アイデアやクリエイティビティはどこから生まれるか


某メーカーの開発担当者とMTGをしている中で、面白い話を聞きました。日本のものづくりやITサービスが海外勢に押されてプレゼンスを低下させている原因として、長引く不況が影響しているのではないか、と。

不況時には、会社はコストカットと経営資源の効率化、利益最大化を目指します。人員を削減して必要なリソースだけを残し生産性を最大化させる。省資源で利益の最大化。一見、これらの施策はスマートで効果を生むと考えられがちですが、実はその逆である、と。ものづくりにしてもサービスにしても、アイデアは全てのプロダクトの出発点であり、クリエイティビティはそのアイデアを最高に魅力的なものにしていく。では、そのアイデアやクリエイティビティは、どこから生まれるのか、ということです。

省資源化により、仕事を詰め込まれ、夜遅くまで仕事をし、生産性ばかりを追い求められて目先の仕事をこなすことばかりに時間と体力を奪われてしまうと、新しい発想や柔軟な思考が生まれる余地がなくなってしまう。人は「生き物」ですから、体力や気力に限界があります。日々多忙を繰り返すと、思いを巡らす余地もなければ、帰宅と同時にバタンと寝て、朝を迎える。このような日々の繰り返しでは、アイデアもクリエイティビティもあったものではない、「革新的な新製品を開発しなさい」と言われても無理だ、という訳です。

Googleでは「20%ルール」というものが存在します。ただでさえ趣向を凝らした創意工夫溢れる職場環境で、ジムや社食もフリーで使い放題であるにも関わらず(最高の環境だ!)、その上、業務時間内の20%は業務以外のことに使って新しい価値を生みなさいという制度。Googleはテクノロジーオリエンテッドな会社であるからこそ、エンジニアはルーチンではなく、新技術を実験的に試したり自由にプロトタイプを作ったりすることによってコアプロダクトをベースにした新しいサービスを生むヒントを得ることができるのです。なかなか普通の会社では出来ないよね、と思うかもしれないが、その発想こそが「普通の会社」である所以である、と。そのような話をいつもの整備された会議室ではなく、スターバックスでコーヒーを飲みながらしていました。彼は最近、打ち合わせを極力、カフェや社外で行うようにしているそうです。環境を変える方が色んな話をすることが出来る、という効果を実感しているそう。また、会社としての取り組みとして、社員一人ひとりに予算を与え、好きなことをさせることによるマネジメント力の強化プログラムを考えているようです。詳しくは書けませんが、非常に面白い試みだと思っています。


大きな組織の中にいて環境を変えることは難しくても、個人レベルで取り組めること、ちょっとした発想の転換で普段と違った光景を見ることは可能です。僕もその点は日々意識していて、例えば、ジョギングをしたり、読書の時間、勉強の時間を持つこと、そしてその時間は出来るだけ実務的なものから離れたものに触れるようにしています(この件については「週末リベラル・アーツ」という記事でも簡単に書きました)。

子供たちが夏休みに入ったこともあり、毎朝6時半から近くの公園にラジオ体操をしに行くのですが、今朝、僕もジョギング前にラジオ体操に付き合うことにしました。高齢者を中心に意外な程たくさんの方が参加しておられ、僕も十数年ぶりのラジオ体操を行いました。あの音楽が流れだすと自然に身体が動く。染み付いているんですね、ラジオ体操。日本人であることを実感しました。

業界関係なく、一日のほとんどをPCの前で過ごす人、ラジオ体操良いですよ!あの運動は肩こりに効きますわ。今一度、見直されても良さそうな体操ですね、きっと良く考えられているのでしょうね。

さて、話が逸れましたが、環境を変えてみる、仕事以外のことに意識的に打ち込んでみる、というのは脳を柔軟にするのに役立ちそうです。何をしようかと考えるだけでワクワクする。そしてそのことを仕事に還元する。良い循環を生むことができる方法を色々と模索したいと思います。

