一緒に過ごす時間の価値

それはもう二度と帰ってこない一瞬の光のきらめき。

その時間はその時だけのもの、その瞬間はその一瞬だけで、再現性もないし、リテイクもできないし、巻き戻し再生することもできない。その代わり、その時間を「確かに過ごした」という事実は永遠に残る。その瞬間を一緒に過ごした相手がいるのであれば、それはたった一瞬であったとしても、一度きりの出会いだったとしても、その人と人生が重なったということになる。

そう考えると、誰と、どのように過ごし、どのような気持ちでその時間を送るかは本当に大切で。

誰に対しても出来るだけ優しく、愛情深くいたいと思うし、自分にできることがたとえスプーン一杯分のことだけであったとしても、喜んでそれを差し出したいと思う。それが思いやりというのものなんだろうなと。助け合うということはそういうことなんだろうなと。

先日、母のことをブログに書いたことで、本当に多くの方から共感のコメントや励ましのメッセージをいただきました。「母のこと」(2021/01/22)

自分の気持ちの整理のために独り言として書いたことが、こんなに多くの方に読んでいただけるなんて。感動しました。そして、掛けていただいたどの言葉も温かくて心に沁み渡り、誰もが一度や二度は大切な人を見送るという経験をしているのだなと分かり、心強くなりました。本当にありがとうございます。

ほぼ昏睡状態の母の介護を続けながら、すべての瞬間を愛おしく感じることができています。赤ちゃんのように、うん、と、ううん、しか言えなくなってしまった母ですが、息子の声でちゃんと目を開いてくれる。笑ってくれる。この一瞬一瞬がかけがえのない時間です。これは事実として永遠に残り続けるのだろうなと思います。