苦楽園の地域新聞として、こんなフリーペーパーが出ているらしい。
いつもお世話になっているサロンでもらった、「EN」。
中身はこんな感じ。
僕は、地域のフリーペーパーが好きだ。
特に生まれ育った、愛着のある街は特別。
贔屓の店や老舗の店が取り上げられていると、とても嬉しいし新しい店の掲載も新発見で嬉しい。芦屋、苦楽園も、僕が子供の頃からやっているお店もあるし、新しい店も多い。でも概して回転が速いかもしれない。
そんなことがあって、今夜は子供の頃にお世話になった粋な店、粋な大人を思いだした。
例えば祖父の親友だったサムさん。
サムズプレイス(現:芦屋竹園第三別館)のオーナーで、当時珍しかった生肉の「タルタルステーキ」を、祖父に連れて行ってもらう度に「ともちゃん、これ食べ。」言うて、サービスで出してくれた。
あれは本当においしかった。今もあるのかな。
若い頃、進駐軍の通訳をやってたらしく英語もペラペラで、外人さんの友達がたくさんいて、古いボルボを20年くらい乗ってゴルフに行き、洒落たじいさんだった。僕が初めてゴルフデビューをした時に連れて行っていただいたのも、この方のボルボだった。
あの頃、芦屋駅前は今のように整備されていた訳ではないけど、古い洋食屋に外人さんも旦那衆も集まって、すごく粋だったイメージがある。パン屋のビゴさんも祖父の店に「もうかりまっかー?」って大声でのっしのっしと巨体を揺らして入ってきては、しゃべるだけしゃべって帰っていった。
なんだか分からないけど、まわりに粋な大人がたくさんいた。共通の趣味(例えばゴルフ)があって、皆が集まれる「ハコ」があって、フラッと来てはおしゃべりして帰る。
そんな小さなハコの集積が、駅、街、という規模の受け皿になる。そして、人の流れから、ある「ゆるい文化」や独特の雰囲気が生まれる。僕が子供の頃と言っても、ほんの20年や30年前、別にお金があってもなくても地位があってもなくても、ジャケットにサラリとチーフさして、パイプをくわえているような芯の通ったオッサン衆がたくさんいた。
なんだか街に活気があって粋だった。
モダンな文化。
今はどうなんだろ、これからはどうなっていくんだろう。昔の記憶がよみがえってきた。明日は苦楽園で30年以上続く老舗バーに行く予定。もし機会があればマスターに色々聞いてみよう。