・
ある事業がサステイナブルであるかどうかを判断する一つの基準は、やはり「理念」にあると思います。なぜ、この事業をしなければならないのか。どういう意義があるのか。
マネジメント層だけでなく、働く人すべてが自問自答すべき課題です。だって、それぞれの人生があり、時間は限られているのですから。そこまで死ぬ気で考えてやっているかどうかです。そこまで、自社の製品やサービスについて理解しているかどうか、です。
でも現実はどうでしょうか。「食うために働いている」という人のなんと多いことか。これってとても寂しい現実であると同時に、経営者からすれば「都合の良い真実」と言うことも出来ます。少し過激な意見ですけれど、そういう人々がいなければ、会社組織は成り立ちませんよね。給料を与える人と、給料をいただく人。自分の時間を切り売りして給料をいただく人がいなければ、会社組織は成り立たないしリスクを負っている経営者の給料も出ないし、自由もない。少なくとも、皆が「有限の人生の中で、明日死ぬとわかっていて何を行うか」と考え始めると、資本主義経済は成り立たなくなるのです。
人生は有限ですから、自分の限られた時間(=命)を賭してまでそれをやる意義があるのかどうかということを日々自問自答しなければなりません。その理念が大義名分であって大いに結構なのです。更にディティールに落として考えると、迷った時、困った時に帰ることが出来る絶対的な真理=コンセプトが必要で、そこに共感できる人間集団が一番強いということになります。
・
ですから危険なのは、「稼げる」「儲かる」という事だけにコミットしないことですね、稼げる、マネーをゲット出来るということに重点を置くと、稼ぐことが出来なくなった時(あるいは稼げないと分かった時)に、人は離れてしまいます。稼ぐ、儲かるということはとても大切ですが、そこにコミットすることの基盤のいかに脆弱なことか、ということです。
もちろん、人それぞれ価値観はあると思います。リスクヘッジを掛けながら安定を望む人もいるでしょう。飛び出さなくったって、給料いただきながら、責任を回避できるポジションを希望する人もいるでしょう。そこはインディヴィヂュアルな観点であるため、良し悪しの判断はできません。
しかし、企業がサステイナブルであるためには、コンセプトとマインドセットがとても大切であるということを、ほろ酔いの頭で考えていました。