人の洪水と野犬とクラクションのカオスに、最先端テクノロジーが存在する国。

人の洪水、生活の風景に自然に溶けこむ野犬、そして野放しの牛。けたたましく響くクラクションにひどい交通渋滞。今日は現地のパートナー企業の視察と商談のために車に乗せていただき、バンガロール市内と県をまたいだ場所まで連れて行っていただきました。インドのシリコンバレーらしく、ハイテク企業がカオスの中に自然に存在しています。

こちらはBOSCHやBroadcomが入るビル。
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こちらはアクセンチュアのビル。
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BOSCHのインド本社です。
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世界有数の規模を誇る、インド第二位のIT企業インフォシスの本社ビルの内の一つ。広大なキャンパスが広がっています。
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カオスのような風景の中で先端技術をやっているんですから、本当にインドという国は分かりません。このような風景の中に・・・
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高多層基板の試作専門の会社があり、その高品質さからインド一の試作基板会社と名が高く、インド国防省だけでなく、イスラエルやドイツなど世界中の先端企業から基板の試作を受注しています。
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また個別に記事にしようと思いますが、視察させていただいた工場内はかなり美しく、廃液のリサイクルも80%(!)を越え、環境にも億以上の額が投資されています。かなり驚きました。
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インドは深い。空港に向かう途中の大渋滞の原因は、先で燃える車だったりするし・・・
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プロレスの興行のようなポスターが至るところに貼っていたりするのがいかにもインド的です。
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今回の出張で現地の代理店企業の助けもあり、進出の足掛かりを作ることができました。お世話になった皆様に心から感謝です。

とにかく面白い!インドの政策とIT産業

出張でインドのバンガロールに滞在しています。ホテル入りしたのは夜中の1:30。そこからシャワーを浴びて5時間睡眠して、すぐにセミナーが始まりました。さっきまでローカルの代理店、協力会社の皆様とディナーミーティング。アメリカでもインドでも中国でも、海外出張の時はいつも到着日の一日が長い!しかし不思議と身体も慣れるものです。

昨日からインドは高額紙幣の使用停止で若干混乱気味です。日本でもニュースになっていますね。”「高額紙幣は無効」インド首相が突然発表 混乱広がる”(朝日新聞デジタル)地元の人と話をしていると、パキスタンなどで刷られた偽札が国内で普通に流通しており、日本では考えられないことですが、インド金融システムの中になんと450億ドル(4兆5千億円!)が入り込んでいるようです。まるで「ルパン三世 カリオストロの城」状態。モディ首相は昨夜8時に突然、500ルピー紙幣と1000ルピー紙幣の使用停止を発表しました。目的はもちろん、偽札排除です。こちらのTVでは、「Byebyeblackmoney」というハッシュタグが生まれるほど、そのニュースでもちきりです。

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イスタブリッシュメントの間では、この突然の決断を指示する声が多いですが、一般庶民の間では混乱が広がっている様子。このような突然の政策が通用しちゃうのがインドのすごいところですね。

さて、バンガロールのIT事情に話題を変えましょう。

ここバンガロールには、インフォシスやウィプロといったインドを代表するソフトウエア企業を始め、アメリカからはIBM、Cisco、Intel、Honeywell、BroadcomなどのIT先端企業のR&D拠点やバックオフィス拠点が多数存在しています。ちなみにIBMだけでインドには15万人のスタッフがおり、バンガロールだけで100万人以上のITエンジニアが各企業で働いていると言うことで、そのスケールの大きさをイメージしていただけると思います。もちろん、高度に発達した大学や教育期間が人財排出の一翼を担っているわけですが、本場シリコンバレーがスタンドフォードやCALTEC、UCバークレーなどを中心に形成されているのと良く似ていますね。そして日本との大きな違いは、公用語はヒンディー語であるにも関わらずビジネス公用語は完全に英語であるという点です。ほとんどのビジネスマン、エンジニアが普通にバイリンガルなんです。ビジネスが英語で普通に出来るので、アメリカはじめ先端企業がインドに進出しやすい訳です。やはり言語の壁って国を鎖国化してしまいますよね・・・AIの時代になって言語能力が不必要になった時、日本にもチャンスが来るかもしれません。

