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僕は比較的、こだわりが強い男です。
一昔前であれば「違いが分かる男」と形容されたかもしれません。そんな僕ですから当然、小銭入れにもこだわりを持っています。僕の小銭入れは、今流行りのメッシュ柄を採用。ファッション性を維持しつつ、小銭がいくら残っているのかが一目で分かる最新の透過素材を採用した機能性抜群のアイテムです。
それがこちら。
流行るとイヤなのであまり教えたくないのですが、これは「DAISO」という新進気鋭のドメスティックブランドが展開しているんです。入手困難かもしれませんが、まあがんばって探してみてください。ちなみに僕はレッドやブラックも保有しています。気分に合わせて使い分けてるんですよ、お洒落上級者でしょう?
というわけで、普段から人に自慢している小銭入れですが、自分から自慢せずして人に気付かれた時はちょっと恥ずかしい思いをします。
先ほど、出先から自宅の最寄駅に帰って来たのですが、帰宅する前に駅前のコンビニに入りました。店前にはベンツのゲレンデヴァーゲンが停まっています。運転席を見ると、びっくりするような美人のマダムが乗っているではありませんか。
こんりゃたまげた!
世の中には美人がおるもんじゃのう・・・しかもスマホではなく本を読んで人待ちをしておる。美人がゲレンデの運転席で読書。こりゃウインドウをノックして、お声でも掛けないと逆に失礼なんじゃないじゃろうか・・・
そんなことを考えながら、レジを済ませて外に出ると、まだ停車中。
「あんれまー!世の中には(以下省略)」と歩き始めると、背中をトントンと叩かれました。まあ地元は村社会ですので、近所のコンビニで知人に出会うのも良くあること。誰かなと思って後ろを振り向くと、キャップにパーカーの、これまた若い美人、いや、どちらかというとカワイイ系の女性が立っているではありませんか。
なんて日だ!(小峠風に)
マダムも良いが、健康的でスポーティーな美人も嫌いじゃない!(むしろ好き)
「あのう、これ。」
そういってパーカー美人は、僕の小銭入れを差し出してくれました。
ボーッとベンツの美人に見惚れてたから、カバンに入れたつもりが落としちゃったようです。しかもイヤフォンしてたからチャリンという音も聞こえず、そのままデレ顔で店外に出ちゃったのを追いかけてくれたのでした。この恥ずかしいイケてる小銭入れを持って!
いやあ、とってもありがたいけど恥ずかしい。
自分からネタにするのは良いけれど、自分からネタにしなきゃ本気で使ってると思われちゃう(本気で使ってるんだけど)。
美人にやられて美人に救われる。
まるで、捨てる神あれば拾う神あり。世の中うまく出来てますね。
どっちにしてもデレた顔は、帰宅するまで元には戻りませんでした。