日々は塗り絵

15年前以上の話でしょうか、スペインに住む読者の方から「tmkさんのブログは、毎日を丁寧に塗りつぶしておられるようで、いいですね」というコメントをいただいたことがあります。

当時はほぼ毎日更新をしていた時期でしたから、その日に起こった出来事や仕事の振り返りを行い、自分なりに解釈分析をしていた時期でした。15年前というと32、3歳の頃でしょうか、とにかく仕事も忙しく、徹夜は当たり前、遊びも子育ても毎日怒涛のようにこなしていて、今振り返ると本当に良く生きていたな・・・と思います。

毎日を丁寧に塗りつぶす

このフレーズがずっと頭に残っていて、ことあるごとに思い出します。
いくら忙しくても、逆にいくら暇でも、その日をしっかりと隅々まで塗りつぶせていたかどうか。それはすなわち、なにもせず漫然と時間を過ごすのではなく、一瞬一瞬に意味を付与できているか、ということだと思っています。

上手く行く時もあれば上手く行かない時もある。目の前にタスクが山積していて何から手をつけて良いか分からない時もある。でも、そういう時こそ全体を見るのではなく、目の前にある小さなものに目を向けてそこから手をつける。小さなことからコツコツと。そして、力を入れる時と、抜く時のメリハリをつけること。ぼーっとする時間も取り、その時間に意味を付与する。そうすると、隙間やムラが出来ず、隅々まで丁寧に色を付けることができると思うのです。

ビジネスも同じかもしれませんね。
結果が出ない時にも意味をちゃんと付与してあげる。事業なんて一朝一夕に結果が出るものはない。最短距離でゴールに向かいたいという気持ちを押さえつつ、考えて実行し、うまく行かなければやり方を変えてまた実行する。ある場合、環境(付き合う人や、事業を行う場所)を変えてみる。動きながら、変わりながら、前に進めるかどうか。

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11月に入ったばかりだと思ったのに、もう中旬に差し掛かりました。

今年も残すところ、あとひと月と半分。すでに年末進行の様相を呈していますが、年明けから春まで大きなイベントが待ち受けていることもあり、仕込みと刈り取りのメリハリを付けながら日々を丁寧に過ごして行きたいと思います。

それでは、今日から一週間、元気に参りましょう。

根を張り、花を咲かせるためには

朝と夜が涼しくなり、いたるところから金木犀の香りが漂ってきます。
我が家にも金木犀の木がたくさんあり、それぞれが花を咲かせ、香りを放ち、一年がめぐってまた秋が来たなと実感します。

金木犀のような植物のすごいところは、大して世話もしていないのに、そこに根を張り、毎年、花を咲かせること。主張も要求もしなければ見返りも求めない。それなのに、人を癒やし、動物や昆虫の糧となるんですよね。

広告やPRが効かなくなって久しいですが「本当に良いもの」は、金木犀のようなものだと思うのです。自分を誇示したり、自社の製品やサービスをよく見せようとしたり、必死でアピールしたりしなくても、良いものであれば自然と人が集まるし、売れるし、成長するし、社会に貢献する。一方、無理やりなものはすぐに見抜かれてしまいます。

良い意味で社会は成熟しているし、人はその裏側に有るものや本質に目を向けるようになっています。ハリボテで作られたものや、メッキが貼られた物はすぐにバレてしまい、本当に重要なこと、たとえば環境に優しいものや、人の温かさや、利他の精神や、愛や、思いやりや、社会の役に立ちそうなことが見えないと、相手にもされません。

高度経済成長期やオリンピックや万博などに代表されるように、未だに過去の成功体験や価値観から抜け出せず、今やっていることが上手く行かないことの原因が分からず、断末魔をあげながら、それでも過去の虚像にしがみつこうとして、周りに迷惑を掛けながらもがいているような光景も目にします。それは人も同じで、見ていて「そういうのはもうだめなんだよ」と思うこともあります。

