の下、とても良い一日でした。
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ランナー集えばすぐ走る

同じホテルに滞在している某メーカー海外担当のNKさんは、ラン道、十数年の大ベテラン。ウルトラマラソンも何回も完走し、今でも週末のロングは欠かさない強者です。

お互いランナー同士で話も合うので、昨年9月も一緒にナパバレーを周遊したりと、公私ともに仲良くしていただいています。今回もたまたま同じホテルだということが分かり、土曜日はトレランを予定していたのですが、夜の雨でそれは断念。朝食事をしながら、一緒に軽く走ろうということになりました。

ランナーNKさんは50を超えているとは思えない走りっぷり。
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初めてのコースにチャレンジです。
朝の爽やかな風が最高に気持ちいい。
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おしゃべりしながら、マップを見ながら、ゆっくりゆっくり。
13kmちょっとを1時間40分のランとなりました。
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「ランナー集えばすぐ走る」
今作ったことわざですが、ランナーはやっぱり走ることが大好きです。

論文発表した学生との会食と、サニーベールの虹

昨夜、コンベンション会場の外は大雨。

冬なので天気がぐずつくのは仕方ないですし、逆にカリフォルニアは夏はカラカラになるので雨は歓迎すべきことなのですが、結構な土砂降りのため、次アポの待ち合わせ場所となった道向かいのヒルトンに行くのにも車で移動しなければならない程でした。

こちらのセッションで論文発表をした修士2年生二人を紹介していただきました。ちなみに彼らがいる神戸大にはQuadceptを導入していただいています。サニーベールの中華料理屋で一緒に食事をしながら、どうだったと聞くと、慣れない英語で30分も2、30人の前でスピーチをするのは大変だったけど、がんばって何度も練習しました、とのこと。さすがに質問を捌くのは大変だったらしいですが(某米メーカーの担当者がサポートしたとのこと)、若い学生がシリコンバレーのセッションでがんばっているのはとても頼もしく感じました。きっと大きな経験になったでしょうし、彼らのような若者が業界で活躍していくんでしょうね。

雨は止む気配もなく、そのまま夜も降り続いていましたが、朝にはからりと晴れてくれました。

いつものクリーク沿いのトレイルを走り、ベイランズパークまでのコース(往復約10km)を走ることにしましたが、予想通り雨のおかげでトレイルの土の部分はぐちゃぐちゃ。今回はランニングシューズではなく、トレランシューズを持ってきていたのですが、ほんと良かった。ぬかるみで滑らないように注意しながら、歩いたり走ったりを繰り返しましたが、重たかった体が少しは軽くなったような気がします。

虹も見ることができました。
今日も良い一日になりそうです。

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誘惑を振り払うかのように走る夜の国道

早いもので1月も終わりに差し掛かろうとしています。

今月に入ってから今までの走行距離は92.5km。今週の日曜日には大阪ハーフマラソンがあるので、予定通り出場して無事に完走することができれば、毎月の最低目標としている100kmは楽に超えるのですが、レースを込みにするのは少しリスクがあると思い、帰宅後がんばって10kmを走りました。

今日のような寒い夜に、帰宅してすぐに着替えてまた外に出るのは少し気合が入りますが、走った時と走らなかった時の気分的な差はあまりに大きいことは嫌というほど知っています。一息入れちゃうと出れなくなってしまうので、食事もせずに、えいやと外に飛び出しました。

21時の国道は、ラーメン屋、焼肉屋、居酒屋などがじゃんじゃん盛り上がっていて、誘惑だらけ。寒いし、ラーメン屋でちょっとビールでも引っ掛けようかな、帰りは近くの駅から電車で帰ればいいんだし。そんなことも少しだけ考えたり考えなかったり。

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誘惑を振り払うかのように、また早く帰りたいという気持ちで走っていると、4:32/kmペース。結構飛ばしてたみたいです。悔しいのは「言い聞かせラン」をすることを忘れてしまったこと。それさえしていれば20秒台で走れたかもしれません。まあ今日はタイムアタックするつもりもなく、100kmという数字を達成することが目的だったので良しとしましょう。夜の良さは遠くの景色が見えないので速く走っているような錯覚に陥ることです。昼間のように遠く先が見えていると、「ゴールはまだあんな先だ」と思ってしんどくなってしまうこともありますもんね。

何はともあれ、今は達成感でいっぱいです。
やっぱりがんばって走って良かった。

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”でも、彼女たちの走る姿を眺めているのは、それなりに素敵だ。このようにして世界は確実に受け継がれていくのだなと、素朴に実感する。”

こういう仕事をしているので、一応、日々キュレーションされるテック系のニュースやレポート、ペーパーには一通り目を通しているのですが(Twitterのタイムラインで情報収集しています)、ああ、一部のとても能力の高い人たちがいて世界は回っているんだな、としみじみ実感することがあります。

自分がこうして電車に揺られている間にも、オフィスのデスクでミンティアを食べている時も、イスに腰を埋めて空を見ている時も、新しい論文や技術が生み出され、実証され、製品化され、世の中に出て行きます。人や社会の様々な営みを多角度から観察し、解析し、将来を予測し、ビジネスを解説し、取り組みを紹介している人たちがいます。だから自分もやらなくちゃと焦ることも昔はありましたが、最近は、ああいう人たちはああいう人たち。自分に出来ることは自分にしか出来ないのだからマイペースでがんばろう、としか思わなくなってきました。なんだか、劇場のオーディエンスのような感覚です。

一人のランナーとしても、エッセイとしても大好きな、「走ることについて語る時に僕の語ること」の中で、村上春樹さんがボストンのチャールズ河沿いをジョギングしている時に、金髪のポニーテールを揺らしながら走るハーヴァードの新入生(と思われる)の女の子たちに次々と抜かれていくシーンがあります。その描写の中で、こういう一文があります。

人々を次々に抜いていくことに、彼女たちは慣れているようだ。抜かれることには恐らく慣れていないのだろう。彼女たちは見るからに優秀で、健康で、魅力的で、シリアスで、そして自らに自信を持っている・・・まわりの風景を眺めながらのんびり走るということはおそらく、彼女たちのメンタリティには馴染まないのだろう。それに比べると僕は、自慢するわけではないけれど、負けることにはかなり慣れている。世の中には僕の手に余るものごとが山ほどあり、どうやっても勝てない相手が山ほどいる。

でも、彼女たちの走る姿を眺めているのは、それなりに素敵だ。このようにして世界は確実に受け継がれていくのだなと、素朴に実感する。彼女たちには彼女たちに相応しいペースがあり、僕には僕に相応しいペースがあり、時間性がある。それらは全く異なった成り立ちのものだし、異なっていて当たり前である。

自分に相応しいペース、異なっていて当たり前。
まさにマラソンと同じ。人それぞれ何かのきっかけや理由があって走り始め、辛さを経験し、それを乗り越え、達成した時の喜びを噛みしめる。それは、タイムを競うようなものではなく、極私的な事情に基づく個人的な体験です。僕も負けるには慣れています。今までも勝つことの方が少なかったように思います。だから競うのではなく、自分の良さを生かし、出来ることを最大限にやり、満足の閾値に達することができればと日々考えています。

(写真: 2016年9月 スタンフォード大学にて)
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