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いかにも資本主義経済の実体を良く表しているなと思った記事です。
最近こういうの多いですね。
イギリス富裕層1000人の資産総額、GDPの3分の1に (huffington post)
たった1,000人で88兆円の資産があるとのこと。不動産も入っているでしょうけれど、まあ、「資本家が支配するのが資本主義経済である」という実体を非常に良く表していますね。大切なことなので二回言いますが、資本主義は資本家が支配します。資本家は金を使うのではなく、金を使って金を増やします。使うのではなく、貸して増やします。彼らが消費している金は庶民層とさほど変わらない。多少衣食住で格差があったとしても、保有資産の格差に比べれば微々たるもの。
一方、富裕層ではない層は金を消費します。衣食住、教育、すべてでインカムの大部分を消費します。家計はプラスマイナス0かマイナスです。年収500万の人が4000万の家を買うために、借り入れ(借金)をしますが、その時点で、マイナスのスタートです。住宅ローンなどの融資の元となる金は、銀行に貯蓄している富裕層の莫大な資産です。つまり、一般市民は富裕層から金を借りて家を建て、35年間、利子を払いながら返済を続けるのです。一生親方を逆転できない丁稚奉公のようなものですね。その上で階級社会ですから、どうにもハイエラルキーの上層には行けないという現実もあります。寂しい話ですが、それが資本主義経済の現実です。問題は、将来的にそれらの富がどういう風に分散されていくかという点でしょうね。
「分散」という言葉を使ったのは、ある意味、自然淘汰というか、経済の流れや時代ごとのシステムの変化によって自然に分散されていくようなイメージです。戦後に財閥解体された日本のようなイメージですね。今はまた格差が広がって来ていますが。
分配というと、富裕層や国の意思が働きますが、先日の記事で紹介したとおり、富裕層はどんどん富を守ろうとする傾向にあるようですから(分断された社会 ー まるでSF小説の世界だ)、今後どのようになっていくのか注視が必要です。
英国、米国の事例が最近クローズアップされますが、日本も時代は変わって来ています。一億総中流というのは崩壊し、日本はまだ恵まれているよねーっというのもいつまで続くか分からないので、自分の身は自分で守るという思考にシフトすべきですね。考えさせられます。
ただし、こういう世の中が「社会として進歩しているのか」という観点から論じれば、いやむしろ時代を逆行しているよね、という風にしか感じません。言ってみれば、ここまで格差が生まれるというのは封建時代や、王侯貴族が現役であった時代ですからね。どんだけ時代逆行してんだ。成熟した社会というのは、一体どのような社会なのか、その辺りがキーでしょう。