分断が深刻な影響を及ぼしている現在、見えているものが本当に良いものなのかを見極める力が必要だし、自分は自分で自己研鑽が求められています。

金木犀のように、しっかりを根を張り、見返りを求めず、周りのために花を咲かせることができるか。日々、自己研鑽です。

魚のいない池に釣り糸を垂れていないか

現役女性大生、女子高生(もちろん娘たちのことです)と一緒に住んでいると、同じスマートフォンでも使い方がまったく違うなと思うことがあります。

そもそも利用しているサービスが違う。
インスタは同じかもしれないけれど、彼女たちは得体の知れない(少なくとも自分には馴染みがない)サービスを利用しているし、インスタの投稿もストーリーズのみ。FBなんて登録したこともなければ見たこともない。

僕の個人的な肌感覚では、30代前半くらいまでの層はFBに登録してはいても見ていないんじゃないかなと思っています(年代別登録率では30代が一番ですが)。一応、上司や先輩に言われて、あるいはビジネスで必要だという理由で登録はしているというレベル。自分からの発信は、Twitterか、すぐに消えるインスタストーリーズ、またはTikTokで、フォローしているのは自分が関心のあるアカウントのみ。つまり、僕たちが日々FBやその他SNSでシェアしている情報は、30代前半までのビジネスガチ勢以外の一般的な若手(若手というのか?)にはほとんど届いていないんじゃないかなと思うのです。

SNSでの発信は、自分を含む中高年が、同じ属性、同じ年代の中で、絵日記をぐるぐると回している感じなので、10代、20代、30代との世代間ギャップは生まれるし、これからの時代を背負っている、いや、すでに引っ張っている若者世代には、我々の日々の発信はほとんど何の影響も及ぼしていないということを考えると、バーチャル、リアル問わず、どこに行っても変わり映えのしない景色が広がっているな、同じ人としか出会わないな、と感じることに納得できるのではないでしょうか。

こういうことを考える時、自分たちが発信したい情報を、誰にどのように届けるか、その見極めがとても大切だということが分かります。魚のいない池に釣り糸をたれても何も引っかからないのと同じで、狙う獲物はどこにいるのか、どのようにすればコンタクトできるのか、これを考えなければならない。そして、それは単純にSNSでシェアすれば良いというものではない。見ているのは「いつものひとたち」だから、広がりがない。最初は広がっても徐々に縮小し、10年経てばほとんどなくなります。

またコミュニティに関しても、同じ属性・年代がいつもの場所に集まっているだけなので、新しいムーブメントは生まれず、結局、旧態依然としたビジネススキームを回しているだけで、イノベーションは生まれません。

では、どのようにすれば良いか。
それはやはり有機的な活動を行うリアルな団体間との連携であったり、企業、大学、地域のコミュニティなどの場との接続、異質な者同士が共感し合う、魅力的かつニーズのある理念、コンセプト、サービスの設計なわけです。「こういうのを求めていた!」というものを見つけ、なおかつ前述のような有機的なリアルな団体や、影響力の強い企業とのパイプがあると、一気に広がる可能性があります。

先日、第一回の服部足祭りが開催されました。
長年続く有名なお祭りならともかく「第一回」です。第一回にも関わらず、50社を超える企業の協賛、90名以上のボランティア、二日間で1万人以上の参拝者が集まりました。これはまさに、上記の条件をある程度満たしたものではないかと思います。

もちろん、これから長く続けていくために、進化し続け、改善を続けて行かなければなりませんが、モノと情報が溢れている世の中でも「良いもの」には自然と人が集まるということなんだろうと思います。

というわけで、なにかしら広がりがほしい時、ビジネスを拡大したい時、停滞しているように感じる時は、安全圏から出て、異質の空間に飛び出しましょう。

最近の仕事について

先週は7日間の内、ゴルフが4ラウンドというなかなかハードな一週間で、ガラスの腰が悲鳴を上げております。とはいえ、この時期はまだサマータイムでスループレーが出来るので、早朝からラウンドして昼過ぎには帰って仕事が出来るのが良いですね。