明日への糧となるメッセージ


連休最後の夜は、起業家の金言を読み、新しい明日に向けてのスイッチを入れるべし。
という訳で、デザインに特化したキュレーションECサイトとして大成功しているFabの創業者でCEOのJason Goldberg がブログに掲載した「90 Things I’ve Learned From Founding 4 Technology Companies」(4つのテック系企業を創業したことで学んだ90のこと)が素晴らしかったのでご紹介。その原文を翻訳したサイトを目にし、起業家精神に激しくインスパイアされたのでここでリンクを貼り一部転載させていただきます。

【ビジネス】Fabの創業者が起業で学んだことが素晴らし過ぎる!
(出典:SHINYA HAYASHI NOW)

共感した点を幾つかサイトからピックアップ。

“あなたの会社のオンリーワンを見つけろ
あなたのオンリーワンは3つの真理の交差点で見つかる。

・あなたとチームが最も情熱を傾けられること。
・あなたとチームが世界で一番になれる一発を持っていること。
・巨大な未開拓な市場があること。”

その3つ意外のことはすべて邪魔なものと認識し、排除しなければならないと、Jason Goldbergは語っています。また、”あなたのプロダクトが素晴らしいかどうかはどのくらいあなたのユーザーがそれを使い、それから価値を得ているかだけでしか分からない” とか、”1年で反響を得られなければ、ピボットしろ。一度ピボットしたら集中し、振り返るな” といったように、明快でスピード感がある経営判断の必要性も強調しています。

“ジムに通えそれか少なくも週四回は走れ”や、”8時間以上のフライトでなければ飛行機で酒を飲むな あなたを駄目にするし時間の無駄だ。”など、納得できる点もしばしば。スランプの時や考えがまとまらずにブレイクスルーしない時などは身体を動かすことが一番であることは僕も日々経験しています。頭が鈍重な時は昼寝をするよりも、5kmくらい走ってきた方がスッキリするし、また続きを始めようと前向きな気分になりますよね(今日も身体が重たかったので5km走ってきたらスッキリ)。

“成熟しろ、だけど大人になるな”
“しかし、世界を変えろ。意味のあることをしろ。違いを生み出せ”

など、気持ちを鼓舞する内容も。

Jason Goldbergはポッと出で売れたラッキーな経営者でも、スマートな経営者ではないところが味噌。4つのテックカンパニーを起業し、失敗も経験しています。40億円を失ったこともある。それでも再チャレンジ出来るところは「投資大国」アメリカならではの土壌だからかもしれないけれど、キレイ事では済まない経験をした上での言葉は泥臭く、含蓄があります。人生一回。様々な起業家の言葉を読み、聞くたびに、毎日を後悔のないように生きることが出来ているか、ジョブズが言うように「今していることは明日死ぬとしてもしていることなのか」どうか自問自答させられます。「考えると同時に行動を」これ、今からのテーマ。

こちらのインタビュー記事もとても良いのでご参照を。
INTERVIEW「Fab」のCEOが語る:「ぼくが4,000万ドルを失ってもカムバックできた理由」
http://wired.jp/2013/06/15/fab-jason-goldberg/


明日からまた新たな一週間。
梅雨も明け、すっかり夏本番。

今も燦然と輝く、「ネクストレベルへ行け」。


ネクストレベルへ行け。

2008年のNIKE Football のコピーがあらためて秀逸。
色々と企画を考えていて、ふと社内のマーケッターMさんの机の掲げられているこのコピーに目が留まりました。少なくとも今の自分に必要な言葉。現在のコンディションでは、ケツを思い切り蹴り上げられるようなコピーの数々です。奮い立たされるというのはこういうこと。

自分の弱点から目をそらすな。

その弱さを強さに変えろ。

生まれつきではない、第二の天性を自分で身につけるんだ。

ピッチ全体が見えているか?

1対1の勝負を常に意識しているか?

球際で勝つことができるか?

燃えたぎる情熱はあるか?

自分を冷静にコントロールできるか?

下を向いた仲間を励ますハートがあるか?

君は敵にとって危険な選手か?

それともノーマークの選手か?

敵からペナルティーを奪えるか?

監督は君にキッカーを任せてくれるか?

ミリ単位のキックの精度はあるか?

巻いて狙うボールを蹴れるか?

