克服型スポーツという共通言語


僕はマラソンを趣味にしているのだけど、同じく「ランナーな人達」とは時間を忘れるくらい話が弾む。多分、何かの制限がなければ、ずっと話し続けていれるような感覚だ。

誰しもタイムを1秒でも縮めたいし、1mでも長い距離を走れるようになりたい。出来れば、笑顔で楽に走りたい。そのために、雨の日も風の日も、仕事で疲れていても走りに行く。そして大会本番の、あの辛さや楽しさや達成感を同じように経験しているから、なんだか「同志」のように感じるのだと思う。要は、共感し合える仲なのだ。そして、マラソンやランニングは、その「共通言語」になっているのだと思う。

他にも共通することがある。
ランナーは、山にも行く人が多い。

同じ景色を見ながらのロードランは飽きてしまうから、気分転換に山ランをしたりトレッキングをしたりする。単なるトレーニング目的じゃなくても、ただ山道をリュックを担いで歩いているだけで楽しい。歩いて登るだけでこんなに楽しいなんて。

山もやはり「共通言語」だ。なんとか登り切って山頂で飲むビールの美味さや、行ったことのないルートの話や、登ったことのない山の話を聞いていると、自分も行きたいと思うし、チャレンジしたいと思う。今日は仕事の打ち合わせの際に、六甲縦走トレランがどれほどキツいかの話を聞いた。ああ、なんだかすごいなーって感心した。そのしんどさが容易に想像できるからだ。

マラソンや山は、共通して克服型スポーツの典型だと思う。

自分との戦い。
そういう意味では、これまた大好きなゴルフもそうなんだけど、ゴルフの場合は克服型というよりはメンタル面とテクニック面での作用が大きいし、社交性も含まれるのでちょっと違うような気がする。でも、同じようにゴルフ好きな人とも、ゴルフを共通言語として話が弾む。

「一回飲みに行くよりも、ゴルフを1ラウンドした方が仲良くなれる」

という話は良く聞くけれど、ゴルフは「大人のピクニック」という形容詞にあるように、朝から夕方まで一日を自然の中で過ごす訳だから、その人を知るという面では、一回の飲みよりもはるかに早く仲良くなれるのは当然だとも思う。プレースタイル、マナー、会話。いろんな観点から、その人となりを知ることも出来る。逆に嫌な面を見ることもあるかもしれない。

趣味には色々な種類があって、音楽、車、読書、映画鑑賞などから、テニスや野球と行ったスポーツまで、幅広い。それぞれに愛好家がいて、サーファーはサーフィンに出会っただけで人生の半分は成功したって言うし、鉄道愛好家も、コミケな人達も、みんな同じようにそう思っているのだろう。そう考えると、趣味って素晴らしいなあ。

僕も今までそれなりに色々としてきたけれど、マラソンや山は(スキーもだけど)、その中でも「共通言語」としては本当に深みと奥行きがある感じがする。そこがなんだか面白い。

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