このような生活をしているものですから、松田は一体どんな仕事をしているのか、と良く尋ねられます。遊んでいるように見られますが、実はちゃんと仕事もしていまして。今日は少し長くなりますが、自分が今関わっている仕事について書いてみたいと思います。

当たり前かもしれませんが、仕事の多くは企業からいただくもので、その会社の中に入って新しい事業の立ち上げから軌道に乗せるまでの事業開発支援、会社の成長のために必要な人材を獲得し、目指すべき会社を作るための採用計画とブランディング、広告計画の策定、組織開発の支援、ポテンシャルユーザーと既存顧客の双方と効果的にコミュニケーションするためのマーケティング施策の設計と運用、SNS広告や動画広告を効果的に活用して商品の宣伝を行うことなど、幅広くたくさんの企業のビジネス支援を行っています。そして、関わっている企業の数々が着実に結果を出せているのは嬉しいことです。

もちろん、自分ひとりでは抱えきれない場合もあるので、ビジネスパートナーとして各地域の制作会社やマーケ会社に仕事を割り振りしながらチームとして支援させていただくこともあります。顧問、とか、アドバイザー、とか、コンサルタント、という肩書をいただくこともあります。また、上場を目指すベンチャー企業の社外取締役などもさせていただいています。いずれにしても、自分がテックの領域にいたので、その知見を活かす仕事が多いですね。

で、ここまでが「ビジネスとしての仕事」です。

それ以外に、ビジネスではないが「やるべき仕事」というのもたくさん抱えています。ボランティアワークとでもいいましょうか。具体的には、社団法人の活動や地域活動、大学との連携による社会課題解決の活動などです。

まず、理事を務める一般社団法人グローバル人事塾は引き続き毎月二回の勉強会を開催しながら精力的に活動していますし、この9月1日にはシニアのウェルビーイングと向き合う企業コンソーシアム、白秋共同研究所を一般社団法人化し、一般社団法人白秋共同研究所として立ち上げ、理事(監事)に就任いたしました。WEBサイトはまだ仮公開中なので、今後充実させていく予定です。これらの活動は、超高齢化社会を迎えている今の日本社会に必要な活動だと思い、ブラックボックス化されてきたシニアのキャリアという課題に風穴を開ける切り込み隊長のような役割を担うことができればと思っています。この辺りの戦略とビジョンについては、また別の機会に詳しく書いていきたいと思います。

さらに、地域活性化、自立分散化、コミュニタリズムといった文脈での活動も行っています。こちらについては非常に難しい課題ですが、脱資本主義を実現するために、資本主義を大いに活用する、といった自分なりの戦略で向き合っています。特にゴルフを一緒に回っている方々などはビジネスの第一線で活躍されている方ばかりですので、そこから様々な情報を得ながら、短期と長期の両軸を見据えつつ戦略を考えているところです。(←ここ、抽象的ですいません)本当にお金のあるところというのは、表に出てこないものなのです。

あとは、先日も書いた「思いはあっても仕事はない」という方々のために様々なアドバイスを行っています。これから起業や副業を考えている方、起業はしているけど、お金がない(儲かっていない)という方も含め、対応できる場合は時間を割いてお話を伺いながら、自分なりに微力ながらアドバイスをさせていただいています。

これらの一つひとつを深掘りしていくと相当なボリュームになってしまいますが、仕事ということを考えた時に、「仕事とは、事に仕える」ということであるならば、僕にとっての「事」とは、単にお金を稼ぐということではなく、社会にとって必要な「こと」や、人々が豊かに暮らしていける「こと」に、自分の経験や知識を活かせる(=仕える)かどうか、そこがもっとも重要な要素になっています。

これがないとやる気にならないし、志を共にする仲間たちと一つの目標に向かっていく瞬間が一番幸福感を得られるものだとも思います。明日からは関東出張。またね、一つ面白い話があるんですよ。今までになかった大学発のベンチャーができるかもしれません。

