塗り絵が動き始める “colAR” にエンジニアの愛情を感じる


AR(拡張現実)技術というのは、行動、参加、リアルタイム性、ビジュアルによる感動が合わさって初めて成り立ちます。マンハッタンの街中を舞台にバトンを奪い合うゲーム性のあるNew BaranceのARプロモーションは記憶に新しいですね。

さて昨日、techcrunchで見かけたこの記事にいたく感心。
まさに「夢のあるAR」がリリースされました。

「colARは驚異的なAR―子供の塗り絵がiPad/Androidタブレットから飛び出してスーパーリアルに動き出す」(JP techcrunch へリンク)

誰でも子どもの頃に一度は、自分が書いた絵が動き出したらいいのにと思ったことがあるのではないでしょうか。こんな車が走ったらいいのに、こんな飛行機が走ればいいのに、こんなお姫さまがいたらいいのに・・・そんな夢を実現したのがこのアプリ。http://colarapp.com/ から塗り絵をダウンロード。プリントアウトして塗り絵をし、タブレットのアプリを起動してカメラをかざすとこのとおり。まずはご覧ください。

ARは「現実空間ではあり得ないこと」を、あたかも本当に起こっているように見せることができる、という原点を素直に見つめ、子どもの頃に思い描いたことをそのまま実現。エンジニアの遊び心と愛情を感じます。techcrunchによると、”テクノロジーとしては、3DレンダリングにはUnityのエンジン、画像認識にはQualcomm’s Vuforiaフレームワークを使っているようだ。”
既存技術の組み合わせで、こんなに夢のあるアプリを開発できるというアイデアに感心。このニュージーランドのこのスタートアップスにPixarと同じ匂いを感じるのは僕だけでしょうか。

普通に使えそうな「Pixlr」から、Autodeskの戦略が見え隠れする


社内メールで回ってきた情報、ブラウザベースのグラフィックソフト「Pixlr」の性能とスピードに驚かされました。

UIはこちら

まずレスポンスが早いので、ストレスなく使用可能。写真の加工には十分な機能もあるし、一からデザインすることもできます。コマンドの慣れは多少必要かもしれませんが、普通に使える。この「普通に使える」ということ、実はすごいことです。今までもローカルではなくブラウザベースでのグラフィックアプリケーションはありましたが、ちょっとした玩具のようなライトなものでした。しかしこれ、Photoshopまでは行かなくても、十分「普通に」使えることができると思います。UIはFLASHを採用しています。サーバサイドは恐らくFLEXでしょうか。

保存先は、デスクトップ、Pixlr Libraryと呼ばれるもの、Flickr、Picasa、Facebook。スマフォアプリはフルスペックでフリー配布されていますので、スマフォで取った写真の加工も可能。機能制限のある無料版を配布し、有償版でマネタイズするというオーソドックスなモデルです。

で、こんなアプリケーションどこが作ってるの?と思って調べてみると、はい、Autodeskでした。
今までAdobeの牙城だったフィールドにAutodeskがWEBアプリケーションを引っ下げて進出。Autodeskは最近「123D」など、iPadで3Dモデリングが可能な3Dツールもリリースし、個人使用の分野を次々と開拓しています。BtoBの業務アプリケーションでは世界的なCADベンダーが、ここ数年、個人ユースの廉価版製品を次々とリリース。そこへ来て「Mekers Movement」。流れに乗ったのか仕掛けたのか分かりませんが、ベンチャーが狙いやすい個人ユースによる草の根ボトムアップを、エンタープライズユースからパーソナルユースへのトップダウンモデルでガンガン攻めてくるAutodeskの本気が見て取れます。強力な技術力と資金力とリソースをもってして廉価版を作る。こういうことをやられるとベンチャーはおろか、さすがのAdobeもちょっとしんどくなりそうな予感です。Adobeは最近、売り切り型から、全製品を完全サブスクリプションライセンス制に移行すると発表しましたが、Autodeskに対抗する策なのかもしれませんね、分かりませんが。斜に構えて見ると、エンタープライズは飽和状態なので、パーソナルユースしか開拓する場所がない、ということなのかもしれませんが、いずれにしても最近のAutodeskの戦略はベンチマークしておいた方が良さそうです。マーケティングがとても上手。

