「会社で働くのはいいが、会社員になるのを目指すな」新卒からベテランに至るまでどの世代にも必要なマインドセット

大学に入学したばかりの学生や、新社会人に対して、これだけは読んでおくようにと薦めるのが 「シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 (NewsPicksパブリッシング) 」なのですが、著者である安宅先生のブログ「ニューロサイエンスとマーケティングの間」に、素晴らしい記事が掲載されていたので紹介させていただきます。

主に学生や新卒社会人向けに書かれたものですが、ここまで強烈かつ明確に要点がまとまっているインタビュー記事も珍しい。というわけで、若い方だけでなく大人の皆さんも是非ご一読を。年齢は関係ない。今この瞬間が一番若いのですから。

未来が欲しいなら名刺で生きるな、somebodyになるべし」から一部引用します。

言葉を選ばずに言えば「会社で働く」のはいいが「会社員になるのを目指すな」と伝えたい。官僚機構も含め組織の一員になるということは、組織という価値創出機構、仕組みの一機能、一つのパーツになるということを意味しています。それなりの規模の組織に入ることで人生のリスクを下げようとすれば、どうしても自由度は落ちるということです。

(中略)

悩んでいるのなら、少しでも自分のユニークさを作ることに時間を割き、「僕は、私は、〇〇な価値を生むのが得意です」と答えられる“somebody”になって欲しい。そのためにも、若い頃から深く感じ、考え、それを元に判断する、悩んでいる前に何かをやる習慣を身につけるべきだと思います。仮に既に就職し、働いてしまっている場合も、週5日、一日9時間働いても45時間、一週間168時間の27%に過ぎない。睡眠に3割取られるとしても4割もの時間が自由なのです。仕事の後の時間もある、週末もある、自分の投資できる時間をいかに使うかです。

https://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/10/25/174832

 
ちょうど今日のyahooニュースに、「なりたい職業、男子の1位に「会社員」が浮上…コロナ禍が影響?」(読売新聞ニュース)とあり、「会社員」が第一位に輝きました。

在宅ワークで親が働く姿を子供が見る機会が多くなって、必ずしも「会社員」というのは夢も希望もない選択ではなく、それだけ仕事が子供にとって身近になったと、むしろポジと捉えるような分析もありましたが、そもそも「会社員」って職業なのか?大きなくくりで自営・経営層・パート・アルバイト以外はみんな会社員ですしね。なんなんだこのくくりは。笑

もちろん「会社員」になるのが悪いのではなく、先の記事にあるように会社や組織で働くのはもちろんOK、一人でやるよりも会社なら使えるリソースもたくさんあるのでむしろ良い。シンプルに自分がその中で「somebody」になれるように努力すればいいのです。つまり、その組織の中で変わりのきかない仕事をしているかどうかです。オリジナリティを持ち、uniqueであること。例えば、新しいシステムを会社で導入するとします。それを誰よりも早く習得し周りの人間に教えられるようになれば勝ちなのです。そういう小さなことをたくさん増やしていくこと。

あとは、「外部とのインタラクション(相互作用)があるかないか」でその人が大きく跳ねるかどうかが決まります。小さな組織や部署での「somebody」は比較的簡単なのですが、元気よく会社に入社したまでは良いが、小さくまとまる人間がほとんど。

大きく跳ねる人とその他大勢との違いは「外に出ているかどうか」です。僕が見てきた中で大きく跳ねる人間は、社内部内の同僚同士で小さくつるんだり、地元の友達と小さくつるんだりせず、仕事の後はスクールに通う、学ぶ、社外セミナーにいく、コミュニティで人脈を作るなど、外に出て世界を広げつつスキルアップに励む人間ばかりでした。あえて修羅場を踏む。居心地の悪い環境に飛びこみ、その環境を居心地の良い場所に変える。そのようにして外部とのインタラクション(相互作用)を生み出しています。会社の外に出て色んな意味で自己研鑽しなければ何も生まれないわけです。付き合う人間って大事ですよ。僕が普段一緒にいる人たちはある意味、唯一無二の人ばかりです。笑

もちろん、人の幸せは人それぞれ。
小さく安定することを否定している訳ではありませんし、その方が幸せを感じる人もいますが、特に選択肢がたくさんある学生さんや若い新卒の皆さんにはこのようなマインドセットでいる方が、大きく世界が広がるということをお伝えしておきたいと思います。

とはいえ、自分もいかに「somebody」になれるかを、しっかり考えて行動したいと思います。僕もまだまだ何者にもなれていないので。

先日の記事参照:
個人のキャリアも集合知で決めて良いのではないか(2021/03/12)

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