では、今週もおおいにがんばりましょう。

巨人の肩の上に立つことができているか

怒涛の出張ラッシュも終わり、今週は落ち着くかと思っていたのも束の間、非常に忙しい一週間となりました。日中の暑さは相変わらずですが、朝晩が少し涼しくなってきました。

さて、論文検索で有名な Google ScoLar の検索ボックスの下に「巨人の肩の上に立つ」(standing on the shoulders of Giants)という一文があります。

この言葉は「先人の積み重ねた発見に基づいて何かを発見すること」というメタファーであり、僕も好きな言葉の一つです。17世紀のアイザック・ニュートンが言ったという説もありますし、12世紀の哲学者ベルナールの言葉という説もあるみたいですね。歴史に名を刻んだ研究者から名もなき研究者まで、彼らよりも過去に生きた先人たちを「巨人」と呼んでいることに悠久の時の流れを感じます。

人間の歴史というのは、無数の発見と研究の積み重ねで、それぞれの時代を生きた先人たちの努力の一つひとつの上に、今を生きる自分たちも次の世代のために築き上げていかなければならないということなんでしょうね。それは研究者じゃなくても、同じことなのだろうと思います。

日々仕事をしていく中で、本当に自分は巨人の肩の上に立つことができているのだろうか、と感じることがあります。もちろん自分は研究者でもなんでもないから先行研究の上に自分の研究を重ねていくこともない、ただの一般人なのですけど、毎年同じことを繰り返していないだろうか、進歩し続けているだろうか、過去の教訓から学べているだろうかという意味で、振り返って内省することは多々あります。

やっぱり生きている限りは、年々自分自身をアップデートし、ただ時間を浪費するような仕事ではなく、目に見える変化を遂げていきたい。

そのためには、日々学びを怠らず、黙して成長を続けていくこと。
言葉と実績に深みを持たせること。

9月に入りました。今年もあと4ヶ月です。

クローズドな場とオープンな場

たまたまですが、先週末の二日間、両極端ともいえる新旧の文化に触れ、そのコントラストが非常にはっきりしていて心に残ったのでブログに書いてみます。

その新旧というのは、レガシーでクローズドな会員制クラブと、若くてオープンなビジネス・コミュニティです。重要な物事やビジネスの意思決定がなされていたクローズドな会員制の社交場と、SNSを駆使してオープンに仲間を集め、コトを動かすコミュニティ、その両極端ともいえる場所に、前者は土曜日、後者は日曜日に訪れました。

土曜日に訪れたのは兵庫県の鳴尾ゴルフ倶楽部。
元々あった場所から移転してきたとはいえ、このコースは開場103年(大正9年)と古く、日本最古のゴルフ場である神戸ゴルフ倶楽部(明治36年開場)、廣野ゴルフ倶楽部(昭和7年開場、世界のゴルフ場ランキング39位にランクイン)と並んで「御三家」と言われる名門ゴルフクラブです。

もちろん誰でもラウンドできるわけではなく、今回機会をいただいたのは自分が所属している千刈カンツリー倶楽部との連携があったからです。神戸ゴルフ倶楽部も一度ラウンドさせていただきましたが、今もクラブハウス内にはバーカウンターが残り、ここで会員同士がラウンド後に親睦を深めていたという歴史がありました。鳴尾も同じような雰囲気です。

様々な業界のキーパーソンがこのような社交場の会員に名を連ね、大きな仕事や政策を動かす場にしていたのでしょう。今でもゴルフ場で重要な意思決定が行われているというのは普通にある話ですし、そこまで大げさな話じゃなくても、僕自身もラウンド中に同伴者の方々から、ニュースの裏側に有るような話や、SNSでは絶対に流れてこないような話をお聞きすることがよくあります。