無回転はどうだ?

ゴール前の嗅覚はあるか?

キーパーをかわす落ち着きがあるか?

ペナルティーエリアの外から狙えるか?

ディフェンダーを背負って決められるか?

最後にプレーした試合はいつだ?

次の練習はいつだ?

他のヤツより1本多くダッシュしているか?

練習がない日も練習しているか?

失敗を人のせいにしていないか?

自分で考えてプレーしているか?

チームメートを本気で怒鳴れるか?

練習でも叫ぶほど悔しがれるか?

次の局面をイメージしているか?

スタンドを沸かせる創造力はあるか?

いつも自分の限界を超えているか?

今のレベルでもう満足か?

君はどれだけ本気でフットボーラーになりたいと思っているんだ?

ネクストレベルへ行け。

問い続けること


なぜ? 
どうして?

仕事でも学びのシーンでも、千本ノックのように問い続けることが肝要なのだろうと思います。問うことから、考える行為が生まれ、考えることからアイデアやソリューションが生まれる。そして、その生み出された何かに対して、さらに問う。どうしてこうなるのだろう、どうしたら良いのだろう、ひたすら問いを自分にぶつけ続けることによって、考える力が養われ、答える力が身に付く。反復練習。

しかし日々の生活に流されていると「問いかける」ことが少なくなりますよね。そんなこと考える時間がない。心身共にリラックスして落ち着いた状況の中でなければ、ゆっくり思い巡らすことなんてできない・・・。いやいや。普通に生活している人の中で、一日のうちに贅沢にゆっくりとリラックスできる時間を持つことができる人がどれほどいるでしょうか。きっととても少ないと思います。では、どうすれば良いのか。意識して問いかければ良いのです。ええ、先程そのことに気付きました。

今から1時間程前、帰宅途中の電車の中で政治関係の本を読んでいました。いつものようにただ文章を目で追っているだけ。お決まりのマルクス・レーニン主義について記載されている箇所で、ふと、いつもと違う感覚を覚えました。「・・・この革命がどのような仮定から生まれてくるかといえば、それは近代資本主義の発展の結果必然的に到来するというのである・・・」という一文があり、瞬間的に「え?なんで?」と思ってしまったのです。「なんで、必然的に到来するの?」この問いが発生してから、そこから先が面白い面白い。なるほど、あまり興味の持てない分野でも、意識的に「問いかければ良いのか」と思いましたですね。

普段の通勤電車で、景色を見て歩いている時、仕事のメールを打っている時、これをしなさいと指示された時、取引先と話している時・・・どんなシーンでも「問いかける」ことを意識して習慣付けることができれば、考えに広がりと深みが出る。

これからちょっと意識的に取り組んでみたいと思います。

So what, so why.

企業説明会で既卒者にこんな話をしました


昨日、理系の既卒者向けの企業説明会を開きました。
その中で話をした内容の一部を幾つかピックアップします。

当社は、革新的な製品を生み出し続けるテクニカルなITベンダーです。ここで働く人々は、エンジニア、プログラマ、デザイナー、マーケッターなど、それぞれ専門的な技術を持っています。テクニカルな会社と言うと、クールなイメージがあるかもしれませんが、私達は逆に、温かくて、礼儀正しく、親切で、誰にでも挨拶をすることを大切にしています。皆さんも、説明会のセミナルームに入る時、社員が元気よく挨拶してくれたのを見て驚かれたのではないでしょうか。デジタルな時代こそ、血の通った関係、相手の目を見て気持ちを伝える関係が大切だということを知っているからです。

・結果を出すこと、稼ぐこと。

当社は普通の枠組みで物を測りたくない会社です。
会社というのはこうあるべき、ビジネスマンというのはこうあるべき、という考えはあまりありません。もちろん、マナーや礼儀は重要ですが、それは「相手に対する気持ち」があれが誰でも出来ること。それよりも大切なのは「きちんと結果を出すこと」です。

