いくつになっても、日々をしなやかに楽しむ

最近、ご老人のグループから「人生を楽しむ」ということを学ばされる機会が多くあります。

先日、訪問先に行く前に仕事をしようと、朝早めに家を出て駅近くのカフェに入りました。まだ8時頃でしたが、70前後の男性一名、女性二名がワイワイと楽しそうに入ってきて、会話しています。夫婦や親戚関係の感じでもなく、みな、友達同士のようです。それぞれの孫の話などで盛り上がっているのかと思っていると、いやいや、とんでもない。どこぞの店が美味しかっただの、パスポートを更新したから今度はパリに行くだのと、まるで20代の若者グループと同じような会話をしているのです。

どうやらいつかの旅行費用の建て替えの精算をしているようでしたが、70代男性が「いや、この端数はオレ持ちで」と言った事に対して、70代女性二人が、「いやいや、あなた何言ってるのよ。今は男とか女とか、そういう時代じゃないんだから。はい、これでちょうどOK。」などと言っているのです。

すごいな。ある意味、今のご老人の方が、人生を楽しみ、新たな価値観を持ち、日々をしなやかな生きているんだなと感心しました。もちろん、身なりや会話の内容から、比較的余裕のある人たちなんだろうとは想像できるので、皆が皆そうではないとは思いますが、家族や親族に頼らず、自分たちは自分たちで、若い頃と同じように友達と連れ立ってカフェに行き、旅行に行き、楽しく会話をすることで、助け合いながら生きていくというスタイルに、ニ十数年後に人口8000万人、65歳人口が30%超える「超高齢者ばかりの社会」における幸せのあり方を見たような気がします。

今日と明日は、芦屋川の「さくら祭り」です。
僕も芦屋川から徒歩圏すぐのところに住む地元民の一人として、毎年楽しみにしているのですが、その楽しみの一つが「元気なご老人を見る」ことです。杖をつきながらワインを飲み、JAZZ生バンドにノリノリのご老人方を見ると、幸せな気持ちになります。

2015年の統計では、芦屋市の高齢化率(65歳人口比率)は、25・4%に達し、全人口の4人に1人が65歳以上の状態で県平均を上回っています(神戸新聞の記事にリンク)。当然、さくら祭りを切り盛りするボランティアの方も、商工会などの出店の方も、来場する方も、高齢者が目立ちます。それでも、友達連れでテーブルに座り、ワインを飲み、生演奏を楽しみ、20時頃になると賑やかに帰宅していく様を見ていると、心が暖かくなります。ああ、こういうのいいな、僕もそうなりたいなと思うのです。

とにかく、身内だけでなく、人との関わりを持つこと。一人にならないこと。友達たくさん作ること。人生80歳ピーク説に賛同する者としては、日々を楽しみながら生きるということのお手本が、ご老人なのです。

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