今は以前よりハードルも低く、カジュアルになったのかもしれませんが、他クラブとの交流戦などもよく行われているようですし、会員同士で仕事も繋がっているのでしょう。こういうところって、「誰々の紹介」というのがパスポートになります。

雰囲気のあるクラブハウス。

さて、そのような会員制社交場を堪能した翌日、若手の女性起業家によるビジネスコンテストのファイナルにご招待いただき、代官山に行きました。

300名以上の応募の中からファイナルに残った10名(上は26歳、下は現役大学生)の女性たちのプレゼンを投資家サイドで聴いていると、昨日のクローズドなコミュニティとは真逆の、オープンでカジュアルでイノベーティブな雰囲気を感じることができました。

彼女たちは当たり前のようにInstagramで自ら情報発信をし、ビジネスアイデアをこのようなイベントでプレゼンすることによって支援者や投資家、協業先にPRします。したいこととビジネスのつなぎ込みが上手で、息をするように資料を上手に作り、プレゼンをする。

何より、ビジネス・アイデアの内容が現代の社会課題を解決するものが多く、(儲かる儲からないは別にして)若者ならではの発想と観点で、自分には出ないなと感心しきりでした。前者とは比べ物にないくらい、オープンな場です。

重厚長大な歴史のあるものもあれば、オープンでライトなものもある。
自分はこれらの両方を行き来できているので、ありがたいなと思っています。

どちらからも刺激を受けているし、自分ものんびりしていないで、まだまだがんばらないと、と思うのでした。

純喫茶とビストロ

ここ最近のマイブームといえば、純喫茶めぐりです。

Mac Bookを開いて仕事をするにはスタバやタリーズなどのチェーン店が便利ですが、PCから離れて気分転換したい時、本を集中して読みたい時、そして、レトロな雰囲気に浸りたい時は純喫茶が良いですね。以前までは喫茶店といえば全席喫煙のところが多かったので、煙草が気になって敬遠していたのですが、今は分煙または完全禁煙のお店が増えてきたので随分入りやすくなりました。

さて、最近神戸で仕事をすることが増えてきたのですが、神戸といえば「にしむら珈琲」に代表されるように、老舗純喫茶が多い街です。打ち合わせの合間や、会食の前など、意識して街を歩きながら探していると・・・三宮や元町のそこかしこに喫茶店があります。

最近行った喫茶店で良かったのは、コーヒーポット(名ばかり分煙)、喫茶ボントン(1F禁煙、2F喫煙)、そして、モトマチ喫茶(完全禁煙)。
こういう喫茶店のアイスコーヒーって本当に美味しいんですよね。

路地裏にひっそり佇む喫茶店。震災を乗り越えた古いビルや建物に今も残る昭和の香り。カフェチェーンに負けずに何十年も営業を続けていること自体が素晴らしいです。

日本もヨーロッパのように「古きものほど良い」という文化を、神社仏閣や歴史遺産だけでなく、こういう何気ない街の建物やお店にも浸透させるともっと良いのに、と思います。どうせ新しい建物作ったって、人口減るから埋まりませんよ。そこにお金かけても回収できないのはわかっているはずなんですけどね・・・古いものを大切にリノベしながら使って行きましょうよ。なんつって。

神戸の路地裏といえば、バーやビストロも多くあります。

いくつかお気に入りのビストロがあるのですが、先日行った「BISTRO On-y-va ビストロオニバ」は、2020年のオープンという比較的新しいお店にも関わらず、すでに人気店となっていて予約必須でした。

17時半の開店時間に合わせて予約し、明るいうちからワインを堪能。
カルパッチョには白ワイン、名物ビフカツには赤ワイン。

カウンターだけの小さなお店ですが、マスターも笑顔が素敵な方で。
お客さんが描いたであろう店の絵からも、この店が愛されていることがひしひしと伝わってきます。客との距離が近いのはいいですね。