自社の製品開発、サービス開発、受託案件でも、必死でやって結果を出す。それを続ければ会社は必ず成長します。そしてそこから繋がるのは 「徹底的に稼ぐこと」です。ですから、それ以外のことについては余りこだわりません。いくら格好いいことを言っても、美辞麗句を並べても、稼がなければビジネスをしている意味がありません。結果を出すために、もう一つ大切なことがあります。それは、「とにかくお客様目線であること」。成熟したこの時代、質の悪さ、適当な仕事は簡単に見破られてしまいます。つまり、結果が出ません、稼げません、お客様に喜んでもらえません。ですから、お仕事をさせていただいているクライアントさんからの要望には徹底的にお応えします。

枠にとらわれないこと。

世界を見渡した時に、出来るビジネスマンというのは会社名や肩書きではなく、 「僕は◯◯です」と名前で自分を自己紹介しますね。 つまり、自分は、自分なのです。僕はこういう仕事をしていたけれど、今勤めている会社ではこういう仕事をしています、という人がゴロゴロしています。 システムエンジニアから金融に行ったトレーダーもいますし、営業マンからエンジニアに転身した人間もいます。 つまり、自分はこういう人間だと決めつけてしまうと、そこからの成長もありませんし、思考が停止してしまって面白くない人生を歩んでしまうことにもなりかねません。

会社も同じだと思っています。 うちはIT企業です、ソフトウエアベンダーです、Sierです。 分かりやすいのでそういうこともあります。 しかし、それって「今」の姿です。これだけ変化のスピードが速い時代、うちはこれです!ということに、果たして大きな意味があるのでしょうか。 当社のメンバーはITが大好きですし、お客様が喜ぶ顔が大好きですので、そこから大きく逸脱した会社になることはないかもしれませんが、将来的にどのように発展していくのかについては、決め付けないようにしています。

皆さんも、決して、決め付けないように。
これほど変化の速い時代、「自分はこういう人間で、こんなことしか出来ません」では誰も見向きしてくれなくなりますよ。そういう人間は他にも代わりがゴロゴロいるからです。そして、「マイペースで、無理せずに、」という言葉もあまりお薦めしません。先に言いましたが、これほど変化の速い時代、そんなことではいつまでたっても成長できず、あっという間に取り残されてしまいます。視野を広く持ちましょう。
5年で習得できることを1年で習得することは、脳から血が出るような、毎日毎晩吐きそうになる程のプレッシャーがあります。でも、一度そこを乗り越えてしまうと、後が楽。そこから先は、習得した知識とノウハウをベースに、自分でどんどん新しいものを自由に作っていけば良いのです。それでも、「いや、マイペースでコツコツがんばります」という人は、はなくそでもほじっていてくださいね、ということになってしまいます。

全員精鋭主義

少数精鋭ではありません、全員精鋭主義です。 これには各分野、職務においてプロフェッショナルでいることが 求められます。野球チームを思い出してください。それぞの打順、ポジションで最大限のパフォーマンスを発揮することでチーム一丸となり、勝利という果実を得ることができます。誰かがサボってしまうと、チームは負けてしまいます。全員力で勝つチームを目指しています。

主体性と当事者意識

「主体性」とは、「自分の意志・判断によって、みずから責任をもって行動する態度のあること。」と定義されています。指示を待つ、環境が整えられるのを待つという姿勢は、主体的ではありません。受動的です。受動的な人間は言い訳をしますし、環境のせいにします。「俺がヒットを打てなかったのは、観客のヤジのせいだ!」という人間に一流の選手がいるでしょうか?自分の意志で、責任を持って行動することで、道は切り開かれます。
MITメディアラボの石井教授のこの記事を読んでみてください。
当事者意識とは、”何らかの物事やプロジェクトなどに参加している当事者である、関係者である、という意識のこと”と定義されています。この意識がないと、他人任せになってしまい、自分の事は棚に上げ、誰かがやってくれるだろう、という意識が芽生えてしまいます。 ということで、辛いこともたくさんありますが、楽しいこともそれ以上にたくさんあります。この辺りは働く社員達の表情を見て感じ取ってください(説明会の間、会議室のパーテーションはあえて開けっ放しにして、ガラス越しにワークスペースが見えるようにしていました)。