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いろんな意味で優秀でスケールが大きいインドですが、経済格差は深刻なほど広がっているとのこと。まるでアメリカや日本が直面している問題と同じ問題がここでも起こっており、資本主義の限界を見た気がします。いずれにしてもビジネスチャンスだけを見ると、ここには様々な機会がゴロゴロしています。本当に僕が想像していたインドではなく、こうしてホテルで仕事をしていると、サンフランシスコやサンタクララにいるのと同じ感覚になってしまいます。

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インドの協力会社との会食。中国からもシミレーションのエンジニアが来印していました。

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とにかく面白いインド。
明日は顧客訪問です。良いビジネスに繋がりますように。

[海外スタートアップスのプレゼンを聞いていて]強みを明確化することの重要性

朝の関空からおはようございます。
今からバンコク経由でインドのバンガロールに向かいます。

さて、昨日はハードウエアスタートアップスのプロジェクトプラットフォーム「HWTrek」と大阪イノベーションハブ(OIH)、MakesBootCamp主催のミートアップが大阪産創館で開催されました。海外のハードウエアスタートアップスが15社ほど来日し、それぞの製品のプレゼーションを行い、関西の中小企業とのビジネスマッチングを行うという内容、僕もイベントのスポンサー企業(Quadcept Inc)を代表して登壇させていただきました。

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各国から集まったスタートアップスのプレゼンを聞いていると、アイデアを試作レベルで具現化し、クラウドファウンディングやVCから資金調達し一気に量産化に持って行くという既定路線のシナリオに加え、知財保護(IP)や盗作を防止するためにCFは使わず、クローズドなイベント出展や企業とのタイアップの中で慎重にスケールしていく会社も増えているなという印象を受けました。いずれにしても、他の競合製品とどこか違うのかという強みを明確化している製品ほど(オリジナリティやテクノロジー面でのブレイクスルーを含め)印象に残っています。

ある行政の方とイベントの後に話していたのですが、日本の製造業の中には、大手メーカーからのオーダーによる受託生産、下請け体質から脱却しきれず、強みは何かと聞かれた時に「何でも出来ますよ」ということが「強み」になっていて、あくまで仕様書を提出してもらった上で相談となるので時間も掛かるし、海外の企業にとっては「一体何を相談したら良いのか分からない」という点に陥りがちだということも多くあるようです。もちろん、全てがそういう体質ではないのは承知ですが。

単純にQCD(品質、価格、納期)全てにおいて秀でていますよ、であれば、中国の企業なんてどこも同じことを言うので、じゃあ一体どこを選べばいいのか、と。更に日本の場合はそれに加えて言語的なビハインドもあります。英語ができて技術が分かるような人財は中小ではなかなか採用することが出来ませんから、どこも困っているようです。

他社と比べて安いです、早いです、だけでは強みにならない。何でも出来ます、も強みではない。自分たちの技術がどのような価値を生むのか、今一度しっかり見直すべきだと認識しました。リストアップしてもいいし、取引先や社員にアンケートをとってもいい。まずは持てる武器を明確化するということ。もちろん、これは会社としても個人としても。自戒を込めて。

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建物がなければもっと広く大きく見えるのにね

このブログに掲載している写真のほぼ全てはiPhoneで撮ったものです。もちろん、11年以上もブログを続けているので、iPhoneを入手する前はガラケーで撮ったものも多いのですが、それは別として。

たまに、自分の感覚と撮れた写真が実に一致することがあります。あ、きれいだなと思うことがあるとすぐにiPhoneでパチリとするのですが、その「きれいだな」という感覚を写真が見事に再現、あるいはそれ以上に美しく写してくれるのです。

下の写真は先日車の中から撮影した夕焼け空。次女と一緒にファミレスの駐車場から出てきた時に、車内から思わず撮影してしまいました。実に瞬間的な行動です。でも、直感に動かされたその瞬間的な行動を8メガピクセルのカメラが証拠として残してくれたのです。なんというのか、人馬一体というか。

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きれいな空だね〜というと次女が 「建物がなければもっと広く見えるのにね」 と言いました。ほんとそのとおりです。山の上や船の上から見たらきっともっと広く見えたことでしょう。

さて、今日は土曜日ですががっつり出勤です。
来週の、大阪産創館で開かれるイベントと、インドのバンガロールで使うセミナー資料の整理。来週から再来週に掛けては出張ウィークになりそうです。今を作るシゴトと、未来を作るシゴト。今日も集中力一本勝負でがんばります!

