冬の装いの羽田と、年配ジェントルマンの背中

羽田空港も冬の装いになってきました。

第二ターミナルに降り立ち、いつものようにB1Fの丸亀製麺で朝食をとろうと入店。自分の定番メニューは月見うどんと鳥の天ぷらとおにぎり。

ネギをたっぷり入れて食べていると、年配の気の弱そうなスーツ姿の男性が「釜玉うどん」、と注文されています。

「卵は混ぜますか?」 と店員さん。

「いや、混ぜないでください」

「承知しました」

あ、この人、混ぜないタイプの人なんだ。そう思いながら、厨房のオペレーションを見て、嫌な予感が・・・

注文を受けた人と、うどんを盛り付ける人との連携がうまく行ってなかったのか(いや、確かに、その二人の間でも卵を混ぜるか混ぜないかの確認はあったと思ったんだけど)、その年配ジェントルマンの前で、卵をうどんの上で割り、豪快かつ器用に箸を使って混ぜ始めたんです。

その時の、年配ジェントルマンの、声にならないうめき声と、がっくりと肩を落とした背中の寂しさと言ったら!!!! 「がっくり」を画像検索したら、この人の背中が出てきてほしいくらいのがっくり感。がっくりのお手本。普通なら、混ぜないでって言ったでしょう、と抗議してもおかしくないところ、その方はがっくりしたままうどんを受け取り、無言でレジに行かれました。

釜玉うどんは、うどんがアツアツの内に卵を混ぜて絡めた方が美味しいのは美味しい。きっと、混ぜてもらう人がほとんどなんでしょう。だからつい惰性で混ぜてしまった店員さんの気持ちも分かる。でもこの年配ジェントルマンは混ぜることをよしとはしていない。生卵が好きな人もいますからね。僕もそのタイプですけれど。

朝からかわいそうな光景を見てしまいましたが、この方から滲み出る優しさとお人好しさにホッとしたのも事実。最近はギスギスした人が多いですから。


 
 
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