自分も歳を取ってきたのでしょうか。
小さければ小さいほど、疎であれば疎であるほど、静かであれば静かであるほど良いように思えています。

思いはあっても仕事はないという現実にどう対処するか

毎日暑い日が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今日からお盆休みがスタートするという方も多いと思います。大きな台風が来ていますので、日程や行き先によっては心配ですね。どうぞご安全に。

僕の方はというと、特にまとまった休みを取ることもなく普段どおりの生活です。ただ取引先が休みに入るので、打合せや電話がなくなりますから、このタイミングを活かして後手に回っていた資料づくりをとにかく集中して終わらせること。会社員ではない自分にとって、連休も週末も関係なく、休みたい時に休み、仕事したい時にするようなスタイルを「公私融合」というのかもしれませんね。合間合間にゴルフやランチ、飲みの予定も入っていてとても楽しみです。

さて、今日もまた、悩み相談に関することを書いてみますね。

先日は子育てに悩む親の話を書きましたが、今回は「独立したけど仕事がない、どうすれば仕事を増やすことができるか」という相談です。これ、本当に多いんです。同じように「将来的に独立を考えているが、どうしたら良いか」という相談もあります。僕自身もまだまだ発展途上の人間なのですが・・・多分、話やすいんでしょう。

いろんな人の話を聞いて思うのは、「自分がこういう仕事がしたい、自分がこういう世界をつくりたい、自分がこういう組織を作りたい」という自分の思いが先行している人が多いという点です。もちろん、自分の思いはとても大切です。でも「自分のこうしたい」で仕事を得てお金を稼ぐことが出来るほど、今の時代は甘くはないんです、残念ながら。経済が縮小し、大企業くらいしかまともに予算が使えない時代にあって、特に広義の意味でのコンサルは、専門性と実績、経験が重視され、プロ中のプロが群雄割拠している時代です。あなたに仕事を依頼する価値はどこにあるのでしょう?という質問に明確に答える必要があります。

実際、SNSでのセルフ・ブランディングと称して情報発信をがんばっていても、そこから仕事を得ている人、ビジネスがうまく行っている人って少ないでしょう?儲かってる風、なんでも知ってる風に見せている人ほど、全然うまく行ってないのが、世の常です。

さて、独立前に考えなければならない点は、自分の実体験からして以下の要素が重要だと思っています。

・自分が思う自分に対する価値ではなく、世の中での自分の価値を定量・定性評価し把握すること

・世の中にない自分の専門性と実績を持つこと

・世の中にない自分の専門性と実績を効果的に伝えること

・その専門性と実績が、世の中のニーズとマッチしていること

・それらしいことを言わない
(素人か専門家の違いくらいは読み手はすぐに分かる。また、薄い文章、どこかの受け売りは逆に信頼を無くす)

・修羅場のようなプロジェクトを何度も経験し、社内外で戦友を作ること


あくまで自分の実体験による考えですが、仕事を得るためには、要するに、世の中にない価値(専門性と実績)と、社外人脈、ニーズとマッチしていること、が重要ということです。当たり前のことですけどね。独立してから苦労する人が多いのは、どれか一つ、または全部がないためです。

ないならないで簡単、作りましょう。
あと専門性のところで付け加えるなら、インプットの量が絶望的に少ない人が多いように思うので、とにかく読み、学び、書くことも重要だと思います。

すべて、自分にも当てはまる内容で、自戒を込めて。
盆休み期間中は、インプットに最適ですね。

生存本能と転職の話

おはようございます。夏らしい空が広がり、ピカピカの晴天なのは良いのですが、朝6時でも既に陽射しがジリジリ。今週も暑くなりそうですね。

さて、先日の記事で「結局なんとかなる」という内容を書きました。
頭では分かっていても、先のことを考えると不安なのでなかなか一歩が踏み出せないのが人情というものですよね。でも人には生存本能が備わっているので、今いる場所の居心地が「本当に悪ければ」自然とそこから離れて、安住の地を探すものです。