今日も良い一日を!

IN YA MELLOW TONE 8 ~ One Child feat. Eva Li ~Gemini remix~ Jason Chu

朝礼暮改

昨日、天気のことをボヤいていたら今朝はこの空。
ああ、なんだかありがとう。救われました。

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とはいえ、各地で台風の被害に合われた方のことを考えると自分だけ救われても仕方ありません。早朝ランニングをしながら新鮮な空気を吸い、クリアな空を見上げつつ、ニュースで見た韓国の映像を思い出していました。

朝は多少、混沌とした思考でしたが、しかし今はさっきまで一緒に飲んでいたイキの良いスタートアップスのファウンダーの面々の顔を帰りの電車で思い出し、未来は明るいなと感じています。色々苦労はあるが、乗り越え乗り越えを繰り返してゆえのイノベーション。彼らのような人種がいるからありがたい。一種の朝礼暮改。

閑話休題。

最近、うちのクリエイティブ部のマネジャーの影響で、味噌があれば味噌ばかりをオーダーする癖がついてしまいました。こちらは先日、希望軒で食べた、胡麻味噌ラーメン、そして今日のランチは亀王の味噌ラーメン。味噌、味噌、味噌。豚骨、醤油、塩ばかりを食べていると飽きちゃいますよね。今は、味噌っす。そして、ラーメン食べると元気が出ます。

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[シリコンバレー通信]新社屋建設〜NVIDIA編〜

前回の記事でAppleの新社屋「Apple Campus 2」の近況を報告しましたが、拡大を続けている企業はAppleだけではありません。

Quadceptアメリカ支社(サンタクララ)の向いには、グラフィックス処理、演算処理の高速化で世界をリードするGPUメーカー、NVIDIAが、既存の社屋群のとなりのブロックに新社屋を建設中です。

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こちらは体育館のような建物になっており、やはり巨大。
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少し離れて全体像を。
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このNVIDIAですが、企画設計と買収で大きくなった、ファブレス企業(工場を持たない企業)です。このNVIDIAがGPU市場で大きなシェアを持つため、IntelがALTERA、Nervanaを買収して、この分野での打倒NVIDIAを宣言しているのも興味をそそります。

シリコンバレーでは、GoogleにしろCiscoにしろ、潤沢な資金で活発に買収を行うジャイアントが多数存在しており、それぞれが巨大企業として一つの町を形成しています。ここに来ると、建設中の建物から、業界の動きを感じることができます。

一方、Quadceptアメリカ支社です。カリフォルニア特有の晴天です。

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建設中のアップル本社が姿を現し始めた

数カ月ぶりに来てみると、宇宙船アップル号(新社屋「Apple Campus 2」)の全貌がかなり明らかになって来ました。

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ちなみに完成予想図はこちらです。
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写真でこの巨大さを表現するのは難しいですが、約202万平方メートルの敷地ですから東京ディズニーランドよりも大きいです。この社屋で一万人以上の社員が働く予定となっており、クパティーノ周辺の住宅は高騰を続けています。

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iPhone7が発売されていますが、ここクパティーノのアップル本社のストアも大盛況でした。あまり列ができているのを見ることがないので新鮮。今年に入ってストアの規模も縮小されてしまったからか、皆さん外で待機です。しかしこちらは気候が良いので外の方がかえって気持ち良かったりするのでオールOKです。

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並んでいる人をひたすら撮ってみる。
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来る度に何かが変わっているシリコンバレー。アップルやテスラが転けたらみんな転けるというローカルの人もいますが、まだまだ転ける気配はありません。

日本もがんばろう。

[PCB-WEST2016]石の上にも・・・群雄割拠のシリコンバレーで製品の認知を高めるために

PCB-WEST2016のExhibitionは水曜日の一日だけの開催です。Technical Conferenceは三日間ずっと行われているので、各国からの来場者で今日もSanta Clara Convention Centerは盛り上がっていることでしょう。

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さて、Quadcept Incとして、今年のPCB-WESTはニ回目の展示会になりました。今からニ年前の2014年の9月に初めてPCB-WESTを視察に来て、その翌年2015年1月にはDesign Conに、そして同年9月にPCB-WESTに出展。PCB-WESTに関しては今回が二回目となります。