常にリーディングでいるということ


Appleから新型 MacPro の発表があって話題騒然となっています。
それもそのはず、この形。

記事はこちらから
「新Mac Pro」チラ見せ──斬新な円筒デザイン、次世代Xeon、Thunderbolt 2、4Kディスプレイ対応

保温型の弁当箱、ゴミ箱、水筒・・・色々な声がありますが、一夜にして全世界の話題をかっさらって行くサプライズはさすが。ついにはこんなサイトも登場しました。

日本でも海外でも、新しいMac Pro 2013に何かを入れたくてしょうがない人達のツイートまとめ

みんなコラ上手だね。

いずれにしても、Appleが常にリーディングであり続ける理由は、良い意味で期待を裏切り続けることなんだと思います。ここまでのドラスティックなモデルチェンジは相当勇気がいることだと思いますが、それでもやりのけるAppleはやはりAppleですね。ジョブズなき今でも、そういった精神は受け継がれているように思います。(何か出さなきゃ、という焦りとプレッシャーがこのデザインにさせた、とのネガな見方はあえてしないでおきます。内部も相当作りこまれているようですし。)

最初は違和感があったとしても、そのうちマーケットも慣れてきて、最終的にはタワー型のデファクトスタンダードに・・・ということもあり得ます。無論、ほこりが溜まりやすそうなのと、やっぱり角型の方がスペースに収まりいいよね、ということで、周辺機器メーカーが様々なアタッチメントも発売しそうですが、いずれにしても今後の動向から目が離せません。

今も燦然と輝く、「ネクストレベルへ行け」。


ネクストレベルへ行け。

2008年のNIKE Football のコピーがあらためて秀逸。
色々と企画を考えていて、ふと社内のマーケッターMさんの机の掲げられているこのコピーに目が留まりました。少なくとも今の自分に必要な言葉。現在のコンディションでは、ケツを思い切り蹴り上げられるようなコピーの数々です。奮い立たされるというのはこういうこと。

自分の弱点から目をそらすな。

その弱さを強さに変えろ。

生まれつきではない、第二の天性を自分で身につけるんだ。

ピッチ全体が見えているか?

1対1の勝負を常に意識しているか?

球際で勝つことができるか?

燃えたぎる情熱はあるか?

自分を冷静にコントロールできるか?

下を向いた仲間を励ますハートがあるか?

君は敵にとって危険な選手か?

それともノーマークの選手か?

敵からペナルティーを奪えるか?

監督は君にキッカーを任せてくれるか?

ミリ単位のキックの精度はあるか?

巻いて狙うボールを蹴れるか?

無回転はどうだ?

ゴール前の嗅覚はあるか?

キーパーをかわす落ち着きがあるか?

ペナルティーエリアの外から狙えるか?

ディフェンダーを背負って決められるか?

最後にプレーした試合はいつだ?

次の練習はいつだ?

他のヤツより1本多くダッシュしているか?

練習がない日も練習しているか?

失敗を人のせいにしていないか?

自分で考えてプレーしているか?

チームメートを本気で怒鳴れるか?

練習でも叫ぶほど悔しがれるか?

次の局面をイメージしているか?

スタンドを沸かせる創造力はあるか?

いつも自分の限界を超えているか?

今のレベルでもう満足か?

君はどれだけ本気でフットボーラーになりたいと思っているんだ?

ネクストレベルへ行け。

三年の時を経て黒船が来襲 Square日本上陸


ジャック・ドーシー(Twitter創業者、同い年だよ、おい)が開発したあのスマートフォンカード決済の「Square」がついに日本上陸。

「Square」が日本上陸–スマホをカード決済端末に(C-net)

このブログでも、2011/6/23の記事「〜Square〜 Smart Phoneの可能性」で取り上げています。あれからもう二年。Squareのサービス開始から三年。Squareのことを知った当時の興奮は今でも覚えています。tech系、サービス系のニュースは日々膨大にリリースされているものの、「これはイノベーティブだ」と思えるものは少ない。その中でもこのサービスを知った時は本当に鳥肌が立った。昨日のことのように覚えています。ついに、来たか。

