システムの限界、その先にあるもの


ビジネスの世界ほど、無機質に見えて有機的なものはないだろうなと思います。ビジネスは人が人のために行うものだし、人が考えだすもので、人が生み出した金銭が介在する以上、その対価に対する価値観も千差万別だからです。

資本主義経済はよく、マネーゲームのように言われますし、金融経済は実際そうかもしれません。経済学的に言えば、個々(個人であれ、法人格であれ)の満足最大化(経済人を前提にした理論)が前提にあります。少なくとも、人間は損したくない生き物である、という前提は正しいかもしれません。経営者なら、出資額の最大化、従業員なら、切り売りした自分の時間の最大効用を求めますよね。

でも資本主義経済が成熟してくると、そのシステムの限界に気づいたり、充足感を感じなくなったり、勝ち負けに絶望したりする人が出始めるのも事実です。しかし、なんとかこのシステムの中でやりくりしなければならないため、モチベーションの置き場を金稼ぎではなく、公益性に求め始める人も増えてきますし、僕も実際、そのような人に良く出会います。

今のままではみんな幸せになれない、そもそも今の状態は健全ではない、なんでこんな仕組みになっているんだろう、健全な状態とは何だろう?そう感じるところからスタートし、その問題に対してテクノロジーであれサービスであれ、一つの解が芯となったビジネスを策定する。そのようなビジネスが成功するのだろうと思いますし、成功すべきだろうと思います。最終的に何をもって成功と評価するかについては「儲かる」という図式になると思いますが、成功ということは受け入れられている訳で、受け入れられるかどうかは受け手の成熟した考えにも依存します。

こうなると、従来の経済学では説明ができないことが多くなってくるかもしれません。とても、有機的です。僕も常日頃からそう感じ、行動経済学や経済心理学などの本を手に取ったりするのですが、そのようなアカデミックな理論よりも、もっと単純に、人とは何かという点に注目した方が良いのかもしれません。

さて、多少関連するところはありますが、原丈人さんのこの話は、とても興味深いので共感する人もたくさんいると思い、リンクしておきます。

原丈人氏・特別インタビュー 日本再生の鍵を担う「公益資本主義」

それでは、また明日も頑張りましょう。

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