TWBC〜新歓


取引先が主催するTWBC2013大阪へ。
なんと初の大阪開催。

会場内は(当然)写真撮影禁止。
秀逸なプロダクトデザインの数々、機能的な機器。理美容業界で圧倒的なシェアを誇るタカラベルモント社のモノづくりに対する意気込みを感じました。様々なブースでトークショーや有名アーティストによる技術セッションなども。美容師さん達で黒山の人だかりが出来ていました。僕も薦められてDab.八木岡さんのトークショーを拝聴しましたが、さすが業界の重鎮。仕事に対する熱意、立ち止まらないで進み続ける妥協なきチャレンジ精神。サロンワークに留まらずインテリアやプロダクトデザインも出掛ける多才さ、淀みなく出てくる言葉の数々にインスパイアされました。長年第一線を走る人の言葉に重みがあるのは、それだけ苦難を乗り越えながら悩み、もがき、考え、努力を重ね、チャレンジし続けているからだと思うのです。そして素晴らしいなと思ったのはもうひとつ。モデルさんやオーディエンスに対する何気ない気遣い。

会場を様々案内していただいた後にカフェにて新製品の打ち合わせ。
リーガロイヤルホテル周辺は久しぶりに来ましたが、中之島も随分変わって綺麗になっていますね。


夜はクリエイティブメンバーのみで新歓。
白鹿の熱燗を皆で飲み、

終電間近の駆け込みでドルフィンズ。
これはミスティックのピーチ(生)です。
珍しいからオーダーしたら、これが美味しいかった!

皆の熱い気持ちと意気込みに触れ、気持ち新たにされました。
新スタッフ共々がんばりましょうね。

モチベーションの源泉はどこにあるのか


答え:ワクワク感

仕事でもそれ以外でも、ワクワクした気持ちを持てれば、何でも楽しむことができ前向きになれると思います。モチベーションは「ワクワク感」から生まれる。

ワクワクした気持ちがないと、仕事は全て惰性になり、受動的になりますね。それが楽しい人生なのかどうか、僕は甚だ疑問に感じます。

自分が成長できる環境!
与えられる仕事にやりがいを持つことができる!

良く聞くフレーズですが、大きな落とし穴がそこにあります。「環境」「与えられる」というキーワードです。全て受け身、受動的。逆に言うと、与えられなければ何も出来ない。環境が整備されていなければ成長できない。怖いですね。そんな環境こそ不安で仕方ない。

ワクワクする気持ちになれるかどうかは、主観的に物事を捉えること、当事者意識を持つこと、道は自分で切り拓く気持ちを持つこと、「出杭力、道程力、造山力」(MITメディアラボ石井教授より)を身に付けること。とはいえ、それらに加えて外的要因も関係します。具体的に言うと、質の良い情報を取り入れることと、インスパイアしてくれる人と付き合うことです。

そういう意味で、最近ワクワクしたニュースと言えばこれ。

(出典:Wired.jp)
授業は無料、支払いは就職後に。プログラマー養成学校「Appアカデミー」

“サンフランシスコのプログラミングを教える学校が導入した学費の仕組みが大きな注目を集めている。それは「仕事に就くまで、学費は支払わなくていい」というものだ。卒業して仕事を見つけた人は、初年度に稼ぐ年収の15%を学費として6ヶ月間ほど支払う契約になっている。”

ああ、これこそがイノベーション。
教える立場の人間が飯を食うためには教え子を良い会社に就職させねばならない。教え子は教え子で入学倍率の非常に高いスクールに入ったからには、真剣に学ばなければならない。良いプレッシャーをお互い感じることからシナジーが生まれる。好循環を生むシステムです。本当に、良く考えた。でも何よりすごいのは実際これを良く実現させたということです。

イノベーションの原点にあるものは、発想やアイデアだけではない。
信念と覚悟と、ほんの少しの勇気。

あと、「思い込み」もね。

何かを始めるのなら「今」である理由について


還暦を過ぎている母が「今、まさにこの時点が、人生の中で一番若いんだから、何かを始めるのは今しかない」というようなことを言っていて、お、たまには良い事言うな、と思ったのでした。(笑)