北米地域以外では初の海外進出となるという点も興味深い。それが日本であったことも嬉しいことではあります。ドーシー氏はその理由について「経済力、市場規模、成熟度などいくつかの基準に照らして選んでいる。日本の経済は成長しており、中小企業も非常に多い」(C-netの記事より)と述べています。

一方で、僕の先の記事でも書いているように「なんや言うてもシリコンバレーが中心」。この数年でゲーム以外ではLINEが(ゲームも流行っていますが)ようやく日本初の世界的サービスになりましたが、Squareのような革新的サービスはやはりシリコンバレーからの輸入という現状に代わりはありません。

実はあまり知られていませんが「coiney.com」という日本版Squareと呼ばれるサービスもあります。黒船に負けず、こちらもがんばって欲しい。

しかし、この年齢で世界を変えるサービスを二つも立ち上げているジャック・ドーシー。比べるものでもありませんが・・・単純にすごい。

この戦略の意味も良く理解できる


adobeがCSの提供、つまりパッケージソフト販売を打ち切り、CC(Creative Cloud)オンリーの提供とするニュースが業界を賑わしています。現場レベルで考えると、CSは引き続き継続して使用可能なものの、向こう5年でいわゆる「サブスクリプション型」がスタンダードになるのは容易に想像できるところです。CCが下位互換を考慮してくれれば尚良し。

米アドビ、ソフト販売「中止」の先にある野望(日経新聞より)

この戦略の意味も、ユーザー、メーカー双方の側から良く理解できる。

メリット面だけ強調すれば、ユーザー側は使用したい時にだけライセンスを申し込めば良い。上記の記事が言うように、高額製品を安く使えるということはプロユースの製品を業界外の人でも低価格で使用可能なわけで、これは使い勝手が良い。またプロダクションなど制作サイドに取ってみても、常時ソフトを確保しなくても、例えば、FLASHやAfterEffectなど案件に依存するものについては一時利用で制作費用として仕入れて経費計上することも可能。一方メーカー側はどうか。「いつでもアップグレードが可能」というのはオフェンシブ面の建前であったとしても、販売、売り切りの商売ではなく、「裾野を広げる」ことに寄与すること、そして、月額での売上見通しが立つということは、属人的な販売ではなく、サステイナブル(もはや死語か)な数字確保に繋がるに違いありません。つまり、Qごとの決算に今までのように一喜一憂しなくて良い、ということになります。

クラウドの登場で企業にとってはITツールを「所有」ではなく「利用」するという意識が高まっています。当初、クラウドとうのはネットワーク・インフラ及び一部ASPサービスに適用して使う言葉でしたが(クラウドの登場で高額なイニシャルコストと、保守、「情シス」担当者が必要ではなくなりますよね、というのは聞き慣れた営業トークですね)、このようなパッケージソフトウエアについてもサブスクリプションライセンス形式の普及により、資産ではなく経費として計上することが可能になりました。一方、日本の会計上、利益が出ている時は予算を使い果たすことを目的に、その間に資産を増やして償却する、という経営学上の概念が対税金対策としても生きる訳で、企業としてはランニングコスト増加はなかなか頭の痛い問題ではありますが、先に述べたように、仕入計上すれば良いということで、薄く見積書に載せても良いレベルの金額になりました。

当社も新製品に関してはサブスクリプションオンリーの提供を行なっていますが、上記を考えるとオプショナルペイメントとして年間一括払いなどのアニュアルライセンスを設ければ良い訳で、後は購買の意識改革というところに依存するのでは、と考えています。

もう一つの論点として、ソフトウエアがなくなるということは、代理店も近い将来かなり淘汰されるのでは、ということが想像できます。高額ソフトウエアはディストリクト毎の代理店が販売とサポートを行うのが常でしたが、ソフトウエアはWEBからDLし、サブスクリプションで必要時に必要なライセンスだけ支払えば良い、ということになると、直販のプレゼンスがどんどん増していく訳です。つまり、サービスと営業は必要なくなる。こうなると付加価値を提供できない代理店は相当厳しくなります。大塚商会などは、その点を見越してかどうなのか「たのめーる」など独自サービスを展開していますが、さすが、という感じでしょうか。