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Intel、Tesla、Apple、NVIDIA、Google・・・など時代の先端を走る企業から、ローカルのデザイン会社、スタートアップスに至るまで、ベイエリアの回路設計、基板のレイアウト設計に携わっている方に徐々に「Quadcept」の名前が知られて来ているという実感を感じることができました。ダウンロードして使用してくれているユーザにも何名かお会いすることができました。とてもうれしいことです。CADの乗せ換えには、企業方針、ライブラリデータの問題、過去のデータ資産を流用、活用するためのコンバートの問題がありますが、それらを解決するソリューションを用意し、忍耐強くプロモーションしていると少しづつユーザが増えてきます。やはりキーワードは、継続すること、サービスをリリースし続けること、そして、部品調達や製造、実装会社など、外部の協力会社とのパートナーシップが不可欠です。

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そして、業界内外に、たくさんのビジネスパートナーや友人たちが出来てこのような展示会で再会して「おー、久しぶり!元気!?何か新しいニュースはある?」と言ったような会話から、ガチのビジネスミーティングまで様々なミートアップや、セッションを行うことができています。石の上にも三年と言いますが、ただ来るだけではなく、しっかりとした目的を持って年に数度もシリコンバレーを訪れていると、ビジネスも徐々に形になってくるものです。

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展示会は終わりましたが、まだビジネスミーティングは続きます。とても良い波が来ていると思っています。木曜日、金曜日の二日間、引き続きがんばります。

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松田知樹
(Quadcept Inc. COO/Marketing Director)

[クラフトビールを飲みながら]Innovationを起こすべく固い握手を交わす

定刻どおりサンフランシスコ国際空港に到着。
レンタカーをピックアップして、マウンテンビューへ。打ち合わせまでの時間をスタンフォード大学で過ごしました。

世界中からエリートが集まる全米屈指の学府です。大きな塔は、スタンフォードのシンボル、フーヴァータワーです。
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3ドル払えばガイドの方の案内でタワーに上がることができます。パロアルトの美しい町並みと広大なキャンパス。ここに来ると元気になります。

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その後、Santa Claraの会場に行き、セットアップを終えた後はクパチーノのApple本社横にあるクラフトビールの専門店 ”BJ’s” に、ミネソタからやってきたビジネスパートナー、Digi-Key社の親しい担当者二名とのミーティングのために向かいました。

シリコンバレーは期待通りの爽やかな晴天です。
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久しぶりの再開となったDigi-Keyの面々と、一通りの打ち合わせをし、イノベーションを起こすべく業界の課題に対して解決する方法を話し合い、固い握手を交わしました。
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初日から駆け足でしたが、韓国からきたビジネスパートナー、Polliwog社のみんなとも会ったり、馴染みのレストランでいつも親切にしてくれる友人たちと再開したり、ここでは、本当に様々な国からやってきた友人たちと出会うことができます。

そうそう、車を運転しながらなので上手に撮れていませんが、宇宙船のようなクパチーノのAppleの新社屋がその姿を現していました。四ヶ月前はここまで出来てなかったのに、急ピッチで工事は進んでいるようです。
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帰国後は秋めいていることを期待して

関空からサンフランシスコへは、UNITEDが直行便を毎日運行してくれています。

夕方のフライトに搭乗するため、いつものようにお昼に会社を出発して関空へ。今から、今年三回目のSFとシリコンバレーに出張です。毎年9月の現地は快晴の日が多く過ごしやすいので、この高湿度、蒸し暑い日本をしばし離れられるのが少しうれしかったりします。朝ランの時も汗がすぐに引くのが気持ちいいんです。

さて、今年も我がQuadcept社は、Santa Clara Convention Center で開催される PCB-WEST 2016 に出展します。情報はこちらからご覧ください。IoT関連製品が前年に比べて増えているような予感。前後の日程は現地企業や開発パートナー企業との打ち合わせが目白押しです。さあ、がんばろう。

それでは、次回の更新はCAから。
行ってきます。

Head out to PCBWest at Santa CLARA CONVENTION CENTER, CA. Hope to see you at exhibit booth 311 this Wed. Come to our booth and join the conference. Looking forward to meeting you. (CONFERENCE:September 13 – 15 EXHIBITION: Wednesday, September 14) http://www.pcbwest.com/

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