過去を振り返った時に「あの頃は若かった」と思うことはできても、時間を戻すことはできません。それは既に過去のことですから、まさに今この瞬間が「人生の中で一番若い」という瞬間になります。確かにその通り、時間という概念は面白いものですね。

アマゾンCEOのジェフ・ベゾズが、2010年のプリンストン大学での卒業スピーチでこのような事を語っています。「こちらのサイトから引用させていただきました:【No.75】Amazon.com CEO ジェフ・ベゾスの感動スピーチ(翻訳) in プリンストン大学 2010.05.30

“We are What We Choose”
過去の選択の結果が今の私たちを作っている。

“今の私達とは、過去に私たちが選択した結果なのです。
自分自身で素晴らしい物語を作りましょう。”

ジェフ・ベゾズの場合は安定した収入を捨てて、自らの熱意に従って行動を起こし、今のAmazonを築きました。今があるのは、全て過去の選択の結果である。であるならば、選択の日々において、人から与えられるものではなく自分の熱意に従った選択をしよう。という訳です。まさに卒業式のスピーチにふさわしい。

何かを始めるのに遅すぎることはない。
という訳で、「若い今しか」できないことを必死でやって行きましょう。


記事の内容とは直接関係ありませんが、散歩中の風景。

子供たちを通して考える3.11


打ち合わせ終わりで駅に向かっていると、小学生の女の子二人が後ろから追い抜いて行った。

一人は自転車、一人は走って。

ああ、走ってる子は何かの事情で自転車がないんだな・・・でも、いじらしくて偉いな、と見ていると、その子が曲がり角の縁石につまづいて派手にこけてしまった。両膝を擦りむいて痛そうにうずくまっている。自転車の子はそれを心配そうに見ている。思わず立ち止り、所持していたバントエイド三枚を「大丈夫?これ使いなー」と渡したが、あとから考えると、イマドキの子は知らないおじさんから声掛けられたら無視しなさい、などと教えられてるのかな、と複雑な気持ちになってしまった。そして、なぜかそう考えた自分に違和感を持ってしまった。なぜだろう、当たり前のことを普通にしただけなのに。

彼女達も二人だから安心したのだろう、恥ずかしそうに黙って受け取ってくれたが、これが一人だったらどうだっただろう。僕は声を掛けただろうか。そして、彼女はバンドエイドを受け取ったのだろうか。普通の世の中で、普通の感覚を持っている人間なら反射的にそうするはずだ。手持ちのバンドエイドがなかったとしても、声くらいは掛けるはず。うん、大丈夫。僕は「二人の娘を持つ父親」じゃなかったとしても、きっとそうしたはずだ。

我が娘たちのことも重ねて考えてみると、こういう場合には警戒すべきは警戒しつつ、それでいて人の親切や温もりはしっかり感じて心は貧しくならないでほしいと願う。自分もそうだったし、娘たちもそうだけれど、子どもにとっては怪我した時のバントエイドは魔法の薬になることを知っている大人がたくさんいるのだ。でも一方で、「どこからどこまでが親切で、どこからがそうでないのか」、それを子供に判断させるのは本当に難しいと思う。どうしてこんな単純ではなく、複雑な世の中になってしまったのだろう。

思い返せば自分も子供の頃は近所の人たちに色々と助けてもらった。小学校一年生の時、下校途中にShit my pantsしてしまい、ポロポロ泣きながら立ちすくんでいると道を掃除していたおばさんが「どないしたん、大丈夫!?」と声を掛けてくれ、自分の家に連れて行き風呂場で洗ってその家のお兄ちゃんのパンツを貸してくれて家に送り届けてくれた。今から考えるとなんて親切な人だったんだろうと思う。会えばお茶や煎餅をくれたおばちゃんもいたし、怖い爺ちゃんもいた。


人と人との繋がりが希薄になっている世の中だからこそ、地域コミュニティの大切さを実感する。子供たちは地域で育てるということに同意するし共感する。そりゃ、確かに変な人はたくさんいるし、痛ましい事件もたくさん起きているのも事実。決して許されることではないし、何かあってからでは遅いので、僕も娘たちには注意するよう良く言って聞かせている。親として子供は何があっても守らなければならないし、子供たちにとっても自分の身は自分で守らなければならないのは明白な事実。