これから、ビジネスはより、直販と個人間の取引に寄って行きます。スクエアなどのカード決済システムしかり、グーグルウォレットでのメール送金しかり、誰でもいつでもクレジットカードの取扱店になることができ、送金を行うこともできる。企業としてはオンリーワンの付加価値をいかに提供できるか、つまり本当の戦いがこれから本格的に始まる、という訳ですね。

文化の形成スピード


気持ちの良い季節ですので、朝方生活を無理なく続けることができています。
娘たちの勉強を見るのも、朝。

塾(あんな小さかったのにもう塾だなんて・・・)の宿題の中で、前夜に分からなかったところは残しておき、翌朝6時からパパが見てあげるのです。宿題はほとんど算数の文章題。自分も公文に通っていたので、ああ、こんな問題たくさんやったなーなんて感慨に浸りながら楽しく教えています。


当時は画期的な事でも、慣れてしまうと当たり前になってしまうこともあります。例えば、Twitter。
孫正義さん、MIT石井先生、糸井さん、オバマ大統領に至るまで・・・最近は松本人志さんのが話題になりましたが、今まではメディアを通してしか聞こえてこなかった「生の声」がリアルタイムに聞こえてくることに、当時はものすごく大きな感動を覚えたものです。しかし、今となっては、Twitter、FB、個人ブログなどを通して「そんな世界」が当たり前になっていますよね。
創出され、醸成されたカルチャーというのは、一度人々の生活に根付いてしまうとそれが当たり前のものとなってしまい、携帯電話と同じように、「ない状態を想像できない」ものとなってしまいますね。
創出されてから、わずか数年で文化になる。
「文化」という言葉をどう定義するのかにもよりますが、「文化」の形成スピードが、年々早くなって来ているような気がします。

企業説明会で既卒者にこんな話をしました


昨日、理系の既卒者向けの企業説明会を開きました。
その中で話をした内容の一部を幾つかピックアップします。

当社は、革新的な製品を生み出し続けるテクニカルなITベンダーです。ここで働く人々は、エンジニア、プログラマ、デザイナー、マーケッターなど、それぞれ専門的な技術を持っています。テクニカルな会社と言うと、クールなイメージがあるかもしれませんが、私達は逆に、温かくて、礼儀正しく、親切で、誰にでも挨拶をすることを大切にしています。皆さんも、説明会のセミナルームに入る時、社員が元気よく挨拶してくれたのを見て驚かれたのではないでしょうか。デジタルな時代こそ、血の通った関係、相手の目を見て気持ちを伝える関係が大切だということを知っているからです。

・結果を出すこと、稼ぐこと。

当社は普通の枠組みで物を測りたくない会社です。
会社というのはこうあるべき、ビジネスマンというのはこうあるべき、という考えはあまりありません。もちろん、マナーや礼儀は重要ですが、それは「相手に対する気持ち」があれが誰でも出来ること。それよりも大切なのは「きちんと結果を出すこと」です。

自社の製品開発、サービス開発、受託案件でも、必死でやって結果を出す。それを続ければ会社は必ず成長します。そしてそこから繋がるのは 「徹底的に稼ぐこと」です。ですから、それ以外のことについては余りこだわりません。いくら格好いいことを言っても、美辞麗句を並べても、稼がなければビジネスをしている意味がありません。結果を出すために、もう一つ大切なことがあります。それは、「とにかくお客様目線であること」。成熟したこの時代、質の悪さ、適当な仕事は簡単に見破られてしまいます。つまり、結果が出ません、稼げません、お客様に喜んでもらえません。ですから、お仕事をさせていただいているクライアントさんからの要望には徹底的にお応えします。

枠にとらわれないこと。

世界を見渡した時に、出来るビジネスマンというのは会社名や肩書きではなく、 「僕は◯◯です」と名前で自分を自己紹介しますね。 つまり、自分は、自分なのです。僕はこういう仕事をしていたけれど、今勤めている会社ではこういう仕事をしています、という人がゴロゴロしています。 システムエンジニアから金融に行ったトレーダーもいますし、営業マンからエンジニアに転身した人間もいます。 つまり、自分はこういう人間だと決めつけてしまうと、そこからの成長もありませんし、思考が停止してしまって面白くない人生を歩んでしまうことにもなりかねません。

