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本日から仕事初めです。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、年頭に先立ち2015年のTech Trendを再考してみたいと思います。昨年の10月31日に「Gartner Tech Trend 2015 から、今後のビジネスをイメージしてみる」という記事をエントリーして、Gartner Tech Trend を参照した訳ですが、時節柄、様々なメディアやブログで今年のトレンドを考えてみるということで、またまたネット上にたくさんのトピックが流れていますね。僕が見る限り、どのメディアも大体の方向性は共通しています。
今日は上記トレンドの中でも、一位と二位に焦点を当ててみます。
一位の「Computing everywhere」と二位の「Internet to things」は、概念と手法という意味でかなり密接な関係にあると思っています。「Computing everywhere」とは、読んで字の如く「どこでもコンピューティング」ということで、1960年代のメインフレームコンピューティングから、80年代のパーソナルコンピューティング、90年代のインターネットコンピューティング、00年代のモバイルコンピューティング、そしてウェアラブルコンピューティングへと、より身体に近く、生活に密着する場所へと近づいて来ました。これはデバイスだけでなくて、メディカルやヘルスケア、モビリティ分野も含めて同じことが言えます。
元々コンピューティングという意味はかなり広義で、計算処理や情報処理、データストレージ、そして労働の自動化という意味まで含みます。ハードウエアもソフトウエアもデバイスも、処理と、処理を司るハードという意味合いでセットです。今後のトレンドとしては、例えば生活の中のアナログな場面でさえ(例えば公園での遊びやランニング、山登りなど)、何らかのコンピューティングともっと関係が深くなるということを意味します。
例えば、何らかのデバイスを身に着けて公園で遊ぶことが普通になるかもしれないし、公園のブランコや滑り台にもコンピューティングが応用されるかもしれない。少なくとも、僕もランニングしている時や山を登る時でさえ、腕時計やスマートフォンで位置情報を確認し、距離や速度を計測し、写真を撮り(大抵くだらないモノが多い)、SNSでシェアしています。このように、人がいるあらゆる場所で何かしら「コンピューティング」が関係するようになっていますし、今後益々そのトレンドは加速するでしょう。タクシーや出前でさえスマートフォンで簡単に手配でき、その手配された情報がデータログとして残り、リコメンドサービスや商品開発へとフィードバックされています(ビッグデータ解析)。
「Internet to things」は「IOT」と略されますが、これは「モノのインターネット」という意味で、PC、スマートフォン、ウェアラブルなどのデバイスだけでなく、家電や、車や住宅でさえ、インターネットと繋がることを示しています。ある意味「IOT」は「Computing Everywhere」の一部であると言えるかもしれません。実際、車に乗る時間が長いアメリカ(特にシリコンバレー)では、車とネットを繋いだサービスのスタートアップスが続々と誕生しています。日本では日本特有の文化と風土の中で、何か固有の新しいサービスが誕生していくでしょう。別にTech系の仕事についていなくても、個人のイマジネーションから新しいアイデアが続々と誕生する土壌が醸成されてきたと思います。だって、大抵のアイデアを実現できるインフラストラクチャとテクノロジーは揃って来ている訳ですから。今年は更にスタートアップスがたくさん生まれそうな予感です。
最後に、参考までに同じくGartnerのハイプ・サイクルをペタッとしておきます。こういうサービスの良いところは、各カテゴリを上手にビジュアライズしてくれているところにありますよね。そして頭の良い人達は、ここに挙げられていないような更に先端のことを日々考えているのです。怖い!(笑)
ガートナー、「先進テクノロジのハイプ・サイクル: 2014年」を発表
デジタル・ビジネスに向けた動きが明確に
さあ、今年はどんな年になるでしょうか。
もちろん全ては時間軸の上で起こっている訳であり、年が変わると何かがリセットされてイチから「よーい、スタート!」となる訳ではありません。技術の進化は日々起こっています。僕も米国とのやり取りが増えたお陰で、年末年始関係なく皆さん動いているのに引っ張られて正月ボケをする暇がなかった訳ですが、まあ、一つの区切りとして評価するには良い機会だと思います。
脳みそのウォーミングアップがてら、幾つかのトピックをどのように製品やサービスに昇華ができるか、色々とイメージしてみても面白いかもしれません。