「盆栽飼育」という言葉があります。
この言葉からイメージできるように、盆栽飼育とは、大きく成長する熱帯魚を小さな水槽で育てることによってそれ以上の大きさにならないように育てる方法のことを言います。逆にいえば、魚はその水槽の大きさ以上に成長はしません。
これは会社組織も同じです。
会社を水槽と見立てた場合、基本的にその中で働く社員もその会社の大きさ以上は成長しません。水槽以上に大きく成長しようと思うと、外の世界を見ることが必要になります。それはなにも会社を辞めるとか転職するとかそういう意味ではなく、知見を深め広げるために自ら外の世界に出ていくということが必要ということです。セミナーに参加する、勉強会に参加する。コロナで人に出会えなくても本を読むことくらいはできます。
4月に入り、社員面談の季節です。
数年前に新卒で入ってくれた若者たちも、3年目、4年目となってきました。彼らにも伝えたのですが、これから先「大きく伸びる」か「低空飛行を続けて気づけば中年」になるかの大きな分かれ目が社会人3年目、4年目なのです。ここから20代後半をどう過ごすかでその先の人生が決まると言っても過言ではありません。
そのためには、自分が働く会社という小さな世界だけに目を留めるのではなく、その中で学び、しっかり結果を出しながら(ここ大事)、視野を広く持ち、学び続けるということです。昔はパワハラまがいの仕事の仕方で理不尽な上司や先輩に仕事を押し付けられ(与えられ)、寝るや寝ないやの世界で必死でやった結果、特に秀でた能力や専門性のない凡人でもそこそこ仕事ができるくらいの能力は身に着けさせてもらえたのですが、今は違います。自分で決めて、自分で成長しなければならない。会社の外にはとんでもないレベルの人がごまんといるし、上には上がいます。そういう仕事レベルの高い人たちと交流することが自己の成長に繋がります。小さくまとまってはならない。
そんなことを面談で話しました。
盆栽飼育されないように、自分のレベルは自分で上げて行きましょう。皆がそうすることで、会社という水槽のサイズも大きくなって行くものです。
一方、マネジメント層は社員の何倍も学ばなければなりません。水槽(会社の大きさに限らず、チームでも、部署でも)のサイズはマネジメントの器で決まります。水槽が小さいままなのはマネジメントの責任です。
社員の成長スピードよりも何倍もの速さで水槽を大きくしていかなければなりません。マネジメント層こそ、外に出て業界問わず広い世界を見、ハイレベルな交流を広げて深めていかなければなららない理由はここにあります。