会社も同じだと思っています。 うちはIT企業です、ソフトウエアベンダーです、Sierです。 分かりやすいのでそういうこともあります。 しかし、それって「今」の姿です。これだけ変化のスピードが速い時代、うちはこれです!ということに、果たして大きな意味があるのでしょうか。 当社のメンバーはITが大好きですし、お客様が喜ぶ顔が大好きですので、そこから大きく逸脱した会社になることはないかもしれませんが、将来的にどのように発展していくのかについては、決め付けないようにしています。

皆さんも、決して、決め付けないように。
これほど変化の速い時代、「自分はこういう人間で、こんなことしか出来ません」では誰も見向きしてくれなくなりますよ。そういう人間は他にも代わりがゴロゴロいるからです。そして、「マイペースで、無理せずに、」という言葉もあまりお薦めしません。先に言いましたが、これほど変化の速い時代、そんなことではいつまでたっても成長できず、あっという間に取り残されてしまいます。視野を広く持ちましょう。
5年で習得できることを1年で習得することは、脳から血が出るような、毎日毎晩吐きそうになる程のプレッシャーがあります。でも、一度そこを乗り越えてしまうと、後が楽。そこから先は、習得した知識とノウハウをベースに、自分でどんどん新しいものを自由に作っていけば良いのです。それでも、「いや、マイペースでコツコツがんばります」という人は、はなくそでもほじっていてくださいね、ということになってしまいます。

全員精鋭主義

少数精鋭ではありません、全員精鋭主義です。 これには各分野、職務においてプロフェッショナルでいることが 求められます。野球チームを思い出してください。それぞの打順、ポジションで最大限のパフォーマンスを発揮することでチーム一丸となり、勝利という果実を得ることができます。誰かがサボってしまうと、チームは負けてしまいます。全員力で勝つチームを目指しています。

主体性と当事者意識

「主体性」とは、「自分の意志・判断によって、みずから責任をもって行動する態度のあること。」と定義されています。指示を待つ、環境が整えられるのを待つという姿勢は、主体的ではありません。受動的です。受動的な人間は言い訳をしますし、環境のせいにします。「俺がヒットを打てなかったのは、観客のヤジのせいだ!」という人間に一流の選手がいるでしょうか?自分の意志で、責任を持って行動することで、道は切り開かれます。
MITメディアラボの石井教授のこの記事を読んでみてください。
当事者意識とは、”何らかの物事やプロジェクトなどに参加している当事者である、関係者である、という意識のこと”と定義されています。この意識がないと、他人任せになってしまい、自分の事は棚に上げ、誰かがやってくれるだろう、という意識が芽生えてしまいます。 ということで、辛いこともたくさんありますが、楽しいこともそれ以上にたくさんあります。この辺りは働く社員達の表情を見て感じ取ってください(説明会の間、会議室のパーテーションはあえて開けっ放しにして、ガラス越しにワークスペースが見えるようにしていました)。

ヒューリスティックから発生するバイアスが生む情報発信


ライティング作業の一日。
自社、他社双方の製品プレスリリースとライティングを広報的立場として書いています。届けたい相手の顔を想像しながら何かを書く事自体は長いことやっているので慣れているはずなのに、どうしても「刺さる」言葉を探してしまうからタイピングする手が止まってしまいがち。「探してしまう」という表現を使ったのは、人の心は我々メーカーのような発信側、つまり「中の人」の想定通りにはなりにくい、コントロールが及ばないという事実があるからです。当たり前ですよね。受け手のコンディションによって受信する感度、捉え方は千差万別。情報過多の時代だから余計に、一方通行の都合の良い言葉は信用されにくいからです。

一昔前、バイラル・マーケティングという言葉が流行りました。マスメディアを使った企業側の一方的な情報発信が信用されにくくなった今、人はどこから情報を得るのか。それは、自分と同じ立場の「受け手」、その製品やサービスの利用者である友人や家族、隣人、ネット上での口コミなどによるというものです。それは今でも変わっていないと思います。僕も実際、情報収集の半分程度はベンチマークしているブロガーやTwitter、FBから拡散される情報です。自分と同じ感度を持ったアンテナの高い人々から利害関係なくキュレーティングされる情報は、当然ながら共感するし、吸収する。それがヒューリスティックな判断に基づくものやバイアスが発生していたとしても、です。人はヒューリスティックな生き物ですから仕方がありません。

