マラソンの応援に学ぶ、相手の心に届くコミュニケーション

昨日は今シーズン最後のフルマラソンとなる徳島マラソンでした。徳島には初めて行きましたが、本当に良いところですね。神戸から車で2時間以内で行けるし、食事は美味しいし、風光明媚だし。

朝からラン友さんたちと合流してワイワイと夜まで楽しみ、沿道では、幼馴染の旧友が応援に駆けつけてくれ(Mヒロ、ありがとう!)、ボランティアの方々やエイドの方々の熱心な応援に涙し、自己ベスト更新というおまけまでついて、無事にシーズンを締めくくることが出来ました。

それにしても、沿道の応援(もちろん、SNSで送ってくださるコメントやメッセージも含めて)って本当にチカラになります。それはきっと、応援してくださる方の気持ちが背中を押してくれるからだと思います。応援しながら自分も汗をかき、並走してくれているんです。

例えば、昨日、一番心に残っている応援は、沿道に一人で立って応援してくれていた、年配女性の一言でした。その方は、がんばって、がんばって、と走りゆく人に声を掛けておられたのですが、「ありがとうございます!」と返事をすると、僕の目を見て微笑み、こう答えてくれたんです。

「わたしの分までがんばってね!!」

なぜか僕はその言葉が心に残り、その言葉をゴールまで持って行くことになりました。
走りながら、ずっとその言葉について考えていました。もしかしたらあの方は、かつてランナーだったのかもしれない。足の故障が原因で走れなくなったのかもしれない。すごく走りたいんだけど、何かの理由で走れないのかもしれない。

そう思うと、僕は走っているのではなく、走らせてもらってるんだ、あの方のように走りたくても走れない、でも、せめてランナーの応援をすることによって自分も走ろうと思っておられるんだ。辛くなると、その言葉が頭をよぎり、あきらめずにゴールを目指すことができました。

マラソンの沿道で応援してくださる方は、みなさん、本当に「並走型」なんですよね。僕達が速く走ろうが、リタイアしようが、全く皆さんには関係ないのに関わらず、せっかくの日曜日に朝早くから起きて、おにぎりを握ったり、アメやドリンクの準備をしたり、その上、皆が通り過ぎる5時間も6時間もずっと、身を削って応援してくれます。晴れていようが、雨が降ろうが、本当に時間もお金も使って、無私の気持ちで応援してくださいます。

ランナーはランナーで、ネガティブな辛さではなく、ポジティブな辛さを抱えて走っています。先が見えない暗中模索の状況ではなく、42.195km先のゴールを心の目で見ながら、一歩づつ辛さを乗り越えて行きます。そこに並走してくださる方々の応援にどれだけ励まされ、チカラをもらえることか。

だから、感動し、感謝し、エネルギーが生まれ、僕らランナーは、どれだけ辛くても、一歩一歩ゴールに向かって足を踏み出すことができるんです。

ゴールした後にランナー全てが感謝を口にするマラソン。
本当に素敵なスポーツです。

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