でもね、例えば、阪神大震災の時ってどうだったか。知らない人でも皆が声を掛けあって無事を確かめ合い、励まし合った。東日本大地震の時もそうだったはず。特にこのエピソードは何度も読んだ(大槌未来新聞「流された人が笑顔で手を振っていた「ニコーっと笑って、お前もか、って」)。

ややこしい世の中になってしまったと嘆き、人に手を差し伸べないで無関心を装うこともできるけれど、やはり、僕は正しいことは正しいこととして躊躇せずに行なっていこうと思う。大きなことは出来ないけれど、そういう気持ち、取り組みの一つ一つが良い社会、強い社会を作って行くことに繋がっていくと思う。

そんな事を考えた、3.11。

実は簡単にバランスを取ることができるものなのかもしれない


どうも違和感を感じることが多い最近のニュース。

毎年恒例の長者番付発表、収入の二極化、サラリーマン平均年収、ネオヒルズ族などなど。ビジネスやアイデアや創意工夫ではなく、お金にまつわることだけがニュースになり、お金に興味がある人達のアクセスを集めるということが、どう頭を捻っても理解できないのです。人の収入を知ってどうなるのだろう。自分の収入をひけらかして何になるのだろう。皆の収入の中での自分の立ち位置を知ることが何に繋がるのだろう。いや、お金は大切だし、仕事をしている限り、一円でも二円でも収入が多い方が良いに決っているのに、なんだろう、この違和感は。それよりも生み出したアイデアやクリエイティビティの方がはるかに注目されるべきではないのか。(ちなみに世界長者番付上位の国家予算レベルの資産を保有されている方々はもはやお金のためだけに仕事をしていないことは明白ですが)

僕は緩い考えを持ち過ぎているので、金持ちになってやる、日本を変えてやる、世界を凹ませてみせる、などのギラギラした気持ちがないことが違和感の原因なのかも。そもそも、金を稼ぐという教育を受けてこなかったし、中途半端に苦労を知らずに育ったという環境もあるのかもしれない。しかし、キレイ事かもしれないのですが、人生というのは金を稼ぐためだけのものではなく、ある意味「修験道」のようなものだと考えています。とにかく、勉強。日々、勉強。そして、仕事はその「修験道」の一つであるべきだと思うんです。経営者であれ、サラリーマンであれ、公務員であれ、仕事から学べることは計り知れない程多い。何かに不満がある人は、大抵「受け身」なんだと思います。置かれている立場、環境、景気、法などを言い訳にする。いや、そんなの、自分の力でどうにでもなると思うんですよね。自分に足りないところが何かを自覚し、過去と現在を照らしあわせて今すべきことを粛々と行う。ただ、それの積み重ねなんだと思います。山登りと良く似ていて、前だけを向いて黙々と登り、たまに後ろを振り返ると、ああ、もうここまで登って来たんだ、という実感に浸ることができる。それと同じなのでは。

充足感、満足感、欲求というのは、ひとそれぞれ違います。
ちなみに今の僕にとっての欲望は、誰もいない湖畔に一人で行って、星の王子様や、モモや、果てしない物語などの児童文学にどっぷり浸ること。星空の下で活字にどっぷり溺れる。素晴らしいな。

あ、誤解を招いてしまいそうなので、あえて追記しておくと、企業は利益追求であるべきです。間違いなく。利益を追求しなければ会社である意味がない。正しく商売をする。それが長く強く商売を続ける秘訣であると思います。

そんなこんなで自己矛盾、社会に対する矛盾を感じていると何もかもリセットしたくなって、数ヶ月ぶりにビールを買って帰りました。昨年10月以来、家では炭酸水しか飲まないようにしているので、本当に久しぶり。そんなこともあって、こんな支離滅裂な記事をエントリーすることになってしまいました。まあ、たまにはいいか、ということでご了承いただければ幸いです。缶ビール2本で、バランスが取れた。

それでは、明日もがんばりましょう。