しかし、こうした(自分も含めて)アンテナの高いブロガーやインフルエンサーを企業側が意図的にコントロールして都合の良い記事を書いてもらおうとすると、「クチコミ戦略」という意図が見え見えの稚拙なプロモーションになってしまいますし、ステマとも呼ばれかねない。白けちゃうんですよね。結局のところ、本当に良い製品を作って提供し、顧客満足やコスト削減、業務効率化といったバリューを生むしかないんですね。本当に良いモノは、それを使って満足した人の発信や拡散によって広がるもの。僕もブロガーの一人として、ここで紹介するもの、例えば、製品にしろサービスにしろ、音楽、お店、本、ニュース等は自分のアンテナに触れたものだけをキュレーティングしているに他なりません。強制されて宣伝したものなんて何ひとつないし、する気もしないというのが本音です。

という訳で、出来るだけリリース記事はフラットに淡々と、それでいて欲しい情報がシンプルにギュッとつまっているような質の高いものを目指しています。自分自身がブロガーである立場であるからこそ、出来るだけフラットな目線で見ようとしてしまうのが、良いことなのか悪いことなのか。笑


さて、美術館などで展覧会を企画する学芸員などをキュレーターと呼びますが、この記事「ジョン・マエダが語る『MoMAのヴィデオゲーム収蔵について』」ではMoMA(ニューヨーク近代美術館)のキュレーターの言葉が紹介されていますね。ここに出てくるのが本当の(?)キュレーターさんです。笑
それはさておき、とても良い記事でしたので備忘録も兼ねて紹介しておきます。

それでは今日はこの辺で。
今日も一日お疲れ様でした。
明日も一日がんばりましょうね。

MBAとネットとiPhoneがある生活について


昨日来、出社復帰しております。関係各所ご心配お掛けいたしました。
「仕事復帰」と書くと自宅にいても仕事はしているので正確な表現ではありません。そこであえて「出社復帰」と書くことにしました。というのも、週中の二日間、自宅で療養していましたが仕事面では全く不便を感じなかったからです。これは先月の椎間板ヘルニアの際も同様でした(毎月必ず病欠しているという、このザマはなんだ)。

もちろん、フォローしてくれるみんながいるからに他なりませんし、実際には東京出張も二日間飛ばしてしまって迷惑を掛けてしまってはいるのですが、それでも、PCとiPhoneとネットさえあれば、本当にどこにいても仕事ができます。来客による打ち合わせや訪問以外は、会社にいなくても良いのではないか?会議もSkypeで出来るし・・・極端ですが、実際に出来てしまうんですよね。
もちろん、開発や設計、カスタマーサポートなど、当社内でも部署によっては社内サーバに常時接続して仕事をしなければならない場合や、社内の特定PCからでなければ疎通できないサーバでの作業ももちろんあります。その場、その端末の前でなければ仕事ができませんよね。僕のようにソースコードを書くわけでも、デザインをする訳でもなく、企画や資料作成、「意思決定」に関わる仕事、外部のパートナーやクライアントとメールと電話を使ったオフェンシブな仕事をしているのは社内でも一部の人間に限られるのかもしれませんが、本当にどこにいても大丈夫。強いていうならば、社内の会計ソフトさえクラウド化してもらえば・・・おお、完璧だ。笑

今年に入ってから自分がそうなってしまっているので余計なのかもしれませんが、まあ、体調不良や何らかの事情によって出社できない立場の人たちのワークスタイルについて、色々と考えることが多いですね。自分の「身でもって」実験している感じ。ダイバーシティではないですが、これからはどんな状況、ワークスタイルであっても、その人の能力を最大限に引き出せるような環境を企業としても提供して行く必要があるのではないか・・・そう考える今日この頃です。


さて、昨夜、久しぶりに食べた「こってり味」のラーメンとビール、めっちゃ美味かったので、体調も完全快復。今日も一日仕事頑張れそうです。

本日仕事の方もお休みの方も、良い週末を。