転職の相談を受けることがよくあります。

転職すべきかすべきでないか。転職の理由として多いのは、自分自身のキャリアアップ、待遇、人間関係など様々です。でも、結局動かない人が多いのは、様々な理由に加えて「今の場所で生きている自分が想像できる」からだと思っています。特に経営理念に共感したり、自社の製品やサービスの大ファンだったりしなくても、今日、明日、一ヶ月後、一年後にそこで働く自分が想像でき、身体を悪くするほどのストレスがないのであれば、動く必要も変える必要もありません。あと「自分が抜けると回らない」という人もいますけれど、会社というのは誰が抜けても回ります。一人社長の個人会社でもない限り、極端な話、社長が突然いなくなっても、回るものなんです。会社や組織というのはそういうものです。

20代からの相談で多いのは、転職したいけれど今の場所で結果を出してから、というのもあります。営業職であれば数字という目に見える指標があるから分かりやすいのですが、それ以外の職種での結果を何で測るかは様々です。こういう相談を受ける時に必ず「もし結果が出なければ、一生そこにいるの?」と聞くと、皆さんうーんと唸るんですよね。つまり、そこにいるための理由を自分で作って納得させているということなんでしょう。あと、会社を変えるんだ、と鼻息荒く力説してくれる人もいますが、経営者が変わらないと会社は絶対に変わりません。ですので「変わる、変える」という文脈で話しても良いのは、そもそも経営者が交代できる仕組みが整っていることが大前提になります。

自分のスキルや市場価値というのは誰しも、なんとなく潜在的に分かっているので、損得やリスクを勘案して、動く人は動くし、そうでない人は動かない。そういう意味でも、なんとかなるもの。つまり、人って自然とあるべきところにあるし、住むべきところに住む。なんか達観したような話をしてしまっていますが、人の生存本能を甘く見てはいけないなと思っています(笑)

というわけで、今週もがんばりましょう!

今日の一枚は週末のゴルフ場の写真です。夏のゴルフ場の美しいこと!

朝の三時間で一日が決まる

人それぞれ、生活リズムというのがありますよね。

僕の場合は夜が弱い代わりに朝が強い、朝型人間です。朝の3時間で一日の仕事のほとんどをこなせてしまうくらい、朝が最も頭が働き、パフォーマンスが上がる時間です。独立して時間や場所に縛られない働き方をしているので、ゴルフやジョギングに行かない日は早朝に頭を使う仕事を終えて、日中は打ち合わせや会議などに時間を割いたり、買い物に行ったり自由に過ごしています。

管理の問題があるとはいえ、朝9時〜18時勤務のような働き方ってやっぱり非効率だよなあと改めて感じています。が、こればっかりはなかなか変えれないでしょうね。社会の仕組みがそれで回っていますものね。

そういえば、以前サンフランシスコでお会いしたヘッドハンターの方は、トライアスロンを趣味(というかほとんど仕事)にしておられて、早朝にスイムとジョギングを一式こなし、その後、10時〜16時まで仕事をし、帰ってバイクを漕ぎ、スイムをしてから食事を撮り、20時には就寝という生活をしているということでした。夜が使えないので、会食とかはすべて断っておられるとのこと。

その話を聞いた当時は、そんな短時間しか働かないでよくやって行けるな〜と感心していたのですが、今の自分も多分そんな感じの生活をしていますので、やってみないと分からないものですね。

話は変わりますが、海外を飛び回っていた前職時代と違い、自宅をベースに仕事をしていると、目線が変わっていくのを実感しています。以前は目線は高く、広く、常に上を向いて、という状態だったのが、今は半径1mを大切にしたいなと思うようになりました。外も良いけれど、庭仕事や料理など日々の暮らしの中での楽しみがたくさんあるし、自分が住んでいる地域やコミュニティを良くして行きたいと思っています。

そんなこんなであっという間に7月も半ばですね。
暑い日が続きますので、どうぞ皆さんお身体には十分お気をつけてお過ごしください。

最後に最近食べたジャンクなものを載せておきます。
あー美味しい!